「もう仕事に行けない」と悩んでいるときに知って欲しい、行かなくても良い理由と行かないまま辞めてしまう方法について解説しています。
もう仕事に行けない、と辛い時に知って欲しいこと
心療内科を受診する
急な出勤困難は精神的な問題が原因になることが多く、精神的な問題は周囲に理解されるのが難しいので心療内科で診てもらってください。
休職が必要だと意思が判断してくれれば傷病手当をもらいながら会社を休むことも可能です。
精神的に辛い時に無理してはいけない
精神的な問題でストレスが過度に蓄積するとうつ病や適応障害になることもあります。
精神的なトラブルは理解されにくいが為に我慢を強いられやすいですが、うつ病や適応障害はれっきとした病気です。
心療内科や産業医に診てもらい診断書を用意して強制的に休む体制を整える自衛という考えも現代の労働者には大切になっています。
うつ病や適応障害になっても会社は責任を取ってくれません。
自分の身を守るためにも少しでも可能性があると自覚がある方は症状が出る前に職場から離れ、ご自身の身を守ることを第一に考えてください。
どうしても辛いと感じる時は仕事を辞めるサイン。会社の辞め時について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
仕事によるストレスは現代病
厚生労働省の「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査)」によるとメンタルヘルス対策に取り組んでいる事務所の割合は平成30年時点で59.2%、国内企業全体の約6割となっています。
言い換えると精神的な問題は身近に発生しやすい問題ということであり、現代病の一つと言っても過言ではありません。
人間関係のトラブルは増えている
厚生労働省が発表した「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」では、30%以上の人が職場での人間関係に強いストレスを感じていると公表されています。
さらに、厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概要」では前職を辞めた理由として
- 仕事の内容に興味を持てなかった
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
などが男女年齢問わずに一定の割合を占めています。
人間関係を通じて仕事に対してご自身の理想と現実との間に大きなギャップが生まれると仕事へのモチベーションが低下するだけでなく退職を検討するまでの事態にもなるということです。
辞めても良いし休んでも良いと知って欲しい
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
退職は労働者の権利であり、辞めることに対して後ろめたさを感じる必要はありません。
辛い時は休むべき。我慢が美徳は過去の話であり、根拠の無い精神論でしかありません。
- 休んでも良い
- 辞めても良い
これらはご自身の権利であり、ご自身を守るための選択肢でもあります。
いざという時に逃げ道が無いと精神的に追い詰められてしまいますので、追い詰められないよういざという時はご自身を守る権利と選択肢を活用してください。
朝起きたらどうしても会社に行きたくない、と感じた時は以下の記事もご参考になさってください。
仕事に行けない!と感じた時に知って欲しいこと
急に仕事に行けなくなった人は多い【体験談】
精神的に辛くて仕事に行けない場合
会社に行けない。
会社に行けない。双極性障害のうつがひどくなって1週間休んでます。会社は病気のこ… – Yahoo!知恵袋
双極性障害のうつがひどくなって1週間休んでます。
会社は病気のことは知らず、体調が悪い!という事で休んでます。
急に会社に行けなくなりました。
社会人2年目の女です。月曜日の電車で涙と吐き気が止まらなくなり途中下車。
急に会社に行けなくなりました。社会人2年目の女です。月曜日の… – Yahoo!知恵袋
会社の駅まで行ったものの、涙と嘔吐が止まらず近くのトイレで過呼吸になり結局いけませんでした。
翌日こそ行こうと、出掛けましたが同様の症状が出て行けず。
精神的な問題で退職まで検討し始めることになった際は以下の記事もご参考になさってください。
ストレスで仕事に行けない場合
前夜は行く気満々で朝食や弁当の準備もしっかりするのですが、朝目覚めると絶望感しかなく仕事のことを思うと吐き気がするようになり、ベッドから起き上がれない状態です。
会社に行けなくなりました。 – 真夜中に失礼します。転職して新しい仕事… – Yahoo!知恵袋
会社に行くのがしんどい。上司に接するのが辛い。
会社に行くのがしんどい。上司に接するのが辛い。こんな事で休んでしまうと、も… – Yahoo!知恵袋
こんな事で休んでしまうと、もう会社に行けなくなるでしょうか?
休職しているけど職場に戻りたくない場合
鬱病で再休職している者です。
鬱病で再休職している者です。とりあえず1~2ヶ月静養して、調… – Yahoo!知恵袋
とりあえず1~2ヶ月静養して、調子が良くなったら、
転職活動しようかと考えています。
(もう元の職場に戻りたくありません)
休職中に転職活動するのはやっぱりいけないことでしょうか
現在休職中です。復職について悩んでいます。
激務で体調を崩し、うつ病と診断されて2ヶ月休職しています。
会社側からは復帰する際には職場に戻るために徐々に労働時間を長くしていき将来的に、
元の仕事量をこなせるようにやっていこうとのことでした。
しかし、私はもう元の職場には戻りたくありません。できることなら配置転換(異動)したいです。
わがままかもしれませんが、主治医も適応障害とのことで前向きに賛成してくれています。
元の職場のことを考えただけで恐怖と不安感が出てとても復職できる気がしません。もし配置転換が不可能だと言われたら仕事を辞めるしかないのでしょうか?
現在休職中です。復職について悩んでいます。 – 激務で体調を崩し、うつ病… – Yahoo!知恵袋
ただ、どこの部署に行きたい等、明確な希望はありません。
今の職場以外に配属されて、復帰する為に何かアドバイスをお願いします。
仕事に行けずに苦しんでいる人は少なくありません。今では現代病の一種といっても過言では無いでしょう。
仕事に行けないことは甘えではない
仕事に行けないことは甘えなのでは?等と悩む方もいますが、決して甘えではありません。
出社困難とは、出社を阻むこれといった病気も無いのに、会社に行けない状態です。
復職支援|八千代市の心療内科・精神科なら勝田台メディカルクリニック
職場という環境に適応障害をきたしている状態とも言えます。出社しなくてはいけないことはわかっているのに、体がついていきません。朝、家を出ようとすると激しい頭痛や腹痛、下痢などに見舞われます。どうにか家は出ても、会社の前までくると、再び頭痛や吐き気がしたり、足が動かなくなったりして、会社に行けなくなるのです。
どうしても会社に行けないことは出勤困難症とも呼ばれます。
仕事に行けないぐらい気持ちが追い詰められているのは精神面で病気になっていると理解してください。
出勤困難症について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
仕事に行けなくなる方の理由・原因
上述した「人間関係のトラブルは増えている」でもお伝えしましたが、令和3年雇用動向調査結果の概要では前職を辞めた理由として
- 仕事の内容に興味を持てなかった
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
などが男女年齢問わずに一定の割合を占めています。
加えて、PRTIMESの「【入社後すぐに転職した理由ランキング】経験者383人アンケート調査」でも会社を辞めた理由に
- 人間関係への不満
- 求人内容との相違
- 仕事内容への不満
- 社風に馴染めない
- 労働環境への不満
- 職場環境が悪い
など、人間関係や労働環境に対する理由が挙げられていることが分かっています。
人間関係の悩みは一般的な解決方法では解決できない
周囲に嫌な人がいる場合、一般的には「気にしなければよい」「気分転換をしよう」「自分の目標/目的に集中しよう」「原因を振り返ろう」「生活習慣を見直そう」などの対策が挙げられることが多いですが基本的にそれらでは解決しません。
周囲に嫌いな人がいると、例え気にしないようにしていても無意識のうちにパフォーマンスが低下し、物ごとに集中できなくなることは既に研究でも証明されています。
つまり、一般的な対策論では「無理」なんですね。
また、嫌な職場も同様に我慢や精神論でどうにかなる話ではありません。
異動か退職/転職しかない
嫌いな人が1名ぐらいで普段から話をする機会も滅多に無く、且つ自分の周囲には味方になってくれる人が沢山いる、という状況なら乗り越えられますが、普段から接することが多い同期や上司などが嫌いな人の場合は別。
どうしても人と人との間には相性が存在します。
普段から交流する機会が多い身近にいる人が嫌いの対象の場合、問題を解決するには異動願いを出すか、休職願いを出す、もしくは退職/転職しかありません。
仕事に行けなくなった時の対策
合ってない人・合ってない職場はどうしても存在します。この場合、物理的に環境を変えるしか対策のしようがありません。
そこで、対策と退職を行う際の注意点も合わせて解説します。
無断欠勤だけは避ける
無断欠勤は職場に心配をかけるだけでなく、場合によっては損害賠償に繋がる可能性もあります。
ご自身の身を守るためにも、休みたい時は必ず一言会社に連絡を入れてください。
診断を受ける
精神的な問題は心療内科に診てもらいましょう。また、休職や退職を検討する場合は今の職場では難しいことの証明として診断書を用意してもらうと良いでしょう。
なお、診断書は自分から診断書を希望する旨を伝えないと用意してもらえないため、希望の際は必ず「診断書を用意してください」と合わせて伝えてください。
異動
部署異動ができる規模の会社であれば退職の前に異動という選択肢もあります。
心療内科で今の職場に問題があると診断してもらった場合、その旨を伝えて職場の異動願いをだして配置転換してもらいましょう。
休職
休職制度を利用して一定期間休みを用意し、物理的に今の環境から距離を置きましょう。
なお、休職の場合は休職中でも一定の給与が支払われる傷病手当金の申請し、休み中の生活費も確保しておきましょう。
詳しくは「傷病手当金の申請」をご参考になさってください。
退職/転職
診断が認められない、異動できるほどの会社の規模が無い、休職しても根本的な解決にはならない、等の場合は退職/転職して環境を変えてください。
トラブル無く確実に辞める方法について詳しくは後述する「会社に行けなくなった時の退職の方法」をご参考になさってください。
別の働き方があることを知る
「転職しても、そもそも一般的な職場環境で勤務するのが合わないかも」と心配な方はキャリアコーチングに相談して別のキャリア設計を検討してみると良いでしょう。
現在は会社勤めだけが仕事のあり方ではありません。フリーランスになり周囲にストレスが無い状態で自分の好きなように働くこともできる社会です。
学校や会社では教えてくれないキャリアの作り方なので、専門家に相談して自分の適職、適した働き方を検討してみてください。
→ キャリアコーチングの「キャリアアップコーチング」 詳細はこちら
仕事を考えると起き上がれない時は体からのSOSのサイン
疲労や5月病などではなく、「仕事を考えるとどうしても起き上がることが出来ない」と気持ちが追い込まれている時は職場環境や仕事内容とご自身の能力・性格がミスマッチを起こしている可能性が高いです。
この場合、一般的に良く言われるストレス解消対策をしても問題は解決しません。
物理的に配置を変えるしかない
今の職場環境が影響している以上、物理的に今の職場環境から距離を置くしかありません。そのため、社内で異動願いを出して配置を変える、もしくは退職や転職などによって物理的に今の職場から離れてください。
ご自身にとって活躍できる場所に身を置かない限り同じ問題は続いてしまうので、今の職場を離れて別の環境に身を寄せてください。
会社に行けなくなった時の退職の方法
【注意】バックレは避ける
なお、急に出勤できなくなりそのまま会社を辞める(バックレ)方もいますがバックレだけは避けた方が良いです。
モラルの問題はもちろんのこと、バックレによる退職は法的にも認められていないため、万が一の際に会社側から訴えられる・強引にでも会社に引き戻されるリスクがあります。
リスクを考えるとバックレしてまで辞めることはリスクに見合ったリターンとは言えません。辞めるなら合法的に辞めた方が良いです。
合法的に即辞める方法について詳しくは以下をご参考になさってください。
1.法に基づき辞める
民法第627条より、退職は法で定められた労働者の権利であり会社側には労働者の退職を拒否する権限はありません。
そのため、最短で退職の2週間前から辞める旨を申告しておけば退職が成立します。
特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などがあったとしても雇用先の就業規則より法律が優先されますので退職の意思を伝えれば必ず退職は成立します。
どうしても今の職場に耐え切れない時は法に則って退職届を提出して辞めてしまいましょう。
退職届が受理されない場合
退職届は民法第627条の「解約の申入」を証明するためのもの。受理されない場合は解約の申入が証明できずに辞めることが出来ません。
そのため、直接渡しても受け取ってもらえない時は
- 配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送
という手段をとりましょう。
内容証明郵便なので相手側(会社側に)届いて書類を受け取ったことが証明出来ます。
他にも、
- 退職の旨を記載したメールを送り、送信履歴を保存して残しておく
- 電話で伝える際は録音しながら伝え、録音した内容は保存して残しておく
等でも解約の意思を伝えたことを証拠として残したことになります。
退職の意思を伝えたことが証拠として残せれば仮に会社がNOと言っても法的に退職処理が成立します。よって、民法に従い解約の申入れの日から2週間経過すると退職が成立しますので、それ以降は会社に行く必要はありません。
2.退職代行に相談する
- 自分から退職を切り出すのは難しい
- 辞めたいのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
などの状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
なぜなら、お伝えしてきた即日退職の条件を元に退職交渉。または有給や欠勤を利用して実質的な即日退職と同じ状況を用意する手はずを全てあなたに代わって代行業者が取りまとめてくれるからです。
相談したその日からの退職も可能
退職代行はお手持ちのスマホからLINEで申込み相談が可能、希望があれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間から職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 自分から退職を切り出さなくて良いので心理的に楽に辞めることが出来る
- 法に則って退職処理をするため法的なトラブルが起きない
などがあります。
そのため、もしあなたが
- どうしても辞めたい
- でも、自分から辞めるのは難しい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスの活用をおすすめします。
まとめ
仕事に行けないと感じる状態は「異常」だと思ってください。つまり、それだけ職場環境がご自身に合っていないということです。
仮に我慢していても遠くない内に限界を迎え、うつ病や適応障害内になる可能性が高いです。
ご自身の身の安全を守るためにも、「どうしても我慢できない」という時は休む時間を確保してください。そして、いざという時は休職・退職・転職という選択肢を検討に入れてみてくださいね。