中途入社した職場で周囲が仕事を教えてくれない際にどう対処するべきか?について解説します。
中途に対して仕事を教えてくれない状況とは?
一般的には割と多い悩みの1つ
中途採用で入った会社で仕事教えてもらえない、という状況は少なくありません。
主な理由としては以下が挙げられます。
社内制度が整っていない
- 人手不足で仕事を教えるスタッフがいないため物理的に対応が難しい
- 新入社員に対して業務を伝えるマニュアルが社内に無い
会社の規模感によってはこのような状況であることも少なくありません。
即戦力で過剰に期待されている
それまでの経験を見込んですぐに活躍できるだろうと過剰に期待されている場合、「自由にやってください」「すぐにやってください」となるケースがあります。
もしくは、社内に不足していたリソースを埋めるべく採用した人の場合、そもそも社内に知見が無いので放置されます。会社側としては「その業務に関しては0から作ってね」というスタンスで接してこられることもあります。
自由な社風(自由過ぎる)
無視や放置ではなく、自由に働いてもらうことを社風としているため結果として放置気味になることもあります。
この場合、嫌がらせではないので自分から質問すれば対応してくれることが多いです。
仕事を教えてくれないことへの悩みを抱える人は多い
中途で入った会社ですが、仕事の基本を教えてくれません。
会社にある参考書を自分で読み、やれって感じです。分からないところは聞くと、教えてはくれます。が、最初に基礎を何も教えてくれ
中途で入った会社ですが、仕事の基本を教えてくれません。会社にある参考書を自… – Yahoo!知恵袋
ないので、色々なパターンがあり、やる事も違うので、やらなくていいことをやってたり、時間の無駄です。
仕事を教えてくれない会社。
事務系・中途入社二週間目です。
皆、すごく忙しそうで‥やることがないかと聞いても掃除など雑用を与えられるばかり‥雑用が終わっても、私に何をやらせばいいか悩む上司(仕事を与えてもチェックする時間がないのだと思います。)はやく仕事を覚えたいのにあせるばかりですが 周りもバタバタ‥
仕事を教えてくれない会社。事務系・中途入社二週間目です。皆、すごく忙し… – Yahoo!知恵袋
中途でも一から仕事を教えてくれるような会社はありますか。
中途でも一から仕事を教えてくれるような会社はありますか。 – 年齢にも… – Yahoo!知恵袋
仕事を教えてもらえないで放置されたことを理由に退職をする方も
【補足】社員側の意見もある
転職して仕事を教えてくれないで放置される際の対策
積極的に質問してメモをする
知らないことは年齢・経験問わず上司や周囲の方に積極的に質問していきましょう。無難な方法ですが無難な方法が一番確実です。
いつ質問して良いか?も確認する
相手も仕事をしているので、質問してもすぐに対応されない場合は「いつ質問して良いか?」も合わせて確認し、相手の都合に合わせて対応してみましょう。
別部門の人にも聞いてみる
業務上連動することがおおい別部門があれば、その部門の方にも積極的に質問をしてみてください。なお、著者も転職した際は別部門の方にこまめに質問をしていました。
いちいち聞かないと教えてくれない、とは思わない
「一般的には割と多い悩みの1つ」でもお伝えしたように、中途入社した人間に対して仕事を教えてくれない環境は珍しいことではありません。
『いちいち聞かないと教えてくれない』などとは思わず、積極的に自分から動いて仕事を覚えていきましょう。
引き継ぎマニュアルを確認する
前任者の方から引き継ぎマニュアルが用意されていることがあるので、引き継ぎマニュアルがあるか?を確認しましょう。
マニュアルがあれば基本はマニュアルに沿って対応し、わからない点を上司に都度確認しながら業務を進めることができます。
さらに上の上司に相談する
仕事を教えるハズの上司(もしくは先輩社員)が仕事を教えてくれない場合、更に上の立場にいる上司の方に相談して状況を変えていきましょう。指導員に対して注意が入り状況が変化するか、場合によっては指導係を変更してもらえることもあります。
【補足】仕事を教えてもらえないことを理由にパワハラとは判断しにくい
パワハラは暴力・恫喝・立場を利用した威圧的行為などが該当します。
また、労働業務に対しては能力や経験を超える無理な指示で他の社員よりも著しく多い業務量を課す、もしくは逆にあまりに過小な仕事内容を命じる、など公平性を欠いた業務の指示はそれ自体がハラスメント行為として見られやすいと言えます。
以上のことから、公平性を欠いた業務と言えなくはない一方で、業務内容を命じたわけでは無い(放置しているだけ)とも捉えることができるため、仕事を教えてもらえないことを理由にパワハラとは判断しにくいと言えます。
よって、放置されている状況にあったとしても、その状況をパワハラとして結び付けて何かしらのアクションを起こすのは控えた方が良いでしょう。
放置が続く場合に検討すべきこと
会社側に対してアクションをとったのに放置という状況が変わらない際は以下を試してみてください。
早期に退職を検討する
一向に変化が無い場合は早期退職で次の転職先を検討した方が良いです。
仕事が覚えられない以上は業務が進みませんし、何も得られないならご自身の市場価値も下がってしまうだけです。
傷が浅いうちに早期対策を検討しましょう。
次のキャリアにも影響する
転職には「年齢制限」があります。無駄に時間を費やすと制限に引っかかって次のキャリア設計にも悪影響。「今の職場ではむずかしいな」と感じたら早々に見切りをつけて動き出してください。
在職中に転職エージェントに相談する
退職後にスムーズに転職活動ができるよう事前に転職エージェントへ登録だけはしておきましょう。
新入社員の方が転職するなら「第二新卒(新卒入社で2~3年)」として見られるため、第二新卒に特化したキャリアスタートに登録しておくとご自身に合った転職先を探しやすいです。
【第二新卒に強い転職エージェント】
【補足】これを機にキャリアの見直しを検討する
- 自分だけのキャリア形成を再検討したい
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 転職以外の選択肢もあるのではないか?
など、より幅広い視点で今後のご自身のキャリアを検討したい場合はキャリアコーチングに相談してみるのがおすすめ。
キャリアコーチングは就職支援ではなくあなただけのキャリア形成をするにはどうすればいいか?をサポートしてくれる支援サービス。学校や親では教えてくれない、転職・就職だけでは無い別の選択肢(独立・フリーランスなど)も含めたあなた自身にとって最適なキャリア構築の仕方を一緒になって考えてくれます。
変化が急激な時代です。
価値観や働き方などが多用に広がる中で、
- 本当に自分がやりたいこと
- 本当に自分にあったキャリア形成
をいま一度再検討する事は非常に理にかなっています。
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 今の内に自分だけのキャリアを再検討したい
という方はキャリアコーチングに相談してご自身の今後のキャリア形成に活かしてください。
辞める際の注意点
バックレはしない方が良い
今の職場が気に入らないからと感情的にバックレを行うのだけは避けてください。
バックレによる退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは退職行為に対するリターンとリスクを加味した際にリスクが大きすぎて帳尻が合わない行為と言えます。そのため、法に基づかない即日退職行為だけは控えた方が良いです。
辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
基本的には就業規則に則って辞める
基本的には就業規則に則って退職の申し出をしてください。
辞める2ヶ月前に伝える、3ヶ月前に伝える、など会社特有の規定があるかと思いますので、基本的には就業規則に則って退職の申し出をしてください。また、なお、退職時は「退職願」ではなく『退職届』を会社側に渡してください。
退職願と退職届の違い
退職願は辞表の意思表明をあらわすもので、雇用者側の受理・承諾を求めます。雇用者との合意が必要となるのでこれを雇用者に受理・承諾してもらわなければ退職の効果は生じません。
退職届は労働契約の一方的な解約の意思、辞職の意思表示を表すもので、出してしまうと取り下げはできません。退職届の場合、雇用者に伝えたら雇用者の受理・承諾がなくとも、2週間の経過により、退職の効果が生じます。
退職願はそれ自身に法的な効力が生じないので退職願いが受理されないこと自体には違法性がありません。よって、退職を成立させたいときは「退職届」を会社側に提出してください。退職届であれば退職の意思を示したことになるので退職が成立します。
合意退職も相談する
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
仕事を教えてもらえない状況がやむを得ない理由に該当するか?は会社側の判断次第ではありますが、労働者側としては大きな問題であることには違いありません。そのため、会社に伝えて合意退職ができるか?を相談しましょう。
どうしてもの際は労働組合による退職代行に相談する
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- 退職を切り出すと会社と揉めそうで怖い
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
なぜなら、確実に退職が成立するからです。
お手持ちのスマホからLINE(電話、メールでも可)で相談可能。代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなります。
希望があれば即日から代行業者は動き出してくれますので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になることもできます。
他にも具体的な利用メリットとしては、
- 確実に退職できる
- 会社からの引き止め・引き延ばしにあうことが無い
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、もしあなたが
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- 退職を切り出すと会社と揉めそうで怖い
- でも、どうしても辞めたい
という時は労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしましょう。
退職理由は正直に伝えて良い
「仕事を教えてくれないし、こちらから相談しても対応していただけない。一向に状況が変わらないので退職させてください。」などと正直に伝えて構いません。
一身上の都合でも構わない
なお、原則として法的には退職理由を用意する必要はありません。
そのため、退職理由を用意せずとも退職はできますし、伝える場合は必ずしも本音の退職理由を伝える必要もありません。極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。
どうしても退職理由を伝える必要があるが本音は伝えにくい、という場合は「一身上の都合」で構いません。
備品を返却する
スマホ、PC、制服、社章など会社から借りている備品はかならず返却してください。返却しないとあとでアレコレ言われる可能性があるので綺麗に辞めにくくなります。
直接渡しにいくか、それが難しい時は備品をまとめて会社に郵送すれば問題ありません。
私物を回収する
私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。
どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう会社側に伝えてください。
退職後の書類を受け取る
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 離職票
- 扶養控除等(異動)申告書
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 給与振込先届
- 健康診断書
など、退職時に必要な書類を会社から郵送してもらうように伝えましょう。
退職後の失業手当の申請、次の会社に入社する際の手続きなどで必要になります。
基本的には退職後にご自宅に郵送されてきますが、しばらく待っても届かない場合は会社に確認の連絡を入れてください。
まとめ
中途で転職して仕事を教えてくれない職場は少なくありませんので、基本的には転職した側から相手の失礼にならないように気を付けながらこまめな相談を持ちかけて仕事を覚えていきましょう。
ただし、こちらから相談しても一向に態度の変化が生じない職場であれば話は別です。一向に仕事が進められない職場であれば身の振り方を再考することも忘れないようにしてください。
他にも、会社を辞めるかどうか?の見極め方としては、以下の記事もご参考になさってください。