新入社員が電話で退職を伝える際の言い方・切り出し方、及び伝える際の注意点について解説します。
新入社員が辞める際は電話での伝達でも可能
新入社員が辞める際の伝達方法は電話でも可能です。
【事実】入社2日目、入社3日目という短期間でも電話で退職する人はいる
入社3日目からパワハラにあい、もう我慢できないので、今朝、社長に電話📞して、退職の旨を伝えた😢
— hide(ハマのKoji)🎙 (@hidekun_desu) June 8, 2018
どこかいい環境の職場がないかな。
ハローワークに行ってもたいした職場がないしなぁ😢
入社一日で退職の電話をする人も
仕事を一日で辞める。鬱なのにフルタイムに応募をして採用されました。一日勤務して自分には出来ないと感じました。
引き継ぎの方が3日しかおらず、難しい内容。私の頭ではできないと限界を悟りました。電話で辞める
事を伝えたので、上司は怒っていました。「全く非常識。社会人としての自覚なし。断っておいてこちらの会社がどうなってもいいのか。」。もちろん鬱のこともいいました。悪いのは全部じぶんです。反省しています。でも体がいうことを聞きません。心が重く泣けました。この重責な仕事の器ではないことがわかりました。何度も謝りましたが「謝ってもすむことではない」。といわれ、ました。
後日会ってあやまります。明日、もう一度仕事を続けられるか確認電話があります。体が鉛のように思いです。うつを隠していた私がすべてわるいのです。続けた方がいいでしょうか?自分でもわかりません。
仕事を一日で辞める。鬱なのにフルタイムに応募をして採用されました。一… – Yahoo!知恵袋
良い悪いの話ではなく事実として、入社1日目、2日目、3日目という超短期間で退職し、且つその連絡を電話で済ます人はいます。
入社してすぐ辞める際に電話が成立する理由
新入社員であろうとそうで無かろうと法的には「労働者」として判断されますが、労働者の退職は退職方法に法的な義務・法的に指定された手順は存在しません。
つまり、直接会って伝えるという法的な義務は存在しないということです。そのため、電話・メール・直接伝えるなどいずれの場合でも成立します。
一般的なマナーとしては直接会って伝えるべきではありますが、「入社してすぐ辞める際の伝え方と入社してすぐ辞める方法を共に解説」の記事でも解説しているように、どうしても事情があるときは電話で退職を伝えることも選択肢として用意しておきましょう。
【注意】バックレだけは止めた方が良い理由
なお、バックレで辞めることだけは絶対に避けてください。
なぜなら民法第627条があるため、バックレによる退職は法的に認められていないからです。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条より、辞める際は解約の申し入れが必要になります。そのため、バックレによる退職を行うと解約の申し入れが無いために違法行為となり、労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える義務が生まれます。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは退職者にとってリスクが大きすぎる行為と言えます。そのため、法に基づかないバックレによる退職だけは控えた方が良いです。
辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
新入社員による退職の切り出し方
新入社員でもそうで無い社員でも辞める際のルール・マナーに違いはありません。
退職を伝える際は主に以下に対して注意して切り出してください。
- 相手の忙しくない時間帯に伝える(始業の15~30分前が目安)
- 申し訳ない気持ちを伝えつつ退職の旨を伝える
- 退職相談になると説得されるので、退職を決意した状態で伝える
- 会社にとげの無い範囲で理由が伝えられるなら併せて伝える
- 退職理由が無い・伝えにくい場合は一身上の都合で構わない
- 退職の意思を伝えた履歴を残す
仕事を辞める電話は朝の始業前がおすすめ
退職は業務外の行為とみなされるため就業時間内に伝えるのはマナー違反とされています。その為、就業時間外に伝えるようにしてください。なお、電話をかけるおすすめの時間帯は始業時間の15~30分前となります。
退職時の電話のかけ方について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
電話で退職を伝えるのは非常識という前提を持つ
大前提としてですが令和になった現在においても「退職は直接会って伝える」が一般的なマナーとされています。
法的には電話でも問題は無いものの法とマナーは別の話。
その為、電話で伝える際は「本来であれば直接会って伝えなければならないところ電話でのお伝えとなり申し訳ございません」という一言は必ず加えてください。
マナーが悪ければ心証を損ねることとなり退職がスムーズに進まなくなる可能性があります。そんなリスクを未然に防ぐためにも電話で伝えることへのお詫びの一言だけは必ず添えて伝えましょう。
退職の意思を伝えたという事実が重要
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
法的な観点からすると退職で大事なのは伝え方ではなく「退職の意思を伝えた」という事実です。
その為、事実を証拠として残すためにも電話であれメールであれ退職を伝えた後は念のため退職届を会社に郵送してください。なお、退職届を届けた証明をするためにも内容証明郵便で送ると更に確実です。
退職理由が直接の上司にある場合の言い方
上司の普段の対応や上司からのハラスメント被害などがご自身の退職の原因にある場合、張本人である上司に退職理由を正直に打ち明けるのは難しいものです。
その為、トラブルを避けるためにも原因である上司には
- 一身上の都合により退職させていただきます
- 自分のやりたい仕事が見つかりましたので○月○日に退職させていただきます
など、別の理由を用意して伝えましょう。
上司が苦手でどうしても自分から退職を切り出せない時は以下の記事もご参考になさってください。
【補足】新入社員であっても即日退職が成立する条件
中には入社早々に社風が合わない・社内の人間関係が合わない・ハラスメントやいじめの被害に遭っている、などの理由からすぐに退職したいというケースもあるかと思いますので、新入社員であっても即日退職が成立する条件についても併せてお伝えします。
原則、即日退職は難しい
民法第627条で定められているように原則として退職は最短でも2週間という期間が必要になります。ですが、一部の条件を満たすとより短い期間、それこそ即日退職が成立することもあります。
具体的には以下の条件であれば即日退職が成立するので、どうしてもの際は選択肢として用意しておきましょう。
1.双方の合意による即日退職
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
どうしても勤務を続けるのが難しい理由があり、その理由を会社側が認めてくれれば双方の合意による即時退職が成立します。
2.労働条件の相違
(労働条件の明示)
労働基準法第15条
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第十五条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる場合、その旨を会社に伝えて労働環境や業務内容を是正してもらいましょう。そして、聞き入れてもらえない場合は即日退職してしまいましょう。
3.ハラスメントの被害に遭っている場合
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
電話で退職を切り出すのが怖い時は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- 退職処理が一向に進まない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスを利用して辞めましょう。
確実に退職が成立します。
お手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)で申込み相談可能、希望すれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的なメリットとして、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 引き止めが発生しないので心理的な負担もない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、もしあなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- トラブル無くすぐにでも辞めたい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
職場環境や社風などは合う・合わない、があります。仮にどれだけ世間で優良企業と言われていたとしても合わないことで辞めたいと感じる人はいるものです。
新入社員として入社したは良いものの「入ってみたら思っていたものと違った」となれば無理に我慢して居続ける必要はありませんので、どうしてもの場合は退職も選択肢として用意しておきましょう。
なお、入社早々でどうしても退職を切り出しにくい、という時は退職代行を使いましょう。
自分で伝えられないからと我慢し続けても心と体が疲弊するだけであり、遠くない将来にご自身の体調を崩してしまうだけです。そうならないためにも退職代行という選択肢はご自身の身を守る手段になります。
おすすめは労働組合が運営する退職代行であるトリケシです。あなたに変わって全ての退職処理をお願い出来ますし、確実に即日退職もできます。
嫌な職場で我慢し続ける必要はありません。
どうしても自分では退職を切り出せない、という時は労働組合が無料で相談を受け付けていますので、まずは無料相談をしてみてください。