会社を揉めて辞める際の手順や考え方を解説しています。
労働者側がわがままし放題で明らかに会社に迷惑をかけているのであればフォローのしようがありませんが、そうでは無く、明らかに雇用主側(会社側)が不当な扱いをしてきたことで揉めた際にどうするか?という観点からまとめています。

自分もブラック企業経験者なので、不当な扱いへのストレスはわかるし、実際にこじれた経験もあります、、、
会社を揉めて辞めることになった場合、理解しておくべき6つの項目
1、労働者側の意思で退職は可能
会社と揉めると辞められないのかな?と不安になりますが辞めることは問題ありません。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法により退職は労働者の権利として認められています。
そのため、会社は拒否する力を持ちません。
仮に拒否してきたとしてもその発言にはなんら法的な拘束力が無いので心配する必要はありません。

詳しくは以下の記事も併せてご参考になさってください。
また、退職の流れは後述する「会社を退職する方法・選択肢は3つ」をご参考になさってください。
2、円満退職はありえないし必要ない
ちょっと過激な発言かもしれませんが、揉めた時点で円満退職は無理です。
というよりも、円満退職ができないレベルだから揉めるわけですよ。汗
よく「円満退職にしましょう」「立つ鳥跡を濁さず」などと見聞きすることもあるかと思いますが、それは「円満退職ができない」という世界を知らない人がまとめた机上の空論です。
理想論だけでは対処できない世界もあるんです。
もちろん円満退職にまで軌道修正できるぐらいのパワーがあるなら頑張ってもらってもいいと思いますが、「どう考えても無理!」「そんな状況じゃない!」ってことならキッパリ諦めて、割り切って退職に進みましょう。
人間通しのやり取りなので、理想論だけで処理できないことって多いです。
残念ながらわだかまりが残ることも普通にありますので。
3、「相手」を誤解しないこと
会社と揉めた際は、形式上は「会社と揉めた」となりますが『具体的に誰と揉めているのか?』を明確にしておきましょう。
例えば社長と揉めているけど、同僚や他のスタッフとは揉めているわけでは無い、などはあり得ますよね?必要以上に敵を作る必要なんて無いですし、むしろ仲の良い人とは円滑な関係のままの方が良いに決まってます。
当時の僕は社長には「この野郎!」って感じでしたが、他の方とは特に問題なかったです。
例えば総務の方とは仲良かったぐらいですから、会社自体は辞めましたけど退職に関わる手続きとかでトラブることはありませんでした。
味方は多いに越したことは無いですし、敵は少ないに越したことは無いです。
4、次の転職先は伝えない
次の転職先を教えて、万が一にでも嫌がらせやトラブルが発生したらあなたはもちろん転職先にも迷惑がかかります。
そんなことが無いように絶対に次の転職先は教えないようにしましょう。
「次の転職先を教えろ!」とか脅されても「嫌です!」の一点張りで。
5、証拠は常に残す
会社側に非があるのであれば、わかる範囲で良いので具体的に何が問題なのか?をリストアップします。
何月何日にどんな悪さをされたのか?を常にメモに残しておき、且つ証拠として残せると思えるもの(出勤カードや相手からのハラスメント発言のメール、やり取りの電話を録音、など)はすべからくリストアップしておきましょう。
大人になってからの戦い方は証拠が大事です。笑
不当な扱いを受けた内容はまとめる
例えば以下のイメージです。
[例]
- 残業代の未払い
- 有給をつかわせてくれない
- ハラスメント行為
- 身内を脅された
- 次の会社を教えろ!などの脅迫
わかる範囲で構いません。
自分が少しでもそう感じたことは細かく列挙してまとめておきましょう。
6、自分は感情論を表に出さない
感情的になるのはわかりますが、会社側と本気でぶつかろうとなるなら感情は一旦グッと抑えていただき淡々と対応するスタンスが好ましいです。
感情的になると自分のボロが出やすいので、あとで自分にとって都合の悪いことが起こらないとも限りませんので。
会社を揉めたら後の人生に響くのか?の誤解
「綺麗に辞めないと、その後の人間関係に響く」「次の会社に影響する」などと言われることもありますが、基本的には後の人間関係にも仕事にも響きません。
どうしても響かざるを得ない特殊な環境にいるならまだしも、一般的な企業勤めであればまずありません。

少なくとも僕は一度もありません。
確率論的にいえば0%では無いので言わんとすることはわからないでもありませんが、実際問題としてほぼ無いので気にする必要はありません。
自分から会いに行くことも無いでしょうし、仮に街中で出会っても無視すればいいだけ。転職先の会社で付き合いが発生しそうなら事情を話して担当を下ろしてもらえば良いだけです。
よって、辞めた後のことで必要以上に心配する必要はありません。
会社を退職する方法・選択肢は3つ
1、自分で頑張る
シンプルに自分で会社に辞表を出して辞める、というだけです。
有給があれば有給消化まで含めて辞めてしまいましょう。
【補足】退職理由で嘘はおすすめ(病気や結婚など)
会社との揉め方にもよりますが、嘘をついて辞めることが出来るぐらいの状況なら嘘をついて辞めてもいいと思います。
モラル的に~、といった話は一旦横に置いておきますが、会社と揉めた時点でモラル云々を気にしている状態ではないと思いますので、無事に辞めることを第一に考えましょう。
その結果として嘘(結婚する、病気で~、など)が手っ取り早いなら選択肢の1つとして検討すればいいと思います。

恥ずかしながら僕も嘘ついて辞めた経験あります。汗
2、自分&労働基準監督署
自分の頑張りだけでは会社側が首を縦に振ってくれない、ということであれば労働基準監督署に相談して会社側に指導を入れてもらいつつ退職まで進めましょう。
労働基準監督署を動かすために必要な書類を用意するのにはある程度苦労はするかもしれませんが、そこまでしてでも動かない会社であれば外部の力も積極的に利用すべきです。
3、退職代行の利用
自分で頑張るのが難しい、という方であれば退職代行サービスを利用して退職に必要な手続きを丸ごと任せてしまいましょう。
退職代行の成功率
民法に則って労働者は退職の権利がありますので、基本的に100%辞めることは出来ます。
また、早ければ即日で確実に辞めることができます。
労働組合が運営する退職代行がおすすめ
ただし、普通の法人(株式会社)による退職代行サービスではなく「労働組合が運営する退職代行サービス」を利用しての退職の方がより確実です。
普通の法人(株式会社)による退職代行はあくまで辞めることを代わりに伝えるだけであり、且つ会社によっては相手にされない可能性もあります。加えて「残業代の未払い」「有給消化」などの問題には法律上、交渉ができないことになっています。
一方、労働組合が運営する退職代行サービスであれば「労働組合」がバックにいるため会社側は応対を無視することができません。(法律違反になるため)また、労働組合であれば「残業代の未払い」「有給消化」などがあった際も交渉が可能です。
自分ではどうしても切り出せない、という場合は労働組合が運営する退職代行サービスも選択肢に入れておきましょう。
酷い会社で揉めたら退職は割り切るのみ、ドライだけど仕方がない
揉めるよりは揉めない方が良いし、円滑に退職できるならそれが一番であることは間違いないでしょう。
ですが、揉める時は揉めてしまうものです。
いい歳した大人が何言ってるんだ、なんて声も聞こえてきそうですが(汗)理想論だけ話していてもどうしようもないことは往々にしてあります。
「理想論なんて語っている場合じゃない!」という方であれば、綺麗ごとにこだわることなくご自身が辞めることを第一に行動した方が良いです。

すぐにでも会社を辞めたい!ということであれば以下の記事もご参考になさってください。