退職理由が「精神的に限界」や「しんどい」など、相手への説明が難しいケースにおける辞める際の適切な伝え方を解説。
なお、『どうしても伝えるのが難しい』という場合での【確実に退職できる方法】も合わせて解説していますので、ご自身のご状況に合わせて必要な箇所をご覧ください。
精神的に限界の状態なら我慢し続けない方が良い理由
精神的な問題を抱えたまま我慢し続けると自律神経系(交感神経・副交感神経)のアンバランスさや、脳の「神経伝達物質(意欲や不安の感じ方に関係する物質)」の乱れや消耗を生み、うつ病や適応障害をはじめ、頭痛・腹痛・めまいなど心身を壊してしまう恐れがあります。
その結果、仕事を続けられなくなり、周囲にも迷惑を書けてしまう危険があるので精神的に限界の状態で我慢し続けない方が良いです。
自分の身を守ることを最優先にする
特に精神的な問題は症状を回復させにくく、仮に休んだとしても復職までに時間がかかります。また、精神的なトラブルで退職したとしてもその後のご自身の人生の責任を会社側はとってくれません。
原因が仕事にある場合、ご自身の身を守るためにも精神的な限界を迎える前に我慢せずに休むか、心身の不調の原因となっている場所から物理的に離れる(休職・退職・異動など)必要があります。
退職理由が精神的に限界の場合の伝え方
精神的に限界の場合、無理に我慢して働き続けるとうつ病や適応障害等の精神疾患、もしくは吐き気頭痛など身体的な不調にも繋がるため無視することは出来ません。
ご自身の身の安全を守るためにも、速やかに上司に退職の旨を伝えてください、
など、精神的な問題を抱えた際の細かな伝え方については以下を続けてご参考になさってください。
精神的に疲れた、しんどい、などは退職理由として使わない方が良い
例えば職場の上司に辞める理由として「精神的に疲れた、しんどいので」などと伝えてしまうと、精神的なトラブルは理解されにくいために「少し休む」「甘えるな」などと理解されてしまい、根本的な問題解決が行われず退職も出来なくなる危険性があります。
退職理由が精神疾患の場合は一身上の都合でも良い
原則として法的には退職理由を用意する必要はありません。そのため、言わなくとも退職はできますし、言う場合は必ずしも本音で退職理由を伝える必要もありません。極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。
どうしても退職理由を伝える必要が場合は「一身上の都合」でも構いませんので、別の言い回しを用意して伝え方にした方が良いです。
精神的に限界を伝える例文・書き方
前提として、職場の上司からすると部下の退職は上司の評価を下げる要因になりますので心証は良くありません。加えて「精神的に疲れた、しんどい、などは退職理由として使わない方が良い」でお伝えしたように精神的なトラブルは理解されにくい側面もあります。
そんな中、なるべく穏便に退職を成立させるなら相手に悪い印象を与えない退職理由を用意してトラブルを避けてながら円滑に退職しましょう。
以下、退職理由のサンプルになりますが「一身上の都合」として伝えるのが一番無難です。
【例文】
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、一身上の都合により退職したいと考えております。
大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただけないでしょうか。後任への引継ぎはしっかりやりきります。
よろしくお願いいたします。
また、退職届を用意する際は以下も併せてご参考になさってください。
書き上げた退職届はB5もしくはA4サイズの封筒に入れて手渡しします。封筒は白の二重封筒、郵便番号枠が印刷されていない無地のものを使います。

表には「退職届」裏には「所属部署と氏名」を記述。なお、記述する際は黒のボールペンまたは万年筆を使いましょう。
精神的苦痛や精神的ストレスは仕事を辞める際の退職理由として成立する
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
労働契約法5条より、職場環境は労働者に対して身の安全を確保する必要があります。
精神的な苦痛はうつ病・適応障害・過度のストレスによる身体異常、などに影響するため労働者に対して身の安全を担保できていないことになるので労働契約法5条違反に該当します。
他にも、精神的なストレスがきかっけで
- やる気が起きなくなる
- 睡眠不足
- 吐き気・倦怠感
- アルコール依存
- 摂食障害(食べすぎ・食欲不振)
などになってしまうこともあり、これらも同様に労働者に対して身の安全を担保できていないことに繋がります。
そのため、精神的苦痛やメンタル問題を退職理由にして仕事を辞めることは正当な理由・十分すぎるほどの理由に該当しますので辞める際の退職理由として成立します。
ストレスという症状を甘く見てはいけません。ご自身の身の安全を守るためにもストレスを感じ続ける環境にいる場合は早々に退職や異動を検討し、物理的にその場から離れるように対策してください。

ストレスによる退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
どうしても際は診断書も用意する
精神的なトラブルが認められない、自分では正しく伝えて会社側に理解してもらうのが難しい、という際は心療内科で診断書を用意してもらいましょう。
医師による診断書を用意することで症状の正当性を証明できます。
特にパワハラを始めとして人間関係のストレスが心身に影響を与えてしまっている場合は労災認定されることもあります。労災認定には医師からの証明書が必要になるので診断書の取得も検討してください。

なお、仕事を辞める条件は正社員や派遣などの雇用形態を問わず同じこと。どうしてもすぐにでも辞めたいほどに追い込まれている時は以下の記事もご参考になさってください。
【補足】退職理由が精神疾患の方が申請すべき制度
自立支援医療
適応障害やうつ病などの精神疾患で退職した場合、治療時の医療費負担を軽減できる自立支援医療制度を利用しましょう。
条件を満たすと医療費の負担を通常の3割から1割に軽減することが出来ます。
生活保護と生活福祉資金貸付制度
病気で動くことが出来ない、周囲に援助してくれる身内がいない、という場合は生活保護を申請して治療の回復期間中に役立てください。
また、どうしても生活に困窮した場合は生活保護とは別に生活福祉資金貸付制度もあるので合わせて申請しておきましょう。
【悩み別】退職理由の用意の仕方と伝え方
精神的なトラブルにも種類が多岐に渡ります。そのため、より細かな悩み別の退職理由の用意の仕方と伝え方も併せてお伝えします。
うつ病で辞める際の退職理由
うつはその症状が他の人から理解してもらいにくく、下手に話すと理解されずに逆にこじれてしまうことがあります。そのため、退職理由を正当なものと理解してもらうためにも心療内科で診てもらい診断書を用意してください。
なお、診断書は自分から依頼をしないと用意してもらえませんので必ず診断時に診断書を希望する旨も併せて伝えてください。
伝え方
【例文】
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、うつ病と診断されてしまいました。
(医師からの診断書を合わせて提示する)
そのため、大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただきたく考えております。
よろしくお願いいたします。
診断書を用意した上で心療内科でうつの診断が出てドクターストップがかかったために働くことが出来ないと上司に伝えます。
なお、伝えた後に一言で良いので自分の気持ちも伝えてください。
- 本当は辞めたくないのですが~、
- 一緒に働く人たちにできるだけ迷惑をかけたくないので~、
などを伝えるだけでも相手の心証が変わります。
退職届の例文・書き方
退職届
令和○○年〇月〇日
株式会社××××
代表取締役社長 □□ □□ 殿
○○事業部
(ご自身の氏名)(捺印)
私儀、
このたび、一身上の都合により、勝手ながら20○○年〇月〇日を持って退職いたします。
以上
このように一身上の都合として退職届に記載しましょう。
冒頭に退職届を記載、続けて本日の日付、会社の正式名称、社長名(敬称は「殿」か「様」とします。)、ご自身の所属事業部署とご自身の名称、捺印をし、私儀(わたくしぎ)とします。最期に退職理由・退職希望日を記載して「退職いたします」で締めます。

うつで退職する際の伝え方について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
適応障害で辞める際の退職理由
適応障害は抑うつ的な気分、吐き気、睡眠不足、頭痛、めまいなど心身の安全に影響がでる症状です。
今の職場環境が適応障害の原因となっている以上、労働者に対して身の安全を確保できていない職場となるので労働契約法5条違反となるため退職理由として成立します。
基本的には「一身上の都合」という退職理由で構いませんが、適応障害になる前、適応障害になった後、それぞれで伝え方が異なります。
伝え方
【適応障害になる前の場合】
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、一身上の都合により退職したいと考えております。
大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただけないでしょうか。後任への引継ぎはしっかりやりきります。
よろしくお願いいたします。
精神的に限界の時と同様に「一身上の都合」と伝えましょう。
適応障害は環境の変化に適応できないことで起こるストレス性の症状となりますが、他の人から理解をしてもらいにくいです。下手に話すと「慣れるまで頑張れ」といった返しをされ延々と話が進まないため、なにを言われても「一身上の都合」として通した方が話が早いです。
【適応障害になった後の場合】
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、精神的に限界がきてしまい適応障害と診断されてしまいました。
(医師からの診断書も合わせて提示する)
そのため、大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただきたく考えております。
よろしくお願いいたします。
心療内科で診断書が出てドクターストップがかかったために働くことが出来ないと伝えます。
なお、診断書は自分から依頼をしないと用意してもらえないので必ず診断時に診断書を希望する旨を伝えておきましょう。
退職届の例文・書き方
例文の書き方は「うつ病で辞める際の退職理由」と同様に一身上の都合を理由として記載しましょう。
不安障害で辞める際の退職理由
適応障害と似た症状として「不安障害」があります。
不安障害は、恐怖感や身体的不快感が強まり、さまざまな支障が生じる状態を意味する診断名です。時には切迫した恐怖感や「このまま死んでしまうかもしれない」という差し迫った生命への脅威を感じる場合もあり、必ずしも明確な引き金がない場合も含まれます。
社会不安障害、さまざまな恐怖症) | 綱島こころクリニック
不安障害も適応障害と同様に悩みの深刻さを理解されにくい面があるため、下手に理由を用意するよりは「一身上の都合」として伝えた方がスムーズに処理しやすいです。
伝え方
不安障害も適応障害と同様に悩みの深刻さを理解されにくい面があるため、下手に理由を用意するよりは「一身上の都合」として伝えた方がスムーズに処理しやすいです。
退職届の例文・書き方
例文の書き方は「うつ病で辞める際の退職理由」と同様に一身上の都合を理由として記載しましょう。
不眠症(睡眠障害)で辞める際の退職理由
不眠症が原因で今休職しています。
まだ入社1年目ですが、転職を考えています。
ただ両親は退職するなら勘当すると言い、この不況の中転職する不安もあります。
かなり長文ですが、アドバイスお願いします。配属された部署は早朝勤務や深夜勤務があるシフト制で、その勤務形態に体がついていけずほとんど寝れないまま会社に行く日々でした。夏頃は、市販の睡眠薬を飲んでいました。
不眠症が原因で今休職しています。 まだ入社1年目ですが、転職を… – 教えて!しごとの先生 | Yahoo!しごとカタログ
飲むことで精神的に安心はするのですが、結局寝付けず、そのまま会社に行っていました。
不眠症(睡眠障害)も相手に理解してもらいにくい症状の1つ。ですが、不眠症により疲れが取れずに体調不良になってしまうと仕事が上手くいかない、周囲に迷惑が掛かってしまう、などの二次障害を起こす危険があります。
伝え方
睡眠障害も心療内科で診てもらい診断書を用意してもらいましょう。用意できた診断書を持って上司に退職の意思を伝え得ます。
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、精神的に限界がきてしまい睡眠障害と診断されてしまいました。
(医師からの診断書も合わせて提示する)
体調も思わしくなく、仕事にも影響が出ているため、このまま勤務しても皆さんにご迷惑をお掛けしてしまうことになります。
大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただきたく考えております。
よろしくお願いいたします。
退職届の例文・書き方
例文の書き方は「うつ病で辞める際の退職理由」と同様に一身上の都合を理由として記載しましょう。
ドクターストップで辞める際の退職理由
精神的な理由、身体的な理由問わずドクターストップがかかった場合は素直にその旨を退職理由としてください。
伝え方
理由の如何を問わずドクターストップがかかったことを診断書などで証明し相手に伝えてください。
お忙しいところ、お時間いただきありがとうございます。
突然のことで大変申し訳ありませんが、医師からドクターストップと診断されてしまいました。
(医師からの診断書も合わせて提示する)
体調が思わしくなく、仕事にも影響が出ているため、このまま勤務しても皆さんにご迷惑をお掛けしてしまうことになります。
大変身勝手ではありますが、〇月×日をもって退職させていただきたく考えております。
よろしくお願いいたします。
退職届の例文・書き方
例文の書き方は「うつ病で辞める際の退職理由」と同様に一身上の都合を理由として記載しましょう。
最強の退職理由は会社の対応範疇を越えた内容
- 家業を継ぐことになった
- 子供や親の介護の問題が発生した
- 結婚に伴い家の活動に専念することになった
- 引っ越しに伴い物理的に今の勤務が難しくなった
- 新しくやりたいことが出来たがそれは今の会社ではできない
など、現在の勤務先ではどうしても対応が出来ない問題は会社側では対応のしようがなく、引き留めようがないため最強の退職理由となります。
簡単に納得してもらえなそうだと事前に予測が立てられる場合、どうしてもの場合は嘘でも構いませんので今の会社では対処のしようがない理由を用意しておきましょう。
直属の上司が原因で精神的に限界を迎えた際の退職理由には注意
上司と性格が合わなすぎて、適応障害と診断されました。辞めるか、上司が変わるか自分が変わるかしないと治らないと言われたのですが、すごく調子がいい時もあり、一緒に仕事をしている間も大丈
上司と性格が合わなすぎて、適応障害と診断されました。辞めるか、… ? Yahoo!知恵袋
夫だと思う時もあります。でも、終わって家に着くと泣きたくなったり、仕事に行きたくなくなったり、もう辞めたいと思ったりします。
厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概要(転職入職者の状況)」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」という理由が上位に位置しています。
そのため、身近な人間関係である直属の上司が影響して辞めたくなることはおかしな話ではありません。
直属の上司が原因で退職する場合は3つの注意点を押さえて退職を進めてください。
1.責任の振り返り
上司が原因で辞める際は、少なくとも1度は責任の振り返りをしておきましょう。トラブルの原因が上司だけにあったのか?実は自分に非があったのか?の振り返りです。
自分に非が自分にあるとわかった時は退職を踏みとどまるキッカケになることもあるかもしれません。もちろん仮に自分に非があったとしても辞めたいなら辞めて問題はありませんし、今回の経験を次の会社で活かして同じことを繰り返さなければ良いだけです。
一方、どう考えても上司側に責任があるならすぐにでも辞めた方が良いです。上司の立場を変えるのは難しいですから、そこに労力をかけるぐらいなら次の職場に切り替えた方が良いでしょう
責任がどちらにあるにせよ、感情的になり過ぎずその経験を次に活かすことが出来れば退職という経験は無駄にはなりません。
2.退職理由に必要に応じて嘘をつくこともおすすめできる理由
退職は上司の評価に影響するため上司側の心情も複雑になります。そんな状況で上司への不満を直接伝えてしまうとお互いが感情的になってトラブルの原因となります。
円滑に辞めるなら退職理由を個人的な理由(「新しいチャレンジをしたい!」「家族の問題」など)に徹して伝えましょう。個人的な理由であれば上司側も「仕方がない」となりやすく、且つ個人的な理由であれば会社側での対応が難しいので引き止めも難しくなります。
なお、個人的な理由が無い場合は嘘であっても構いません。辞めると決めた際は不要なトラブルを避けて辞めることに徹して方が良いです。
退職を伝えるなら月曜日
退職を伝えるなら月曜日がおすすめ。
週末(金曜)だとリアクションが週明けになるのですぐに動き出せません。月曜日であれば早ければ当日か翌日の夕方ぐらいには会社側から何らかの動きが出てきますので退職の進行がスムーズです。

どうしても我慢できずに上司とトラブルを起こしてしまう場合は以下の記事もご参考になさってください。

上司が社長になる場合は伝え方に注意。詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
【補足】退職を直属の上司に言いたくない時の選択肢として
退職を上司に言いたくない、もしくは何かしらの事情があって言えない場合、メールや郵送で退職の旨を伝える、もしくは後述する退職代行に相談して代わりに退職処理を進めてもらう、のいずれかとなります。
詳しくは後述する「仕事が精神的に限界だけど退職を切り出せない時の辞め方」をご参考になさってください。

なお、退職を伝えることにどうしても気が引ける場合は以下の記事も併せてご参考になさってください。
退職理由が精神的に限界の場合は転職活動時の伝え方に注意
仮に精神的な限界が退職理由だったとしても、転職活動時はそのまま伝えるのではなく別の表現でよりポジティブな表現として言い換えて伝えてください。精神的な限界と伝えると相手にネガティブな印象を持たれ「入社しても同じことが繰り返されるのでは?」と不安を抱かせてしまうことになります。
例えば精神的に限界に来た理由が「ノルマ達成のために毎日詰められた」とした場合、『以前の職場では個人で動くことが多かったが集団でチームワークを軸に仕事をする職場で勤務したいので御社を選びました』等と言い換えます。
このように、前職の退職理由を転職理由ではポジティブな表現に変換して相手に伝えてください。
精神的にしんどいから仕事を辞める、を別の表現に言い直す例
精神的なトラブルの原因 | 別の言い回し例 |
上司との人間関係 | 常に上司とのベクトルを合わせてプロジェクトを進めたい |
職場の人間関係 | 個人で行動する業務が多かったが、周囲とコミュニケーションをとりながら仕事を進める方が得意 |
過酷な残業 | オンオフのメリハリをつけて働きたい |
精神的にきつい・辛い、の退職だと認められにくい
精神的な問題により心身ともに疲れていることは事実かと思います。ただし、初めて会う相手・人事担当にそのまま伝えても本当のことが伝わるとも限りません。
そのため、上記の言い換えを参考に「これまでの職場環境では出来なかったことを転職先で実現したい」とポジティブな言い回しに変えて伝えることで相手側の印象を損ねないように伝えてみてください。
精神疾患で退職した方が復職して転職する際の伝え方
精神疾患が退職理由の場合、転職活動では自発的に病気のことを伝える必要はありません。
そのため、伝えるのが不安なら伝えずに別の転職理由を用意して転職活動に臨みましょう。
なお、
- あとでトラブルにならないよう事前に伝えておきたい
- 病気の影響で離職期間ができてしまい隠すのが難しい
などの理由で、正直に事実を伝える場合は
- 現在は復調している
- 嘘をつかない
- 精神疾患になった理由
以上を踏まえて退職理由を伝えてください。
特に前職で精神疾患になった理由は採用側からしてもトラブルを未然に防ぐために把握しておきたいもの。
理由を聞いた上で「自社ではそのようなことにはならない」と理解してもらえれば採用側も安心できるので転職者自身の「自分のできること・できないこと」を相手に理解してもらいましょう。その方が結果として入社した際に働きやすくなります。
仕事が精神的に限界だけど退職を切り出せない時の辞め方
- 仕事をするのはもう限界
- でも、退職を切り出せない
となってしまうとご自身の心身を害してしまうことになりますので、そのままの状態で我慢し続けることだけは避けた方が良いです。
【補足】引き止めに従う必要はない
適応障害にも拘わらず退職の引き止めにあった場合、従う必要はありません。
休職や部署異動などの選択肢もありますが、根本的な解決にはならないので完治させるためにも退職してしまいましょう。
また、そもそも論として労働基準法 第5条より使用者(会社側)は労働者の意思に反した労働を強制してはいけないと定められています。
(強制労働の禁止)
労働基準法 第5条
第五条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
そのため、退職を希望しているにもかかわらず認めないことは労働基準法第5条違反に該当するので会社の要請に従う必要はありません。
1.精神的に辛い仕事の辞め方は非対面に徹する
仕事が精神的に辛い場合、仕事にまつわる環境から離れて(上司と話さない、同僚に会わない、職場にいかない、など)退職処理をしましょう。
メールや電話でのやり取りで退職の相談をし、内容証明郵便で退職届を提出。また、退職後は会社から支給されたもの(スマホ、PC、制服など)を郵送で送りましょう。
2.どうしてもの際は退職代行に相談する
- 自分から退職を切り出すのが難しい
- 今の職場は耐えられない
- でも、どうしても辞めたい
という方は労働組合による退職代行サービスを利用して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホからLINE(電話、メールでも可)で申込み相談が可能、希望があれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間から職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
などがあります。
他にも有給消化や残業の未払いなども変わりに交渉してもらうことも可能であり、退職代行費を支払ってでも利用するメリットがあります。
そのため、もしあなたが
- 退職を切り出すことができない
- でも、すぐにでも辞めたい
等の場合は迷わず労働組合が運営する退職代行サービスを利用することをおすすめします。
まとめ
精神的に限界を超えるとストレスによるうつ病や適応障害といった精神疾患だけでなく体にも影響が出てしまい、会社を辞めざるを得ないどころかその後のご自身の日常にも悪影響が及んでしまいます。
上司はもちろん、会社はあなたの日常生活を保障してくれません。
会社で精神的に追い込まれて受けてしまったダメージは労働者にとっては「受け損」なだけですので、我慢して精神的な限界を越えてしまう前に仕事を辞めたいと感じた時に辞めた方が良いです。
ご自身で退職処理ができる場合は退職届や診断書を介して退職を伝え、それが難しい時は労働組合が運営する退職代行という第三者機関を利用して退職処理を進めてみてください。