確実に退職できる理由を用意したいなら嘘をつく限り成立しない理由、および無理に理由を用意せずとも確実に退職できる条件・手順について解説します。
確実に退職できる理由で嘘を用意しても意味は無い
確実に退職できる理由は嘘を用意しても意味がありません。どれだけ上手に伝えても本当に暴こうと思えば嘘はバレるからです。
そんな中で退職理由で最強な内容としては本当のこと、且つ会社が手出しをできないドクターストップを理由としてものとなります。
確実に退職できる理由はドクターストップのみ
病気や怪我だけでなく精神的な病も含めてドクターストップがかかった場合は会社も退職を認めざるを得ません。
診断書を用意してもらい勤務が難しいと判断されたにも拘わらず、会社が無理矢理勤務を促したら「強制労働」に該当します。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
労働契約法5条より使用者(会社側)は労働者の身の安全を確保することが定められています。ドクターストップにより身体の安全に危険がある状態で労働を強制すると労働契約法5条に違反することになり会社も従わざるを得ません。
他の理由が確実な退職を保障できない理由
- 寿退社
- 家庭の事情
- 家族の介護
- 海外留学のため
- 資格取得のため
- 実家の稼業を引き継ぐ
- 新しいことにチャレンジしたい
- 引っ越しするため勤務出来ない
- より待遇が良い転職先が決まった
例えばこうした理由はよく見られる退職理由ですが、これらすべてが会社側から引き止められる理由があります。
- 寿退社
- 家庭の事情
- 家族の介護
- 引っ越しするため勤務出来ない
⇒ フルタイムではなくとも良いし、リモートでも良いので隙間時間だけ手伝ってほしい。
- 海外留学のため
- 資格取得のため
⇒ 会社で費用を出すから辞める必要はない。会社の支援の一環として留学して欲しい。
- 新しいことにチャレンジしたい
⇒ 会社で新規事業としてやってみて欲しい。
- より待遇が良い転職先が決まった
⇒ 待遇を改善するから辞めないで欲しい
- 実家の稼業を引き継ぐ
⇒実家の詳細を問われる(嘘だとバレる)
このように会社側としても引き留めようとすれば引き留められる代案や確認方法が用意出来ます。
確実に退職できる条件を用意した方が良い
以上のことから確実に辞めたい場合は、ドクターストップにかかる、もしくは退職理由に力を入れるのではなく「確実に退職ができてしまう条件」を満たすように力を注いだ方が確実です。
詳しくは以下に記載した各種の条件を続けてご確認ください。
退職理由で嘘をつくよりもおすすめの確実に退職できる条件
1.法に則って辞める
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば(=退職届を提出する)必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場に居続けるのが難しい
- どうしても退職したい
というご状況であれば法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
事情があり退職届を直接渡すことが出来ない、もしくは相談したのに受け取ってもらえない場合は配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送してください。
会社側に退職届が届けられたことが証明できるため退職の意思を伝えた証拠になります。
また他にも
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段を用いて退職の意思(解約の申入れ)を伝えるのも有効です。
口頭で伝えることもできますが、中には「言った・言わない」とうやむやにされる可能性もあるため、退職届をはじめとして何かしらの証拠を残して伝えた方が確実です。
2.双方の合意による即日退職
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
どうしても勤務を続けるのが難しい理由があり、その理由を会社側が認めてくれれば双方の合意による即時退職が成立します。
3.労働条件の相違
(労働条件の明示)
労働基準法第15条
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第十五条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる場合、その旨を会社に伝えて労働環境や業務内容を是正してもらいましょう。そして、聞き入れてもらえない場合は即日退職してしまいましょう。
4.ハラスメントの被害に遭っている場合
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
5.どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- 退職処理が一向に進まない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスを利用して辞めましょう。
確実に退職が成立します。
お手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)で申込み相談可能、希望すれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的なメリットとして、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 引き止めが発生しないので心理的な負担もない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、もしあなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- トラブル無くすぐにでも辞めたい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
確実に退職できる理由を探しているほどの状況ですので、どうにかしてでも退職を希望されている状況かと思います。
目的が確実な退職であれば本記事でもお伝えしたように退職理由ではなく退職ができる条件を吟味した方が確実です。
「どうしても辞めたい」とお悩みの際は、本記事をご参考の上、退職ができる条件を元に退職処理を進めてみてくださいね。