「メンタルの不調でしばらく仕事を休みたい」
精神的な理由で休む際はどの様に伝えたらいいのか?という時に活用して欲しい、当日の連絡でも使える伝え方について解説します。
精神的に疲れた、とメンタル不調で仕事を休みたい時に連絡するポイント
精神的なトラブルで休む際に「どの様に伝えるか?」で苦心する方は多くいます。
風邪やケガではなく精神面での悩みをどのように打ち明けるか?は学校や会社で習ってきていないことなので伝え方がわからない方が多いもの。
加えて、伝え方次第では相手に理解されない・誤解される可能性もあるので、いざ当事者になるどのように伝えるのがトラブルなく適切なのか?がわからなくなります。
そこで伝える際は「定型文」を活用してください。
精神的な理由で休む際の伝え方は定型文が良い
精神的な理由で休む際は休みの定型文でもある
- 体調不良のためお休みさせていただきます。
- 朝から体調がすぐれないのでお休みさせてください。
など、一般的な体調不良と同じように伝えるのが一番良いです。
当日に使えるメンタル不調で休む伝え方は定型文が便利
体調不良・体調がすぐれない等の言い回しは問題が精神的なものであれ、身体的なものであれ、体調が悪いことには変わりないので嘘にはなりません。
また、体調不良という定型文なら相手にも休む旨を伝える理由としては伝えやすく、当日いきなり連絡しても相手に理解もされやすく、且つ休みたい意志が伝わりやすいです。
精神的な理由で休む際の例文
おはようございます、○○(自分の名前)です。
■■(上司の名前&役職名)はいらっしゃいますか?
■■、おはようございます。本日、朝から体調がすぐれないのでお休みさせてください。
以上、突然で申し訳ございませんが何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、相手から具体的にどのように体調が悪いのか?と問われた際は
- 吐き気がする
- 頭痛やめまいがする
などを併せて伝えましょう。
【補足】メンタル不調で休む際の上司への伝え方
「精神的に苦しいので休みます」「メンタルが、、、」などと発言すると理解されずに誤解を招く可能性、もしくは必要以上に心配を掛けてしまう可能性があります。
また、事情が特殊なだけにその後の上司(または周囲の同僚)からの見られ方・扱われ方にも影響が出ないとも言えません。そのため、「体調を崩してしまって~、」といった定型文での伝達が一番無難です。
精神的に辛い、という際の適した伝え方が無い
メンタルヘルス問題に対しては、まだ社会からの理解が少ないため、精神的な問題を抱えている旨を適切に相手に伝える伝え方が乏しいのが実情です。
よって、体調不良による定型文で対応した方が現時点ではスムーズとお考えください。
精神的な理由で仕事を休む際にメールや電話で連絡する手順
メンタル不調で休む際のメール内容
当日の朝、始業前に上司宛にメールを送ってください。
早ければ早いほど良いですが、遅くとも始業開始15分前を目途にメールを送ると良いでしょう。
メールの例文
○○部長(相手の苗字と役職名)
おはようございます。〇〇(自分の名前)です。
突然で申し訳ないのですが、昨日の夜から体調不良が続いているので、本日はお休みをさせていただきます。
何卒、宜しくお願い致します。
精神的な疲れが酷く、会社へ電話すること自体に大きな負荷が掛かる・辛い、という場合はメールにて連絡しましょう。
電話で伝える場合での話す内容
「精神的な理由で休む際の伝え方は定型文が良い」での内容と基本的には同じです。
また、メールと同様に始業開始前に上司宛に連絡を入れてください。
電話での伝え方の例文
■■(上司の名前&役職名)はいらっしゃいますか?
■■、おはようございます。本日、朝から体調がすぐれないのでお休みさせてください。
以上、突然で申し訳ございませんが何卒よろしくお願い申し上げます。
より好まれるマナーとしては電話で休みの連絡を入れた方が心証は良いです。そのため、電話が出来るなら電話にて口頭で休みを伝えてください。
ですが、電話するのがどうしても難しい状況・事情がある際はメールで構いません。
精神的な理由で仕事を休みたい人は多い
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、職場におけるメンタルヘルス問題を抱える企業・社員が一定数いることが分かっています。
言い換えると、精神的な理由から仕事に負担を覚える人が一定数のいることが現代の会社・職場の現状とも言えます。
また、厚生労働省の調査によると精神疾患を有する総患者数は年々増加していることもわかっており、企業や社会の問題としてメンタルヘルストラブルが深刻な問題になってきている状況にあります。
つまり、精神的な問題は会社だけでなく社会的な問題とも言えます。
仕事と精神的な問題に対して詳しくは以下の記事も併せてご参考になさってください。
メンタル不調で休む際の理由は理解されにくい
メンタルヘルスの原因は身体的なけがや病気とは異なるため、相手に理解されにくいことが問題を更に難しくしています。また、問題が相手側(職場の上司や職場の同僚など)にある場合、尚更に伝えにくくなることもあります。
精神的に疲れたので仕事を休みたいとは言いにくい
仕事の環境が原因で精神的な負荷がかかり疲れてしまう、だからと言ってそれを理由にして休みを取りたいとも言いにくいのが実情です。そのため、体調不良など無難な言い回しにして休みを取るようにしてください。
仕事をしばらく休みたいと連絡する際の注意点
1、2日ではなく数日かそれ以上に渡って休みたいほど消耗している時は伝え方が変わります。
a.現状を理解する
「しばらく」という意味合いが重要になります。
例えば体調不良の場合、まずは1日休みます→病院で診断→更に休みが必要になった→しばらく休みたいが成立しやすい。
次に家族の問題や不慮のトラブルの場合、事情を伝える→しばらく休む可能性がありますが、追って改めてご連絡します→更に休みが必要になった→しばらく休みたいが成立しやすい。
最期に精神的な問題の場合、急にしばらく休むと伝えられる理由が挙げにくい。
以上のことから「精神的な問題があるからしばらく休みたい」と突然伝えても相手に了承を得られにくい可能性があります。
出勤困難症という観点から切り出す
ですが、しばらく休みたい=出勤できない・したくない、という状態は出勤困難症と呼ばれる症状である可能性が高く、放置し続けると鬱や適応障害を筆頭に吐き気・頭痛・下痢などの症状も引き起こす危険があります。
出勤困難症について詳しくは以下の記事をご参考になさってください。
そこで、自分が万全でない・休む必要があることを会社側に証明して休みを確保しましょう。
b.診断書を用意する
精神的な問題で「しばらく」休む場合、メンタル面という理解されにくい問題を抱えていることを証明するためにも心療内科で診断書を用意してもらってください。
診断書があれば医者がドクターストップを認めた状態になります。
つまり、休みが必要な状態であることを客観的に証明ですので、診断書があれば精神的な問題でもしばらく休むことを周囲に納得させることができるようになります。
c.休職を申請する
診断書を元に休職を申請し、中長期の休みを確保しましょう。
精神的な問題を抱えた時は休息をとり、出来る限り刺激を避け、自分に優しくしてあげることが必要です。よって、ご自身の気持ちが落ち着き回復するまでしっかりと休んでください。
d.傷病手当金の申請
休職中は給与が止まり生活費に影響が出てしまいます。そのため傷病手当金を申請してください。
傷病手当金は月額給与の2/3が支払われる制度で、「4日以上仕事を休んでいること。」を条件に支払が発生します。(療養のために仕事を休み始めた日から連続した3日間(待期期間)を除いて、4日目から支給対象となります。)
また、傷病手当金は同一の傷病について支給を開始した日から最長で1年6ヵ月間支払われますので中長期での休みが発生した場合は必ず申請をしておきましょう。
なお、厚生労働省によると傷病手当金を受け取る方の約3割が精神的な理由とされています。
e.有給消化で対応する場合の注意点
休職の代わりに有給消化で休みをとることもできます。
有給なら傷病手当金と違い満額で給与を受け取ることが出来ますので生活費の不安もありませんが、有給で確保できる休みは最大でも40日、且つ有給休暇を取った場合は傷病手当金は支払われません。
そのため、多少の休みを取得できれば回復できそう、という見込みがある場合のみ傷病手当金と比べて有給消化の方が金額的な面からするとメリットが多い、という理解になります。
中長期の休みなら傷害手当金を
短期的な休みの場合は有給消化が良いですが、41日以上の長期的に休む必要がある場合は有給ではなく休職×傷病手当金の申請が好ましいでしょう。
また、長期的に休みたいが
- そもそもまだ有給を取得できる権利が無い(入社間もない時期)
- 取得できる権利はあれど最大40日までの件はまだない
という時も休職×傷病手当金の申請が良いでしょう。
弊社では有給なんて有っても無いようなものだから、、、と半ばあきらめてしまっている方は以下の記事もご参考になさってください。
f.辛いときはメールでの連絡でも可能
「電話で伝える場合での話す内容」でもお伝えしたように、原則として休みは口頭で伝えた方が(直接会って話す・電話する)相手からの心証は良いです。
ただし、口頭で伝えるのがどうしても負担に感じる場合はメールやLINE、社内のビジネスチャットなどで伝えても構いません。
ご自身の今のご状況に併せて負担の少ない伝達方法を選択しましょう。
状況が変わらない場合は異動や退職も視野に入れる
- 休んでも回復の見込みがない
- 精神的なトラブルを抱える原因が職場にあり、復帰したとしても状況は変わらない
という状況であれば仮に職場復帰しても症状が再発するだけです。
この場合、異動や退職を視野に入れてください。
1.異動する場合
企業によっては異動願いの書式が決まっていることがあるので、予め人事部に確認をとり、所定の手続きを元に異動申請をしましょう。
なお、異動理由に関しては既に精神的な問題があることは上司も理解がある状況なので素直に伝えた方が良いです。ただし、元の職場の上司に原因がある場合はトラブルを避けるためにも
- 事情によりどうしても今の仕事では支障をきたすため
など、当たり障りのない表現に収めた方が無難です。
2.退職する場合
社内規定に従って退職届を提出して辞めましょう。会社にもよりますが辞める1、2ヶ月前に退職する旨を申請します。
必要があれば引き継ぎを行い、有給があれば退職までの残り日数は有給を消化して退職をしてください。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
どうしても早期に辞めたい場合は民法第627条を元に退職の最短期間である14日で退職処理を進めてください。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
もしくは、どうしても早くに辞めたい旨を会社側が理解してくれたら、民法第628条に基づき会社との双方合意による即日退職が成立する可能性もあります。
勤務の意思がない人を長く居座らせても会社側としては負担になるだけなので、即日退職になることも決して少なくありません。
精神的な問題で辞める際の伝え方については以下の記事も併せてご参考になさってください。
3.どうしてもの時は退職代行に相談して辞める
- 自分から退職を切り出すのが難しい
- でも、もう耐えられないからどうしても辞めたい
という時は労働組合が運営する退職代行サービスに依頼して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホからLINEで申込み相談が可能。また、希望すれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するのでトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
などがあり、希望者には有給や未払いの交渉なども行ってくれます。
そのため、もしあなたが
- 辞めたいけど自分では言い出しにくい
- でも、どうしても辞めたい
等の場合は迷わず労働組合が運営する退職代行サービスを利用することをおすすめします。
まとめ
メンタルの不調は中々伝えにくいですが、だからと言って放置していたらご自身が苦しみ続けるだけです。
体調不良ということでまずは休める状態を作り、その後長引くようであれば都度の連絡か診断書を用いた中長期的な休みを用意して、自分自身を休めてあげてください。