入社してすぐに退職代行を利用しても良い理由、入社早々に退職代行を利用している方の実情について解説しています。
退職代行を入社してすぐ利用しても良い理由
入社してすぐに想定と大きく異なる職場環境であることがわかれば退職代行の利用は問題ありません。
特に入社早々は「入ったばかり」という点で退職を切り出しにくい状況にあります。そんな中で代わりに退職代行に対応してもらうことで切り出しにくさを気にすることなく辞めることが出来ます。
職場の人間関係は入社しないとわからない
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」という理由が一定の割合を示しています。
職場の人間関係は入社してみないことにはわかりません。入って直接現場に触れ、「この人たちと一緒に過ごすのは難しい」と感じたなら辞めるのは自然なこと。
合わない職場環境を我慢し続けるとうつ病や適応障害などになるリスクがあるので、本当に難しいと感じた時はむしり職場を離れないといけません。
入社1ヶ月で退職代行を利用して辞めた人たち
実際に退職代行を利用して入社一ヶ月という短期間で辞めている方も多いです。
「短期間で辞めるのはモラルが~、」など言われることもありますが、本当に苦しい状況の人からするとそんなことを言っている余裕はありません。
もちろん、ただめんどくさいからという理由での退職は好ましくありませんが、「どうしても」の状況に該当する場合はご自身の身の安全のためにも退職を選択肢に入れるべきです。
【補足】法律に違反している場合は例外なく辞めるべき
- 事前に聞いていた話と違う
- ハラスメントが酷い
などは明確な違法行為となります。
「仕事が聞いてた話と違います!と働き始めてからわかったときの対処法」でも詳しく解説していますが、事前に聞いていた話と実際の仕事内容が異なる場合、労働基準法第十五条の労働条件の明示に該当するため即日退職が可能になります。
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
e-gov法令検索(労働基準法)
また、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反となり法律違反となります。
ハラスメントは被害者の心身に危険を及ぼす行為となります。
労働契約法5条に基づき、使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていないことになるので、「身の安全が確保されていなければ出勤することはできない」と伝え、そのまま退職まで成立させることが可能です。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
話の相違やパワハラ問題による退職に関して詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
新卒が退職代行を利用することは多い
新卒が退職代行を利用する理由は「伝えにくさ」があります。
- 入社直ぐなのに自分から辞めると言いにくい
- 配属が希望と異なっていたので辞めたい伝えにくい
- 職場に入って将来に不安を感じたので早々に辞めたい
- 入社前後に良くしてもらったので自分から辞めると言いにくい
- 上司や先輩からのハラスメントが辛いので自分から言い出せない
など。
特に新卒は社会人経験が初めての状態。つまり、辞めることも初めてになります。
初めて尽くしなのでどの様に伝えるのが良いのか?から悩んでしまい言い出しにくさを感じる方は多くいます。
新卒による退職代行の体験談
退職代行使うのは悪なんですか…?
退職代行使うのは悪なんですか…? – 新卒のくせに自分の口から言わ… – Yahoo!知恵袋
新卒のくせに自分の口から言わないのはマナー違反って言われたんですが、ダメなことなんですかね…
先月 退職代行業者から電話がありました。新卒が退職しました。最近の若い子は自分で辞める事も言えないのが当たり前なのでしょうか?
先月退職代行業者から電話がありました。新卒が退職しました。最近の若い子は自… – Yahoo!知恵袋
2019年4月入社の新入社員が、2020年4月末で退職しました。
2019年4月入社の新入社員が、2020年4月末で退職しました。しかも、辞め… – Yahoo!知恵袋
しかも、辞め方が1週間体調不良で休み、その後、退職代行の弁護士から電話がありました。
このようなとき、本人と直接連絡はせずに、弁護士に連絡をするということなので、退職理由を尋ねましたが、回答の必要性はないとのことで、教えてはもらえませんでした。
良い悪いは別として多くの利用者がいることは事実です。
「退職代行を入社してすぐ利用しても良い理由」でも解説したように、入って間もないと退職を伝えにくく、新卒であれば初めての退職となるので尚更に言いにくい環境にあります。
また、万が一にも職場でハラスメントを受けていたとしたら身の危険を考慮して尚更に言いにくい環境下にあると考えられます。
他の方からどう思われるか?言われるか?は気にする必要はありません。本当に自分から伝えにくい時は退職代行も選択肢の1つとして用意しておきましょう。
退職代行を利用した後はやばいのか?と心配な方へ
利用が周囲にバレることは無い
退職代行業者があなたの利用に関して周囲に漏らすことはありません。
そのため、退職代行の利用が親・家族・友人などバレることはありません。
退職先から連絡が来る?
やり取りは原則として代行会社が行いますが、あなたの個人的な連絡先を会社側が知っている場合は退職後に連絡が来る可能性も0ではありません。(実際にはかなり少ない確率ですが)
ですが、仮に電話がかかってきたとしても無視すれば問題ありません。繰り返しの連絡が気になる方は着信拒否設定すれば良いでしょう。
なお、既に退職という行為は成立しているので退職後に以前の会社から連絡が来たとしても受ける義務はありません。無視しても法律違反などにも該当しません。
次の転職先に響くことは無い
退職代行の利用は周囲にバレないので転職活動にも影響しません。仮にバレたとしても「なぜ退職代行を利用せざるを得なかったのか?」の正当な理由を伝えることが出来れば良いだけです。
損害賠償は原則あり得ない
退職したことに対して損害賠償に結びつけることは法律で禁じられています。また、退職時に退職代行の利用をしてはいけないという法律もありません。
よって、原則として退職代行での辞め方に対して損害賠償が発生することはありません。
退職と損害賠償について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
退職が失敗する業者は存在する
退職代行業者は大きく3種類に分かれます
- 一般法人
- 労働組合
- 弁護士
一般法人(通常の株式会社)の場合、法律により会社との交渉が認められていません。よって、会社から拒否されるとそれ以上の交渉が出来ないので退職代行が失敗します。
一方、労働組合や弁護士であれば交渉が可能なので退職代行が失敗することはありません。
なお、一般法人の場合は「弁護士監修」という会社もありますが、実際の実務は一般法人が行うことになるので監修の有無に関係無く拒否されたらそれ以上の対応が出来ないので失敗します。
よって、退職を確実に成功させたいなら労働組合か弁護士による退職代行を利用しましょう。
目的によって使い分ける
労働組合と弁護士、それぞれの退職代行の違いは大まかに言えば「金額」と「目的」です。
弁護士の方が費用は高い傾向にあります。ですが、弁護士は退職だけでなくそれ以上のトラブル(訴訟など)まで念頭に入れているときは心強いサポートになります。
一方、退職するだけが目的であれば労働組合で十分です。
退職時のご自身の目的に目的に応じて退職業者を選ぶと良いでしょう。
まとめ
入社してからの勤務期間に関わらず退職代行はいつでも利用できます。
会社は実際に入社してからわかることが多々あります。中でも人間関係や職場環境はその最たる例と言えます。
どうしても職場に合わないとなったら我慢していてもご自身にとってメリットはありません。次の職番環境に切り替えた方がより良い社会人人生を過ごすことが出来ます。
ご自身で辞められるならそれが一番ですが、どうしても辞めにくい・自分から切り出しにくい、、という時は退職代行に相談して辞めるという選択肢も用意しておきましょう。