「新卒で入社した会社を退職したい思っているけど、上司に伝えるのが怖くて言いづらいし切り出せない。」
本記事ではそんな悩みを抱えている方に向けて、新卒で辞める際に円満に辞めるための伝え方や辞める際の注意点をご紹介します。
トラブルにならないように伝えるコツを予め押さえておき、円満退社を実現しましょう。
本記事のまとめ
- 結論:新卒でも退職は可能
- 言いづらさを感じるのは仕方がない
- 退職の伝え方を押さえよう
- 自分で伝えられない時は退職代行トリケシに相談
- ホントに嫌な時は我慢するより早期にキャリアの軌道修正を
新卒だと退職するとは言いづらいですが辞めることは可能です
新卒で退職を申し出るのは言いづらいものですが、確実に退職は可能です。
新卒で退職することは決して悪いことではありません。むしろ、今の会社で自分に合わないと感じることが早くわかったことは自身の成長にとってプラスと言えます。
たとえば、自分の興味やスキルに合わない仕事に長期間取り組んでいたとしたら、その間に別の可能性を追求することができたかもしれません。そのため、今の会社で自分に合わないと感じるのであればすぐに退職を決断することも必要な選択肢と言えます。
著者自身もそうでしたが、新卒で入った職場を盲目的に信じすぎていたこともあり、辞めるまでに費やした時間を後になって「もっと早くに辞めて次に切り替えれば良かった」と後悔することもあります。
自分のキャリアややりたいことを再検討する
退職後は転職活動になりますが(第二新卒枠)、転職する際には退職理由を聞かれることがほとんどです。そのため、辞める際は漠然と辞めるのではなく「次にどうしたいか?」を明確にしてから辞めていただき、転職活動に繋げていきましょう。
よって、自分が今後どのようなキャリアを目指すのか、何が自分にとって重要なのか、といった自己分析をすることが大切です。
自分自身のキャリアプランを明確にし、そのために今後どのような職種や企業に興味があるのかを調べ、具体的な目標を持って転職活動に臨むことができる状況にしておきましょう。
新卒の立場で退職を言いづらいと感じる理由として
初めての退職で勝手がわからない
新卒の人にとっては会社に入って初めての退職になるので対応の仕方もわからないことが多く、上司や同僚にも相談しにくい内容がであるがゆえに切り出しにくさを感じやすいものです。
アルバイトと比べると、社会人として働く場合、退職は生涯に数回程度の出来事になるため、その重要性や難しさが増します。新卒での退職は就職活動や入社までのプロセスが長いこともあり、思い切って辞めるのが難しい場合もあるでしょう。
しかし、自分に合わない環境で働き続けることはストレスや心身の健康に悪影響を与えるだけでなく、ご自身の今後のキャリアにも大きく絵狂する可能性もあります。そのため、どうしてもの際は慎重に考えた上で退職を申し出ることは必要な選択肢と言えます。
入社してすぐの気まずさ
入社して間もない退職は、周囲の人たちに「我慢ができない」「甘えている」などと思われることに不安を感じることがあり退職へ気まずさを感じたり躊躇してまうことがあります。
しかし、実際には会社を辞めた後は同僚や先輩など職場の人と会うこともなくなります。会社に残った人たちは早い段階で辞めた人のことを忘れてしまうことがほとんどです。短い期間しか会社にいなかった新卒社員であれば特にそうでしょう。
著者である僕も退職後に同期や先輩社員と合うことはほぼありませんでした。辞めてから10年以上経ちますが、ものすごく仲の良かった先輩と同期だけ2,3回会った程度です。
その為、人の目を気にし過ぎることなく退職することで自分の人生の次の方向性を見据えて動くことを優先させてください。
いまの職場にお世話になったと感じてしまう
新卒で入社するとビジネスマナーや業務内容に関する指導を受けることがあります。そのため、会社に大変お世話になったと感じている新卒が多いです。(著者もそうでしたので気持ちはわかります。)そのため、退職を切り出すことに後ろめたさを感じやすくなるものです。
ですが、退職は労働者の権利であり、自己実現やキャリアアップのために必要に応じて選択する手段とも言えます。より良いキャリアアップを目指すことはおかしなお話ではないので、必要に応じて退職も選択肢に入れて問題はありません。
退職に際しては、丁寧に会社に報告し、引き継ぎなどを適切に行い、退職しても感謝の気持ちを忘れずに、今後も良好な人間関係を維持するように心がけておけば退職は決してネガティブなこととは言えませんよ。
辞めると切り出しにくい時は以下の記事もご参考になさってください。
退職日まで気まずくなるのが怖い
新卒で入社したばかりの人が早い段階で辞めることが決まった場合、人間関係が十分に構築されていないために周囲の人たちとのつながりが浅く、退職の事情を伝えて理解してもらうことが難しいと感じることがあります。
そのため、いざ退職を伝えても退職日まで気まずくなる可能性が高く、その点に対して恐怖を感じて退職を切り出せないことも少なくありません。
ですが、新卒であっても、自分が別のキャリアを追求したいという理由があるなら、それを率直に伝え、自分の人生を生きるために、自分自身が選択すべき道を進むことは、誰にとっても重要なことです。
辞めた後の将来への不安を感じる
新卒で退職すると社会人経験が浅いため、転職先でアピールできるスキルがほとんどないという状況に陥ることがあります。そのため、新卒で今の会社を辞めたいと感じていても、すぐに次の職場が見つからないのでは?という不安があるかもしれません。
また、自身にとっての理想の職場に巡り合えないのでは?と心配することもあるかと思います。
しかし、最近では第二新卒向けの転職エージェントや転職サイトなどもあるので自分に合った求人情報を見つけることは心配するほど難しくはありません。
特に新卒や第二新卒はポテンシャル採用という枠組みで見られるので、転職先は従来の中途者に比べて幅広いと思っていただいて大丈夫です。
退職を申し出た際に考えられる会社側の反応
引き止め・説得で退職を認めない
会社側は新卒から教育してきた人材を長期的に雇用したいと考える傾向にあります。そのため、退職を申し出た場合、上司から引き止められることが多いです。
また、教育してきたこと以外の理由として、人手不足、上司の査定に影響する、会社の離職率が上がる、なども挙げられます。そのため、スムーズに退職できることは稀です。
引き留められた際に退職して良かったという人もいれば、引き止められて残留して良かったという人もいます。どちらが良いのかは個人によって異なり絶対的な答えはありませんが、大切なのは、自分の意思で決断することです。
もし引き止められた際に退職の意思が揺らいでいると感じた場合は辞めるのを再考した方が良いでしょう。ですが、退職の意思が固まっている・医師が揺らがないという場合は自分の意思を貫き、終始辞めることを前提として伝えていきましょう。
【補足】証拠を残して対応する
なお、退職を伝えても辞めさせてくれない・うやむやにされそう、という場合は「証拠」を残しておきましょう。
- メールで退職履歴を残す
- 内容証明で退職届を送る
- 電話の通話内容を録音しておく
など。
万が一、会社側に退職の相談をうやむやにされたとしても退職の意思を伝えた証拠が残っていれば退職条件としては成立します。
そんなに社会は甘くない、と諭される
新卒で会社を辞めることは、多くの場合社会に出てから初めての経験です。その点を踏まえ、まだ経験が浅く社会人としてのスキルや知識が不足していることを指して上司や先輩からは「そんなに社会は甘くない」「個々でダメなら他に行ってもダメだ」などと言われることもあります。
ですが、ご自身に明確な退職理由があり、自分の将来のキャリアや生活設計を考え退職の決断をした場合はそれを否定されるいわれはありませんし、従う必要もありません。退職を決断するのは最終的には本人自身で。
もし、上司や先輩から怒られたり非難されたりした場合は、その理由を明確に伝えることで相手を説得してしまいましょう。もちろん、相手が理解してくれない場合もあるかもしれませんが、自分の将来を考えて自分が本当にやりたいことを追求することが大事です。
どこに行っても通用しない、等と言われた場合は以下の記事もご参考になさってください。
すぐに認められる可能性もある
新卒で入社して間もなく辞めることは必ずしも珍しいことではなく、多くの企業で毎年起こっていることです。そのため、このようなケースに慣れている上司などは理由だけを聞いてすんなりと受け入れてくれることもあります。
また、辞めたいと思っている社員を無理やり引き止めたところで仕事が上手くいくとは限りません。そのため、後々辞められるなら今辞めてもらったほうが良いと考える上司もいます。
こうした上司に当たった際は物悲しい気持ちになるかもしれませんが、後腐れなく早々に退職処理を進めていきましょう。
新卒が辞める割合は約3割
多少の前後はあるものの、平成7年ごろから現在に至るまで約3割のペースが大学卒業後の新卒が辞める割合と言えます。
よって、退職の良し悪しは別として新卒が辞めること自体は決して不自然なことではないことがわかります。
会社を1ヶ月で辞めるから言いづらいという人は多い
入社して1ヶ月 退職したいと思ってます。閲覧ありがとうございます。 転職して1ヶ月退職をしたいと思ってるのですが自分の決断力の無さなのか未だに言えずにいます・・・
教えて!しごとの先生|Yahoo!しごとカタログ
新卒を早期で辞める際の注意点について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
新卒はうつになる人も多い
若年者の退職理由の多くに「人間関係」「肉体的・精神的に健康を損ねた」など精神的な問題・うつに繋がるような問題はあげられやすく、退職にも影響していると考えられます。
嫌な職場で我慢しすぎると鬱や適応障害など、プライベートにも悪影響が及ぶ可能性もあるのでどうしてもの場合は退職も選択肢として用意しておきましょう。
新卒で退職を言いづらい時の伝え方と注意点
退職を伝える際には、周囲の人たちの気持ちを考慮し、できるだけ迷惑をかけないようにすることが大切です。そのため、退職の伝え方やタイミングについては慎重になる必要があります。
1.伝えるタイミングは就業時間外
一般的には、就業時間外に上司に直接退職の旨を伝えることが望ましいとされています。なぜなら、退職を伝える行為は業務内容ではないためです。
他にも、業務中に退職を伝えると上司や同僚が仕事に集中できなくなり業務の遅れやミスなどが生じる可能性があるだけでなく、退職の理由や内容が周囲の人たちに漏れる可能性もあるため、個人のプライバシーにも影響します。
2.上司に相談する
退職を決めた場合、まずは直属の上司に伝えてください。なぜなら、直属の上司はあなたに対して指導や評価を行ってきた人であり、あなたの社内での成長やキャリアに対して責任がある方であるためです。
また、あなたの退職による影響を最も把握しているため、直属の上司に先に伝えることで引き継ぎや後任者の選定などを円滑に進めることができるだけでなく、直属の上司から他の上司や関係者への報告が行われるため、直属の上司が情報を共有することで、あなたの退職によるチームやプロジェクトへの影響を最小限に抑えることができ、且つスムーズに退職の手続きを進めることができます。
3.まずは退職相談のアポをとる
上司はあなたが退職することによって業務に影響が出ることを懸念し、引き継ぎや新規スタッフの補充などについて考えるものです。そのため、退職相談のアポをとることで実際に辞める前に事前に準備をするための時間を作ることができます。
いきなり退職願を出すことは上司があなたの退職後に起こる社内整備に対して対応する準備ができないため、業務に混乱が生じる可能性があります。そのため、退職の意思を伝える前に事前にアポイントメントを取り、直属の上司と相談することがマナーに沿った行動といえます。
新卒での退職となり申し訳ない旨は伝える
なお、早期で辞める際は事情があるとはいえ新卒での早期退職となり申し訳ない旨も併せて伝えていただき相手の心証を少しでも損ねないようにしましょう。
退職相談のアポをとる際の注意点について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
4.退職の伝え方例
辞める際、上司や同僚から引き止めにあう可能性があるため、その場合に備えて納得できる退職理由を用意しておきましょう。
なんとなく「辞めたいです」だけだと引き止められるだけですので、例えば、家族の事情や転居といった個人的な事情を元に上司に伝えることで、引き止めにあうことなく円満に退職しやすくなります。
新卒で退職する際の切り出し方として
新卒の場合、仕事に対する経験値が無いので「勤務し見たら希望の内容を職務と異なったため別の会社に行きます」など、率直な理由を伝えた方が良いでしょう。なお、どうしても伝えにくい事情がある際は「一身上の都合」でも構いません。
5.後日退職届を用意する
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により辞める際は規約の申し入れを行う必要があり、退職届は退職の意思を伝える証拠となります。
もし口頭で伝えてしまうと「言った・言わない」問題になる可能性があるので、退職の意思を伝える証拠として必ず退職届も用意しましょう。
なお、退職届があると会社側はハローワークに対してあなたが辞めたことを伝えることが出来ます。その結果、退職後の失業保険の受給にも影響するため、口頭だけでなく退職届の用意も大切になります。
6.引き継ぎがあれば対応する
新卒と言えどもタイミングや配属先、状況によっては引き継ぎが必要になるポジションの方もいるかと思います。そのため、辞める際は引き継ぎ対応も欠かさないようにしてください。
退職者がいなくなることにより、その人が担当していた業務や作業が滞ることがあるため引き継ぎ資料を作成しておくことで円滑な業務の継続ができるようになります。
具体的には、引き継ぎ資料にはその業務や作業がどのような位置づけで、誰が担当しているかといった基本的な情報から、業務の流れ、社内外の関係者、必要なデータなど、その業務に関する様々な情報を詳細にまとめていきます。
また、業務に関するトラブルが過去に発生した場合は、その内容や対処法のノウハウなども、可能な限り含めておくことが望ましいでしょう。
重要なのは、引き継ぎ資料を作成する際には、自分だけが理解できる言葉でまとめるのではなく、誰が見ても理解しやすいように分かりやすくまとめることです。これにより、後任者や他の社員が迅速にその業務や作業に取り組めるようになり、企業にとってもスムーズな業務の継続ができるようになります。
7.辞める最適なタイミングも押さえよう
会社の一般的な人事の流れを踏まえて考えると3月と9月は求人が多くなるタイミングなので、いずれかの月であれば辞めた後の転職活動での成功率が高まります。よって、辞めるタイミングとしては3月、9月以前が良いでしょう。
また、ボーナス時期(一般的には夏ボーナスは7月5日~15日の間、冬ボーナスは12月5日~15日の間)も加味して考えると、ボーナス取得後である7月16日~8月末日(9月求人用)、12月16日~2月末日(3月求人用)、いずれかの期間で辞めるのがおすすめです。
なお、3月は4月入社(次の新卒と入社時期が合わせられる)、9月は10月入社(中途採用の時期と合わせられる)と、これから入社してくる人たちと入社時期が合わせることができるので会社側もサポートがしやすくなります。
怖いので退職を言い出せない時の対策案
【前提】新卒なので辞めたいと言えない気持ちはわかる
新卒だと自分の立場を考慮して辞めたいと言いにくく感じるお気持ちは理解できます。
そのため、まず、上司に伝える前に社外の信頼できる人に相談してみることをおすすめします。相談することで、自分がどうするべきか考えるきっかけになるだけでなく、自分では思いつかなかった対処法が見つかることもあります。
誰かに話すことで自分の考えが整理され、自分が思っていたほど深刻ではないと気づくこともあるでしょう。特に、転職や退職の経験がある人に相談すると参考になるアドバイスをもらえる可能性が高くなります。
退職理由を固める
退職理由が不明瞭だったり曖昧だったりすると、会社側から引き止められる可能性が高くなります。そのため、明確な理由を示しつつ会社が認めざるを得ない内容にするのがおすすめ。
例えば、退職理由が個人的な問題や家族の問題など、会社として対処のしようもないものであれば雇用主は退職を受け入れざるを得ません。
退職理由の用意について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
関連記事:退職理由で最強なおすすめの内容はドクターストップか法的な訴求
繁忙期は避ける
繁忙期は避けて退職を伝えましょう。
繁忙期に退職を伝えると会社側も退職を受け入れることが難しくなります。そのため、繁忙期を避けた穏やかな時期に退職を切り出してください。
ただし、パワハラなど職場環境に問題がある場合は話は別。早急に退職の意を伝えて辞めてしまいましょう。
事情がある場合は電話・郵送・メールで伝える
退職については、原則として直接上司や人事部門に退職の意思を伝えることが望ましいです。しかし、職場での人間関係やパワハラ等の理由により、直接伝えることが困難な場合もあります。
そのような場合は、退職の意思を電話・郵送・メール等で伝えても問題ありません。
法的な規定(民法第627条)では、退職を伝える形式は定められておらず、解約の意思を伝えることで成立します。よって、電話・郵送・メール等で辞める旨を伝えれば問題無く退職は成立します。
ただし、電話・郵送・メールでの伝え方を選択した場合でも、会社が求める退職届や必要な書類の提出等の手続きが必要になりますので、具体的な手続き方法については、会社の規則や就業規則等を確認するか、人事部門等に相談してください。
どうしてもの際は退職代行に相談して辞める
自主的に退職するのが難しい場合は、退職代行に相談して退職手続き進めてもらいましょう。労働組合が運営する退職代行のトリケシ(日本労働調査組合)に相談すれば、職場に直接退職の意向を伝える必要がなく、あなたに代わって代わりに交渉や手続きを行ってくれます。
申し込みは簡単でLINEや電話、メールなどから相談可能。確実に退職できるのはもちろん、希望者には即日退職の相談にも乗ってくれます。
その為、
- 確実に退職が成立したい
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- トラブルなくすぐにでも辞めたい
という方は労働組合が運営する退職代行に相談してみてください。
我慢できない職場を早期退職することでのメリット
心理的な問題を抱えずに済む
自分にとって我慢の出来ない仕事に終日従事することは心身に悪影響を及ぼすことがあり、そのような環境下で働き続けると適応障害などの精神疾患にかかることがあります。
また、一度精神疾患にかかると退職後に回復するまで時間がかかり社会復帰も難しい場合があります。
そのため、本当に嫌な職種であれば退職することでストレスや苦痛から早期に解放されることができ、さらには次のキャリアや職場へのモチベーションに繋げることが出来ます。
キャリアの再構築が早期に実現する
20代のうちに転職をすると、新卒者と同じように「第二新卒」として就職活動を行うことができます。
第二新卒は学校を卒業してから就職したものの、数年で退職して再び就職活動を行う若手求職者のことを指し、年齢は25歳前後の人を指すことが多いです。
第二新卒は社会人としての常識やマナーや一定のビジネススキルを備えているため、新卒者に比べて採用側から見ても魅力的な人材として扱われます。また、社会経験が少ないため柔軟性に優れ、新しい職場環境に適応しやすいという特徴があります。よって、企業側も採用に対して魅力を感じていることが多いです。
本当にやりたいことができる
本当に自分に合わない職場であれば早期の転職でキャリアの軌道修正がすぐにできます。
若さは武器です。時間が経てば経つほど、求職者としての価値が低下し採用されにくくなっていくため、転職を考えている人は、できるだけ早く行動に移すことが重要です。転職するべきタイミングを逃さないようにしましょう。
新卒が早期退職することでのデメリット
転職活動が手間
転職活動は就職活動と同じように、自己分析や企業研究、求人情報の収集、履歴書や職務経歴書の作成、面接の準備など多くの時間や労力が必要です。
また、転職先での就業開始までの期間には、生活費や保険などの支出が必要になることもあります。その為、どうしても一定の負担はかかります
第二新卒枠があるので過度な心配無用
ただし、上述したように新卒からの転職は第二新卒枠があるので過度に心配する必要はありません。改めて自分自身が求める条件や希望する職種・業界、転職理由などを明確にし、それに合わせた求人情報を収集することで転職活動を進めていきましょう。
理由を問わずすぐに辞めた方が良いケース
ハラスメントやいじめ
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントやいじめは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、ハラスメントやいじめが起こる職場ということは労働契約法5条で定められた使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない職場となります。
つまり、労働契約法5条に反している状況(違法な状況)ということです。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
労働条件の相違
(労働条件の明示) 第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。 ② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。 ③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第15条
労働基準法第十五条より、労働条件の相違は違法行為とされており、即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる場合、違法行為となるので、その旨を会社に伝えて労働環境や業務内容を是正してもらいましょう。
そして、聞き入れてもらえない場合は即日退職してしまいましょう。
給与の遅延
給与の遅延が発生している場合、企業の資金繰りが不安定である可能性があります。このような場合、何かトラブルが発生すると会社が倒産してしまう危険性が高いので、できるだけ早く退職することをお勧めします。
僕も新卒で入った会社で給与の支払い遅れを経験しました。漫画やドラマのお話しだと思ってましたがいざ直面するとマジで不安になります。汗
また、未払い賃金が発生した際は労働基準監督署に申告したり、法律相談を受けるなどの措置をとることをお勧めします。
違法行為の横行
賃金の未払いや過剰なサービス残業などだけでなく、社会的モラルに逸脱した行為や違法行為が常態化してるような企業であればすぐにやめたほうが良いです。
気が付かないところでご自身が犯罪の片棒を担がされたり、いざ転職するとなった際に前の会社の悪い習慣が基本となってしまい、転職先で評価を落としてしまうリスクもあります。
ご自身のキャリアにとってメリットがありませんので、違法行為が常態化された企業であればすぐに辞めて別の会社に身を寄せた方が良いでしょう。
過度な長時間労働
労働基準法第32条によると法定労働時間は「1日8時間、1週40時間」と定められています。
こうした所定の時間を超えた勤務が常態化している会社はブラック企業なので辞めた方が良いです。
なお、労働基準法第36条に基づく労使協定(以下「36協定」)が締結されていれば、労働者に時間外労働をさせることができます。ただし、これにも「1カ月45時間、1年360時間」という上限が設けられています。したがって、1日8時間労働で、毎日3時間以上の残業が当たり前という状況は明らかに法律違反となります。
さらに、長時間労働が常態化している企業では、残業代を支払っていないなど、他の法律にも違反している可能性があります。
こうした環境下であれば改善にはつながりにくいでしょうから、一刻も早くより労働環境の良い会社に転職することをお勧めします。
僕も新卒で入った会社では残業が168時間という長時間労働を強いられましたが、健康に悪いだけでなく、面経つ面にも影響するので、長時間勤務の会社はホントに辞めた方が良いです。
【Q&A】新卒が辞める際に気になりやすい項目
研修中や試用期間中に辞めても良い?
試用期間中はまだ正式に雇用されていなくても労働契約は成立しています。そのため、解雇や退職に関するルールは正社員と同じです。したがって、従業員が会社の就業規則で定められた方法に従って退職を申し込めばきちんと退職することができます。
民法では従業員は “2週間前 “に通知することになっていますが、就業規則では”退職希望日の2週間前から1ヶ月前までに通知する “と定められていることが多いので、基本的には就業規則に則って退職処理を進めてください。
バックレだけは避けた方が良いですか?
バックレによる退職は認められていません。そのため、バックレによる退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは労働者にとってデメリットが大きすぎます。そのため、辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
人手不足で退職を言いづらいなら会社側の責任
退職したいという労働者に対し、会社側から「人手不足だから辞められると困る」「後任が来るまで待ってほしい」などと言われることがあります。
これに対しては、会社側が人手不足に陥っていることは労働者の責任ではなく、会社が採用計画を立てたり、代替策を考えたりすることで解決するべき問題です。したがって、会社側の人手不足によって労働者を引き留めることは適切な理由にはなりません。
また、会社側から「後任が居ないから引き継げないので認められない」と言われる場合は、引き継ぎに必要な業務を適切に処理し、退職までに問題を残さないように努める必要がありますが、それ以上に退職することは労働者の権利であり、会社側が引き留めることはできません。
申し訳ないので退職を言いづらい気持ちは理解できる
早期の退職となり申し訳なさを感じるお気持ちは理解できますが退職は労働者の権利です。また、労働者が退職をする理由は、家庭の事情や健康上の理由など、様々なものがあります。
そのため、早期退職をしたいと思った場合は率直に自分の気持ちを伝えましょう。
退職を決断した理由について素直に伝えることで、会社や同僚にも理解してもらいやすくなることがありますし、一度本気で決意したのなら次のキャリアに向けて自分自身の気持ちを切り替える方が大切です
即日退職は可能でしょうか?
新卒でも即日退職は可能です。具体的には、民法の第628条によって「やむを得ない事情」がある場合は会社と労働者が双方の合意の上で即日退職が成立することが認められています。
「やむを得ない事情」とは、例えば、健康上の問題、家庭の事情、その他の不可抗力的な事情などが該当します。退職する理由がそのような事情に該当する場合、会社と話し合いの上で合意が取れればすぐに退職することができます。
ただし、やむを得ない事情がある場合でも、労働者が会社に不利益をもたらすような退職方法を取ることは避けましょう。
新卒の即日退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
退職届を受け取ってもらえない時はどうすればいい?
- 配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送する
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段でも退職の意思(解約の申入れ)を伝えたことになりますので、上述した民法第627条に従い、解約の申入れの日から2週間経過すると退職が成立します。
まとめ
新卒で退職を考えている人は、直属の上司に退職の意思を伝えることに気が重く感じるお気持ちは理解できます。
しかし、どうしても合わない職場で我慢することは非建設的です。
上司に対して心を込めて早期退職になってしまうことを謝罪し、且つ丁寧な退職の伝え方をすることで割り切って次のキャリアに切り替えていきましょう。