退職の際は誰に言わない方が良い理由、および辞める際の注意点について解説します。
退職は誰にも言わない方が良い理由
勤務しにくくなる
退職を周囲に伝えると「これから辞める人」と見られて仕事が進めにくくなることがあります。
会社を辞めるということは、他の人からすると「残された人」になります。「裏切られた」「一人だけ新天地に行けてずるい」などと感じる人も少なくないので、残りの期間で仕事をしても
- 相談しても対応されない・してくれない
- 感情的になって接してくる
など、普段とは違う接し方になり勤務がしにくくなる可能性があります。
転職先に迷惑がかかる
あなたのことを不快に思っている人に万が一にも退職後の転職先を知られてしまうと転職先に迷惑がかかる場合があります。
- ネガティブな情報を勝手に伝えられる
- 嫌がらせの一環で転職先に何か郵送してくる
など。
自分だけでなく、周囲の人間にも迷惑がかかる可能性は0とは言えません。
その為、周囲に退職を言わないことはもちろん、転職先の詳細も伝えない方が良いです。
【補足】転職先をしつこく聞かれる際の返し方
退職がバレてしまったときに退職後の転職先をしつこく聞いてくる人もいます。同僚に限らず上司などでもありうること。
この場合、基本的には言う必要はなく、どうしてもしつこく聞かれる場合は
- プライベートな事なので
- 先方から情報開示をしないでほしいと言われているのでお伝えができない、申し訳ない
などと返してください。
当日まで言わない方が良い
最終的には辞める前に退職の挨拶がありますが、挨拶も含めて勤務最終日、つまり退職日まで何も言わない方が良いでしょう。
ギリギリまで言わない方がトラブルが少ない
退職を伝えて万が一にも周りから反感を買うことも避けることが出来ますし、引き止めようとしてくる人とのトラブルも未然に防ぐことが出来ます。その為、辞めるギリギリまで言わない方が良いです。
退職する際に余計なことを言わない方が良い理由については以下の記事も併せてご参考になさってください。
本当に辞める人ほど言わないもの|本当に辞める人 言わない
仮に言ったとしても本音は言わない
会社辞めるとき本当の理由を話さないで辞めても大丈夫だと思いますか?
会社辞めるとき本当の理由を話さないで辞めても大丈夫だと思います… – Yahoo!知恵袋
今月中で辞めるんですが上司や長年いる人に「これから何をするのか、本当の辞める理由なんなの?、」とか問い詰めるようなことばかり言われて困ります。
【補足】辞めないと思ってた人が辞めるもの
言ったときの面倒を予め理解している
本当に上手に辞める人ほど事前に周囲へ退職する旨を開示しません。仮に正直に退職する旨を言ったときは「退職は誰にも言わない方が良い理由」でもお伝えしたように周囲とのトラブルがある可能性を理解しているからです。
発言内容によっては残っている人に対して失礼になることもあるので、余計なトラブルを避けつつ、且つ残っている方へのマナーの一環として辞める旨を事前に伝えないように注意します。
誰にも言わずに退職する際の注意点
何も言わずに会社を辞めるのだけは避けた方が良い
ここので「何も言わず」は『バックレ・無断欠勤』となります。
バックレによる退職は違法行為となり、労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、辞める際のトラブルが増えるだけですので、辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
相談先は上司のみ
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の際は申し入れをすることが定められています。加えて、社内規定としても退職する旨を事前に伝達する規則もあるでしょう。その為、まったく誰にも言わずに退職することは難しいもの。
そこで、退職時の相談先は原則として上司のみとしてください。
一般的な退職マナーとしても最初に伝えるのは上司ですので、まずは上司に相談する。そしてそれ以上は周囲に伝えないようにしましょう。
引き継ぎがある場合
後任に引き継ぎがある場合は上司だけでなく後任の方にも事情を伝える必要があり、この場合は致し方ありません。
事情を伝えてご自身が退職する旨は当日まで言わないように念を押しておきましょう。
マニュアルを用意する
- 業務の社内での位置付け
- 業務の流れ(フローチャートなど)
- 業務に関わる社内外の関係者
- 過去に起こったトラブルやその対処法のノウハウ
- 顧客情報など必要なデータ
見ていただくとわかるように、業務や作業の繋がり・業務・作業に関わる関係者をそれぞれ明確化しておく資料になります。また、引き継ぎ資料は自分だけしかわからない言葉でまとめることなく、誰が見ても理解できる言葉でまとめてください。
【補足】引き継ぎは義務ではないし、拒否もできる
引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。
よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、事情があってどうしても対応が難しい時は引き継ぎ未対応でも退職は成立します。
退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
私物は徐々に回収する
私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰った方が無難です。
ただし、急に全てを持ち帰ると周囲から怪しまれてしまいますので、少しずつ徐々に持ち帰ると良いでしょう。
普段と違う振舞いをしない
普段とは違うキャラになる、急に明るくなる、など普段と異なる振舞いが起こると周囲は不審に思い感づかれてしまいます。
普段通りの自分で勤務を続けてください。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 本来なら相談すべき上司にこそ言いたくない
- 人間関係の問題で周囲の誰も信用できない
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
退職はご自身だけでなく周囲の方にとっても少なからず影響が出る出来事です。
可能な限り影響を避けるためにもギリギリまで伝えないことをマナーとして退職処理を進めてください。