妊娠中はつわりなど妊娠初期症状の影響、お腹の子供への影響いなどを懸念して仕事を辞めたいと考えることは自然なことと言えますが、一方で「妊娠で仕事を辞めたいと思うのは甘えではないのか?」と懸念される方もいます。
そこで、本記事では妊娠で仕事を辞めたいと思うのは甘えではない理由、および妊娠した際に円満に退職するまでの手順について解説します。
本記事のまとめ
- 結論:妊娠で仕事を辞めたいと思うことは必ずしも甘えではない
- おなかの赤ちゃんやご自身の健康を第一に考えるべき
- 出産に影響が出ないように辞めることも選択肢に
- 辞めさせてもらえない時・自分で退職を切り出せない時は労働組合が運営し、弁護士監修体制もある退職代行トリケシに相談する
妊娠で仕事を辞めたい気持ちは甘えではない
妊娠で仕事を辞めたいと思うことは甘えではなく、至って自然な選択肢です。
以下より、妊娠中に仕事を続けることでの注意点やデメリットなどを解説します。
妊娠中に仕事を続けるデメリット
妊娠中に仕事を続けるデメリットはつわりなどの妊娠初期症状が挙げられます。
つわりなどの妊娠初期症状で仕事が集中できない
悪阻(つわり)をはじめとした妊娠初期症状は多くの女性が経験するもので、影響の度合いは個々人によって異なります。全く影響がない方もいれば、つわりひどいくて仕事に集中できなくなる方もいます。
後者の場合、たとえば会議中に急に吐き気を感じたり、デスクワーク中に立ち上がれなくなることがあり、仕事のパフォーマンスに影響が出てしまいます。
おなかの赤ちゃんに悪影響
また、妊娠中に頑張りすぎることでお腹の赤ちゃんに悪影響を与える可能性もあります。例えば、仕事によるストレスや過労が続くとお腹の赤ちゃんの発育に悪影響が与えられる可能性もあります。例えば、仕事中にお腹に違和感を感じたり、赤ちゃんの動きが少なくなることがあるかもしれません。
以上のことから、妊娠中の無理な業務は避けた方が良く、仕事の状況や体調に応じて、上司や同僚に状況を説明して理解を求める。もしくは、仕事を続けることが困難であれば、休職や退職を検討した方が良いです。
妊娠中に仕事を辞めるメリット
妊娠中に仕事を辞めるメリットは、肉体的な負担が減ることが挙げられます。
妊娠中の不安定な体調に心配することなく体を休めることが出来るので、出産準備に専念できるだけでなく、ストレスが軽減されることでお腹の赤ちゃんの発育にも良い影響が期待できます。
また、仕事を辞めることで精神的な負担も減ります。
仕事を続けながら妊娠中の体調変化に対処するのはストレスも溜まりやすいもの。職場での人間関係や仕事のプレッシャーがなくなれば精神的にリラックスできる時間が増えるでしょう。
【結論】妊娠での退職を甘えと言う会社はすぐに辞めた方が良い
妊娠での退職を甘えと言う会社は従業員の健康や福祉を十分に考慮していない可能性が高いです。
きつい言い方になりますが、そんな会社はすぐに辞めた方が良いでしょう。
このご時世に従業員の健康を配慮しない企業文化を持つ会社に居ても時代にそぐわないだけでなく、ご自身の人生にも悪影響を与えかねません。
妊娠中の女性が仕事を辞めることは、自分とお腹の赤ちゃんの健康を守るための大切な選択です。
会社がそれを理解してくれない場合、自分の健康や赤ちゃんのためにも勇気を持って退職を決断すべき。健康な体で出産や育児に専念できる環境を整えることが、ご自身にとっての幸せにつながります。
妊娠がわかり仕事を辞める際の伝え方に悩まれている時は以下の記事もご参考になさってください。
妊娠を理由に辞めた方々の体験例
妊娠初期に仕事を辞めるという知恵袋の相談も多い
妊娠初期です。つわりで仕事がきついです。きついといっても、ゲーゲー吐くわけではなく、常に気分悪くて、他人の臭いで吐き気がします。思いきって休みをとりたいのですが、私の職場はわりとみんなギリギリまで働い ており、家庭と仕事を両立させている人が多いです。制度としてはしっかり設けられているのですが。仕事でストレス受けたり長時間勤務になると出血やお腹の張りがあり、眠気でミスばかりしていて、悔しいです。でも手術や不妊治療の末はじめてやっとできた赤ちゃん、大事にしたいです。休んだら甘えでしょうか?
Yahoo!知恵袋
つわりで仕事の継続が辛くてやめた人もいる
妊娠6ヶ月に入り仕事を辞めたいケース
妊娠6ヶ月、安定期に入りましたがとにかく眠いです。 閲覧ありがとうございます。 現在妊娠22週の23歳の妊婦です。 先月中旬から仕事を辞めて家にいるのですが、とにかく眠くて仕方ない です。 夜も8時間きちんと寝ているのですが、最低2時間お昼寝もしないと、夕方から体がだるくてまともに動けません。
Yahoo!知恵袋
【結論】妊娠を希望するからこそ仕事を辞めたいと思うのは自然なこと
妊娠中の体調変化は症状が重い人や無事に子供を生みたいと考える人に取っては自然なことです。
「【結論】妊娠での退職を甘えと言う会社はすぐに辞めた方が良い」でもお伝えしたように、このご時世に妊娠という事情があるから退職を認めないような会社は時代にそぐわない会社と言えます。そんな会社は仮に長く勤めたとしてもメリットがあるとは考えられません。
返信を希望するからこそやめたいと思うのは自然なことです。ご自身の人生プランを第一にし、無事の出産を目指して退職処理を進めていきましょう。
妊娠で仕事を辞めるタイミング
妊娠で仕事を辞めるタイミングには個人差があるため、自分の体調や状況に合わせて適切なタイミングで辞めましょう。
辞めるタイミングは個人差がある
妊娠した方の妊娠初期症状の影響具合によって仕事を辞めるタイミングには個人差があります。
すぐに仕事を辞めたいと思う人もいれば人は妊娠中期まで働きたい(働ける)と考えることもあります。
いずれにせよお腹の赤ちゃんに悪影響が無い、という点を踏まえて辞めるタイミングを検討しましょう。
また、辞める際の上司にその旨を早めに伝え、引継ぎが円滑になる様にしましょう。そうすることで円満に退職できる可能性が高まります。
妊娠初期での仕事はハードだと思ったら辞めるタイミング
妊娠初期はつわりや疲労感が強く、仕事がハードに感じることが多いです。
このような状況で、仕事を続けることが困難であれば早めに辞めるタイミングを検討しても良いでしょう。
辞める際の注意点と辞める方法
妊娠で仕事を辞める際の注意点を押さえているかどうか?で円満退社になるかどうか?に影響します。
上司や同僚に報告し、事情や働き方を理解してもらう
妊娠が分かったら、まずは早めに直属の上司に相談しましょう。
具体的には相談時に「最近妊娠が分かり、体調が思わしくないことがあるので今後の働き方について相談させていただきたい」などと伝えると良いでしょう。
体調が悪くなる前に相談
上司への報告が終わったら同僚にも事情を伝えて業務の協力をお願いしましょう
例えば、「妊娠が分かり、つわりがひどい日もあるため、仕事に支障が出ることがあるかもしれません。その際はお手数をおかけしますがサポートをお願いできますか?」などと自分の状況を理解してもらいながら助けを求めてください。
敢えて甘えることも大事
無理をしてお腹の赤ちゃんに影響が出ないよう、敢えて甘えることも大事です。
例えば、重い荷物を持たされそうな時は「妊娠中なので、重いものを避けたいのですが、代わりに持っていただけますか?」などと遠慮なく相手にお願いしましょう。
仕事を辞める場合
基本的には会社の就業規則に則り事前に退職の旨を伝え、引き継ぎを行いながら辞めることになります。
ですが、症状があまりも重い場合、もしくは緊急で辞めざるを得ない状況に陥ってる場合は例外的に早期退職を相談してください。
(やむを得ない事由による雇用の解除) 第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
仮に会社の規則で事前に3ヶ月前に退職の旨を伝えるなどがあったとしても、やむを得ない事由があった場合は民法第628条に基づき早期退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
大事にしなければいけないのは会社の業務よりもお腹の赤ちゃんやご自身の健康です。やむを得ない状況であればお腹の赤ちゃんやご自身の健康を優先させた退職処理を進めましょう。
仕事を辞めたいがその前に産休を取りたい場合
まずは会社の人事担当や上司に妊娠を報告し、産休に関するルールや手続きについて確認してください。具体的には、「妊娠が分かりましたので、産休についての情報や手続きを教えていただけますか?」などと尋ねると良いでしょう。
会社によっては産休前に一定期間働く必要があることがありますので、「産休を取得するためには、どのくらいの期間働く必要がありますか?」などと質問し、自分の状況に合わせて働き方を調整しましょう。
なお、仕事を辞めたいと思っている場合でも産休中に考え直すことがありますので、迷っている際の相談では「産休後の復帰についてはまだ決めかねていますが、産休中に考えたいと思っています」などと伝えておきましょう。
復帰する予定がある事前にその旨も伝えておく
妊娠を期に仕事を辞めず、復帰の可能性も考えている場合は予め上司や人事担当に復帰の可能性を伝えておきましょう。
具体的には、「妊娠が分かり産休を取得したいと思っていますが、産休後の復帰を予定しています。」などと伝えましょう。
復帰を前提に話を進めることで上司や同僚からの理解やサポートを得やすくなりますし、復帰後の働き方や職場環境について事前に相談することができます。
「産休後の復帰時に柔軟な勤務体制や育児と両立しやすい環境について相談させていただきたいと思っています」などと伝えることで復帰後の働き方についても話し合いができます。
どうしても辞めさせてもらえない時は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 相談しても辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営し、弁護士監修体制もある退職代行トリケシに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
妊娠で仕事を辞めた後の生活と経済面
妊娠で仕事を辞めた後の生活と経済面を予め理解しておくことで、不安なく退職処理を進めることが出来るようになります。
出産準備や育児に専念できる
妊娠で仕事を辞めた場合、出産準備や育児に専念することが出来るようになります。
例えば、妊娠中に子どもの部屋を整えたり、ベビーカーやベビーベッドなどの用品を揃えたりすることも可能。他にも、出産前に産院や病院を見学し、自分に合った産院を見つけることができます。
さらに、出産後は育児に集中できます。
子どもとのスキンシップや、授乳やおむつ替えなどの基本的なケアを行うことができます。また、子どもの発育や成長を見守りながら積極的に遊びや学びの時間を共有することができます。
このように、仕事を辞めることは出産準備や育児に専念できるメリットがあります。
妊娠したら取得できる休業期間と給付金の取得条件を知る
休業期間
産前・産後休業期間は産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日です。この期間については事業主の申し出により社会保険料が免除されます。
また、産前・産後休業期間に加えて育児休業を取得することもできます。育児休業は子どもが1歳になるまで(最長2歳まで延長可能)の間に最大1年間取得できます。
加えて、妊娠中につわりなどで体調不良になった場合、傷病休暇を利用することができます。傷病休暇中には傷病手当金が支給されますが、傷病手当金の支給額は平均賃金の60%となります。
給付金
産前休業・産後休業を取得し、その間に会社から賃金の支給がない場合に支給されるのが「出産手当金」になります。
原則として産前42日、産後56日が対象で、1日当たりの支給額は支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額を30日で割った金額の2/3。つまり、それまでの給与の2/3程度と考えておけばよいでしょう。
被保険者期間が継続して1年以上ある場合は産休に入ってからの退職でも受け取れますが、「被保険者期間が継続して1年以上」という計算に任意継続被保険者の期間は含まれません。よって、産休が開始する前に退職をしてしまうと出産手当金を受け取れなくなってしまいますのでご注意ください。
他にも、出産をすると「出産育児一時金」として原則42万円が支給されます。健康保険の被保険者であること、つまり退職していないことが前提となっていますが、退職後6カ月以内の出産であれば被保険者期間が継続して1年以上ある場合は対象になります。
また、上記に該当せず夫の扶養に入った場合、夫に「家族出産育児一時金」が支給されます。(金額は同じです)
育児休業中の場合
育児休業中には雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
育児休業給付金は育児休業開始前の2年間で、11日以上労働した期間が12ヶ月以上ある場合に支給されます。(ただし、2021年9月1日からは、この条件を満たしていなくても支給される場合があります。)
育児休業給付金の支給額は、育児休業開始前の平均賃金の67%(最低限度額と最高限度額があります)。ただし、出生時育児休業(子どもが生まれた日から8週間以内に取得する育児休業)を取得した場合は、平均賃金の100%が支給されます。
なお、出生時育児休業は2回まで分割取得ができますが、3回目以降に取得した場合、出生時育児休業給付金の支給対象外となりますのでご注意ください。
これらの給付金の受給条件や手続き方法については、会社の人事担当や労働基準監督署に相談して確認しておきましょう。
【Q&A】退職時によくある悩み
- Q休む際に育休・産休がしっかり取れるか?が不安です
- A
育休・産休は、法律で定められた権利です。(労働基準法第65条)
会社は従業員が産前産後休業や育児休業を取得する権利を尊重しなければなりません。不安がある場合、事前に人事部門や上司と相談して手続きや休業期間について確認しておきましょう。
- Q今の仕事・職場に無事復帰できるか?が不安です
- A
出産後に復帰する際には、事前に職場復帰の意思を伝え、復帰時期や働き方について相談しましょう。また、復帰後の業務内容や勤務時間についても確認しておきましょう。
- Q出産後、転職ができるか?が不安です
- A
出産後の転職は十分可能です。出産後の転職を成功させるためには自分のスキルや経験をアピールすることが重要であり、且つ産後の育児と仕事の両立に理解のある企業を選ぶようにしましょう。
- Q円満に退職できないかもしれないと不安です
- A
円満に退職するためには退職のタイミングや引き継ぎの方法を考慮し、スムーズな移行ができるように準備しておきましょう。上司や人事部門と相談して円満な解決ができるよう対応していきましょう。
- Q妊娠中の働き方や労働環境に関する法律はどのように定められているの?
- A
妊娠中の働き方や労働環境に関する法律は、就業規則に記載はなくても、主に労働基準法と女性労働基準規則で定められています。
法律では「軽易業務転換」(労働基準法第65条第3項)や妊産婦の請求に基づく「時間外労働や休日労働、深夜業の制限」(労働基準法第66条第2項、第3項)、保健指導等に基づく「勤務時間の変更、勤務の軽減等」(男女雇用機会均等法第13条第1項)などが定められています。
- Q妊娠中に働くことが難しい場合、どのように会社に伝えるべきか?
- A
妊娠中に働くことが難しい場合は、まず自分の状況や希望を明確に把握した上で、上司や人事部門に相談しましょう。また、休職や勤務時間の短縮など具体的な働き方の変更提案も検討しておくと良いでしょう。
なお、仕事を続けることが困難な場合、育児休業や産前産後休業を取得することもできます。
- Q仕事を辞めるとキャリア更新が止まってしまうのでは?
- A
仕事を辞めることで一時的にキャリアの更新が止まることはありますが、その後の選択や努力によってキャリアを再開・発展させることができます。妊娠や出産を機に仕事を辞める場合でも、その期間に新しいスキルを学んだり、自分の強みや得意分野を見直すことで、再び働き始めた際に前向きなキャリアを築くことが可能です。
まとめ
妊娠で仕事を辞めたいという気持ちは決して甘えではありません。母体と赤ちゃんの健康を考慮しての自然な選択肢です。
いきなり辞めてしまうと会社側にも迷惑をかけてしまう可能性も0ではありませんので、妊娠による退職を決断したら早期に上司に相談して引き継ぎを進めつつ円満退社になるよう勧めていきましょう。