退職予定者へのいじめやパワハラなどの嫌がらせに対する考え方、および身を守るための対策について解説します。
退職予定者に対するいじめやパワハラの問題は多い
退職予定者に対するいじめ問題は多く、表立って目立っていないだけで実は社会問題と言えるレベルで発生しています。
退職日までいじめる事例
上司が退職予定の後輩をちょくちょくいじめています。
Yahoo!知恵袋
上司も後輩も正直どっちもどっちなのでノータッチなんですけど、後輩は「復習してやる」精神が強いので、退職後に訴訟とか起こされそうです。
退職予定の人間はいじめにあうものですか?
3月に大学を卒業し4月から働き始めましたが
・就業規則は全く守らない
・残業、サービス残業を毎日しないと成り立たない
・残業代は出ない
・職場は常時暴言だらけ上司も中卒者ばかり、中には刺青や逮捕歴の人間も
・休日出勤は当たり前、どうでもいい理由で呼び出すこともあり(会社を掃除しろ、俺の車を洗え等)
・バイトの人間も何人も逃げ出す
・過重労働で背骨が曲がり神経を圧迫していても話を聞いてくれない8月に退職届をだしやっと9月末で退職となりましたが9月に入ってから辞めることを理由に言いがかり等が増え
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些細なミスで職場を追い出されることが増えました(もういい!帰れ!目障りだ!消えろ!今すぐ消えろ!殺されたくなければ今すぐ帰れ!等)
仕事中に鈍器で殴られそうになったこともありました。
今月体が持つか心配です
9月入ってすぐに職場から追い出されるのが増えたので心配です
退職の際、嫌がらせの一環で無視される
退職の際に嫌がらせをする会社
退職に伴う嫌がらせ
Yahoo!知恵袋
引き継ぎはちゃんとしてよね!と退職までの期間で到底こなせない量の業務を押し付けられてしまいました。
どこまでが対応すべきでどこからが過大な要求でしょうか?
退職の嫌がらせとしてボーナス支給日を遅らせられるか。
会社との退職交渉中です。
例年12月の第2金曜にボーナスが支給されますのでそれまでは在籍したいと思っています。
仮にその日を退職日にしようかなと思いましたが…会社が嫌がらせとして
「経理的な事情により今年は翌月曜(私の退職日以降)にします」
という手は使えちゃいますよね??賞与規約によると
支給日に在籍していれば
「12月」に支給する
と記載があります。日にちまでは明記していません。
こうなると退職日は12月末までにしておくのがベターでしょうか?
300人規模のオーナー会社です。
Yahoo!知恵袋
支給日変更は考えすぎとは思いますが、ケチ臭くて有名なのであり得なくはないと思います。
退職を伝えた後にパワハラに遭うことも
退職の意志を伝えた後、パワハラにあい休んでいて、会社が解雇扱いした場合、どうしたら良いでしょうか?
Yahoo!知恵袋
【結論】退職に関するいじめ問題は多いのが実情
退職に際して嫌がらせを受ける事例は数えきれないほど多く、他にも
- 退職届を受理してもらえない
- 身体への直接的な暴力が増える
- 人手不足を理由に強引な引き留めがはじまる
- 有給を取らせないレベルで過度な仕事を振る
などの嫌がらせを受けることが少なくありません。
つまり、残念ではありますが退職時に退職者へのいじめが発生する問題は多いのが実情と言えます。
退職日までどうしても耐えられない、となった際は以下の記事もご参考になさってください。
参考記事:退職日までもたないし行きたくないと悩んだ時に試して欲しい対処法
ヤメハラ問題もひどい
退職者に対するいじめの延長として「ヤメハラ」問題もあります。
少子高齢化による慢性的な人手不足もあり、会社側も退職者を出したくないのが本音。
そこに「退職します」と申し出があると『会社が大変な時にどうして辞めるのか?』となり、感情の爆発先として退職希望者への嫌がらせが始まり、上司からの嫌がらせで辞めさせないハラスメント、通称「ヤメハラ」を受けることもあります。
ヤメハラによる嫌がらせはほぼ感情論
- 引継ぎにより業務量が増えることへの不満
- もともと抱えていた不満の吐露
- 自分だけが取り残された感
- 部下が辞めたことによって上司としての評価が下がる
- 育ててやった時間や恩をないがしろにされたと感じる
など、細かな理由は人によって様々ですが退職時に起こる嫌がらせはなんとなく感情論が爆発して~、」「ストレスのはけ口として~、」という感情的なことが多いです。
ヤメハラに対しては無視が一番の対策
ヤメハラ被害を受ける側としては溜まったものではありませんが相手の感情論に対して真面目に対応しても疲れるだけです。
そのため、不満を聞くだけ聞いて事務的に退職処理を進める、もしくは無視する・相手にしない、が一番の対策と言えます。
ヤメハラの相談先として
ヤメハラの相談先としては厚生労働省の総合労働相談コーナーや労働基準監督署等もありますが実は確実な解決案にはなりません。
総合労働相談コーナーはあくまで相談を受けてくれることがメインであり、解決に繋がるアクションを講じてくれる保障はありません。
退職の嫌がらせに対して労働基準監督署ができるのは指導まで
また、労働基準監督署はトラブルを止めるのではなく「指導する」までの存在ですので、確実に自分を助けてくれるというわけではありません。加えて、土日は休みなのでそもそも平日仕事を行っている人が労働基準監督署に相談するのが難しい、という問題もあります。
そのため、
- 明らかにヤメハラが酷い
- 度が過ぎている
- 無視できないレベルですぐに対応したい
等のどうしてもの時は後述する「嫌がらせを確実に避けたいなら退職代行に相談する」より退職代行に相談して確実に退職を成立させるのが得策です。
退職者への嫌がらせに対する考え方
退職の際、上司からの嫌味によるパワハラ発言があっても無視して良い
- 他に行っても難しい・通用しないよ
- 辞めるなら代わりの人材を探してこい
など、辞める際によく言われる嫌味な発言は無視していただいて構いません。
「他に行っても通用しない」という発言はただの嫌味であり根拠の無い感情論。なんの影響もない発言ですので気にする必要はありません。
仮にどうしても我慢ならないぐらいしつこく対応されたらパワハラとして訴えることも可能です。
また、「代わりの人材を探してこい!」などと言われても退職に伴う人手不足問題は会社側の問題であり個人が責任を負う話ではありません。そのため、無視していただいいて何も問題はありません。
退職時人手不足問題について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
辞めると言ったらパワハラが起きた場合は訴えることが可能
- 身体的な暴力(殴る)
- 精神的な暴力(暴言、侮蔑、名誉棄損)
- 仕事内容の悪化(仕事の押し付け、仕事をさせない)
- プライバシー侵害
など、退職を伝えた後にこうした扱いを受けた際はパワハラで訴えることが可能です。泣き寝入りする必要はありません。
退職前のパワハラに対する証拠を残しておく
もし本気でパワハラを訴える際は証拠や履歴を細かく残しておいてください。
被害に遭った時間・相手の氏名・被害内容・嫌がらせ行為の時系列やタイミング・回数・場所、など音声、メモ、画像、動画などのあらゆる手段で嫌がらせの証拠を押さえておき、証拠をまとめた上で嫌がらせ相手に内容証明郵便を送ります。
内容証明郵便は法的な手段ですのでこの時点で嫌がらせを止めてくれると考えられますが、それでもダメな場合は証拠を元に弁護士に相談して裁判という手段で対応してください。
ここまでヒドイ状況は稀かもしれませんが、心配な方は万が一に備えていつでも反撃できる準備を整えておきましょう。
退職の引き止めもハラスメントであり違法行為
人手不足の影響もあり、簡単に辞めさせない会社も多く存在しますが、退職の意思を示しているにも関拘わらず会社・上司がしつこく引き止めることは引き止めハラスメントに該当します。
お互いの間柄が成立しており、且つしつこくもない1回だけの引き止めであれば大きな問題になりにくいですが(人情的に辞めて欲しくない、ということもあるので。)、関係性も無く、且つしつこいぐらいに引き止めにあっているなら立派なハラスメントであり違法行為ですので無視していただいて構いません。
※注意※
退職引き止めの際に「年収アップ」など好条件を引き合いに出してくるケースもありますが、それは本当の評価ではなくあくまでイレギュラー対応。その後も一生続くわけではありません。
また、仮に残ったとしても「一度辞めるといったやつがなんでまだ残っているのか」などと周囲から厳しい目を向けられることもあります。
中長期的に考えると会社に残ることへのメリットはほぼ無いと言えるので、退職の意思を示したらヘタに残ることなくキッパリ辞めた方がご自身のためです。
【大事】一度「辞める」と伝えたら自分から引かないこと
退職時に引き止められたり嫌味を言われて退職を躊躇うことなどもあるかもしれせんが、躊躇して退職を思いとどまらないこと。
退職を思いとどまってしまった方がむしろ地獄、「あいつは辞めようとしている奴なんだな」という目で見られるので職場での居心地が悪くなるだけです。
「辞める」と伝えたなら『絶対に辞める』が結果として一番スマートな幕の引き方になります。
退職決定後の嫌がらせを避けて辞める方法
1.有給消化を利用して強引に辞める
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索
有給の権利が残っている場合、退職前に有給を消化してそのまま退職日まで迎えましょう。周囲と顔を合わせることなく辞めれば無用なトラブルを受けることはありません。
なお、有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、有給の権利は退職すると消滅してします。そのため、有給が残っているなら退職前に有給を消化しておかなければ損するだけです。
時季変更権は退職者には無効
有給に対して会社側にも「時季変更権(会社が労働者の有給取得日の時期をずらせる権利)」があります。ですが、時季変更権は退職予定日を超えた行使はできません。
要するに、有給消化と同時に退職予定の方には会社からの時季変更権が成立しないということです。
有給消化後に退職してしまうということは他の時季に有給休暇を与えることができないということになるため、時季変更権を行使することができません、そのため、退職前提での有給申請は申請者の請求が通ります。
よって、有給を利用すれば自分が辞めたいというタイミングで意図的に辞めることができます。
中には「有給を取得しにくい」と悩む方もいますが、有給は労働者の権利なので有給の権利があるならば必ず活用できます。有給活用や退職時の注意点について詳しくは以下の記事も合わせてご参考になさってください。
2.ハラスメント被害を受けている場合
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、ハラスメントが起こる職場ということは労働契約法5条で定められた使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない職場、となります。つまり、労働契約法5条に反している状況(違法な状況)ということです。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
ハラスメント被害による退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
3.どうしても際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- 自分から退職を切り出すと、その後に何かしら嫌がらせをされるのでは?と心配
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- 自分から退職を切り出すと、その後に何かしら嫌がらせをされるのでは?と心配
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう
【補足】辞めた会社から退職後の嫌がらせを受けた場合
離職票が届かないため経理の人に問い合わせをしたところ、直接取りに来ないと渡さないと院長が言っていると言われ、勇気を出して取りに行ったのですが アポを取って来いと門前払いされました。
退職後の嫌がらせに被害届けをだすと、警察はどういう対応をしてくれますか… – Yahoo!知恵袋
家にまで来たよ。
退職後に嫌がらせされたことある人 | ガールズちゃんねる – Girls Channel –
怖くて怖くて、暫く外に出られなかった。
寿退社だったんだけど、個人経営の小さい会社だから、私が抜けたら人員ヤバいから辞めさせるな!って圧力かかって、部署総出で止められたのを何とか退社。
そんな経緯もあって、辞めたのに来て
ピンポーン「◯◯さーん?仕事残してますよねー?あれどうするつもりですかー?」ドンドン!って。(引き継ぎ済みのやつ)
警察呼べばよかったんだけど、夫に電話して、2人で弁護士さんに相談して、弁護士から「犯罪行為になる可能性がありますよ」って通達してもらったらピタッと止んだ。
ほんっと怖かった。
離職票とか源泉徴収票とか、退職後に必要になる書類をいっさい出してくれなかった。事務の人に出してほしいとお願いしたのに。
退職後に嫌がらせされたことある人 | ガールズちゃんねる – Girls Channel –
退職後にも嫌がらせをする、という行為は異常でしかありません。
ですが、残念なことに退職した会社から嫌がらせを受けることは稀に起こりうる話でもあります。
僕はその経験はありませんでしたが、自分の知り合いには被害者はいました。
辞めた会社からの嫌がらせは無視
退職後は会社との関係が切れるので何かされても基本的には無視。
無視しても嫌がらせが続くようなら労基署と警察署に相談、それでも懲りない時は弁護士を介して法的に対応しましょう。
ご自身で直接対応するとご自身や周囲の家族へ万が一の危険があるので、間に第三者機関を仲介させて対応してください。
転職先は教えないこと
こちらでも解説しましたが、退職時には万が一のトラブルに会わないためにも転職先は伝えないようにしてください。
退職時に転職先は伝えなくとも法的な問題は一切ありませんので、仮に勤務先から詳細を教えるよう強要されても従うことなく無視していただいて構いません。
まとめ
退職は労働者の権利。にもかかわらず退職する人に嫌がらせやいじめをしてくる会社は「その程度」の会社です。
あなたが同じ土俵に立つことはありません。
耐えられる範疇なら右から左に流すように無視、それが難しければ有給や退職代行サービス等を利用して合法的に退職して、次の人生に切り替えていきましょう。
→ 労働組合が運営し、弁護士監修体制もある退職代行トリケシ 公式サイト