一般的にパートを辞めたいと思う理由、辞めたいと思ったときに確実に退職する方法を解説しています。
パートを辞めたいと思う理由
【家族事情の場合】
- 夫の仕事が変わり、生活環境も変わったのでパートの時間に参加できない
- 子供が習い事をはじめて迎えにくことになったのでパートの時間が合わない
- パートが影響して家事や育児がおろそかになり、子供や家族に我慢をさせてしまっている
- 親の介護、もしくは夫や子供が入院して介護する必要がある
【個人的な理由の場合】
- 職場の人間関係が良くない
- 仕事内容や社風が合わなかった・向いていない
- 子供が産まれるので実家に帰ることになった
- 体調不良(持病が悪化した、など)で仕事を続けるのが難しくなった
- 仕事を任されて何もできずにミスを連発、自信がなくなった
【就業条件の場合】
- 勤務時間が事前の条件と違う・残業が多い
- 業務内容が事前の条件と違う
パートと個人の生活の両立が難しくなる、もしくは職場環境や人間関係などが退職理由として挙げられやすいです。
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
e-gov法令検索(労働基準法)
「面接の時と話が違う!パートだって仕事内容が違うならやるべき対応は同じ」の記事でも書きましたが、就業条件の相違があればパート・正社員問わず即時の契約の解除、つまり辞めることが出来ます。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第六百二十八条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。
病気・体調不良や家族の介護が必要など、やむを得ない事情がある場合でも退職が成立します。(早ければ即日退職も可能となります。)
パートを辞めるタイミング・判断基準
ご家族の問題だけでなくご自身の問題であってもやむを得ない理由があるならムリをせず辞めた方が良いです。
- 就業条件が違し、相談しても改正されない
- 明らかなハラスメントを受けている
- ストレスの影響が体に出ている(頭痛、吐き気、不眠、など)
以上に該当する場合は早々に辞めましょう。仮に我慢して続けても辞めるのは時間の問題です。
また、入って早々少なからず違和感を感じている方は試用期間中に継続の可否を判断してください。
勤務先にもよりますが一般的には試用期間は1~3ヶ月、試用期間中に違和感が消えなかったら試用期間終了と共に辞めてしまいましょう。
ストレスが原因で辞めざるを得ない状況になったときは以下の記事もご参考になさってください。
円滑に辞めるために
辞める際は相手とトラブルにならないよう職場への不満・不遇などには言及せず、「個人的などうしようもない理由」を用意してから伝えると良いです。
- 心身に問題が出ているなら診断書の用意
- ご家族の問題であれば「親の介護」「子供の通院」などの家庭の事情
などを考慮して伝えましょう。
なお、退職時には「辞めようか悩んでいるんです」といった迷いがあると説得されるか円滑に辞めにくくなるかのどちらかなので、辞めると決めた時は『辞めることは決定済み』という明確な意思を持って伝えてください。
パートを退職する時の切り出し方や伝え方
パートを退職する時は職場の直属の上司に辞める意思と希望日を伝えます。
言い出し方は「少しお時間いただきたいのですが」と伝えてください。多くの方は察して時間を作ってくれますので退職の旨を伝えましょう。
なお、退職理由を尋ねられますので予め理由を用意しておきましょう。
1.直属の上司に1番に伝える
厳密には上司よりも仲の良い同僚に先に退職の旨を伝えてしまうこともあるかと思います。
ですが、マナーとしてはもちろんのこと、仮に何かの拍子で自分から切り出す前に上司に伝わると事前に対策を立てられる可能性もあり辞めにくくなります。よって、伝えるのは上司を1番にしてください。
パートを辞める1、2ヶ月前には上司に連絡を
引継ぎの兼ね合いもあるので辞める予定日の1、2カ月前にパート先の上司に連絡をしましょう。
法的なルールとしては退職の2週間前に辞める旨を申し出れば問題ありません。ですが、より円滑に考えるなら相手の引継ぎなども加味した上で1、2ヶ月前から退職連絡を入れておくのが無難です。
なお、パートの勤務先に事前退職に関する独自の就業規則が決まっているのであれば、社内規則を優先して退職のスケジュールを検討したほうがトラブルを避けやすくなります。
2.辞める際の切り出し方で注意すべき点
基本的には職場の愚痴を言わず、どうしても続けるのが難しい旨を伝えてください。
家庭の事情、体の問題、など退職を認めてもらいやすい退職理由を用意すると良いでしょう。
また、退職を切り出す際は申し訳ない気持ちを前提に伝えた方がトゲがなくて良いです。
- ▼挨拶
- ▼結論(退職の旨を伝える)&理由
- ▼再度挨拶
以上が退職を伝える際の流れとなります。
「辞めようか悩んでまして~」といった中途半端な伝え方だと説得されるので辞めにくくなりますので、退職を伝える時はハッキリと「辞めます」と伝えてください。
3.ドタキャン、バックレは控える
マナーとしてドタキャンやバックレは避け、最低でも退職日の2週間前、余裕があれば1、2ヶ月前に職場の上司に対して退職の意思を伝えてください。
特にドタキャンやバックレは法的には認められない辞め方となります。正社員と比べて緩くみられやすいですが、パートとはいえ労働者というくくりになるので突然の退職は万が一の際にトラブルの原因となります。
法的な問題はもちろん、ご自身の身を守るためにもドタキャン、バックレは控えてください。
ドタキャンやバックレによるトラブルを避けてすぐにでも辞める方法について詳しくは以下の記事もご参考になさってください
パートの辞め方と辞める時の注意点
退職の旨はパート仲間ではなく、店長や直属の上司など同じ職場で働く一番偉い人に直接伝えます。
また、勤務先はご自身が居なくなる分は新たに人を補充する必要があります。人員補充の事情を踏まえて1ヶ月以上前など、余裕をもって退職の旨を伝えると相手側にも迷惑がかからずに済みます。
1.法に則って辞める
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
正社員・パート問わず退職は労働者の権利であり、最短で退職の2週間前から辞める旨を申告しておけば退職が成立すると民法第627条で定められています。
また、会社側には労働者の退職を拒否する権限はありませんので、パートを辞めたいとなれば原則として最短2週間で辞めることが可能です。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが、就業規則よりも法律が優先されます。
パートの退職は口頭で問題無い
パートやアルバイトを辞める際は、口頭で退職したい旨を伝えれば法律的にも問題はありません。
法的には解約の申し入れをして辞める意思を伝えることが出来れば口頭、メール、電話、退職届など、いずれの対応でも問題はありません。
パートを辞めたいと言えないときは法に則って退職処理をする
- 辞めたいと言えない
- 退職希望を伝えてもシラを切られる
- どうしても辞めさせてくれない
などの場合、退職の意思を証拠として残して法に基づいて辞めてしまいましょう。
直接上司や責任者に会って口頭で退職を伝えることがマナーではありますが、それが難しい時はメールで伝える(送信履歴が退職の意思を伝えた証拠になる)、退職届を内容証明郵便で届ける、等で対応しましょう。
2.どうしても時は退職代行に相談する
パート先の職場がブラックな環境で
- とてもじゃないけど辞めたいだなんて言えない!
- でも辞めたいしどうしよう、、、
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスを利用して辞めてしまいましょう。
直ぐに職場に行かなくて良い状態になれる
退職代行はお手持ちのスマホからLINEで申込み相談が可能。また、希望すれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するのでトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
などがあります。
そのため、もしあなたが
- 辞めさせてくれなくて困っている
- 辞めたいけど言い出しにくい
- でも、自分では辞められない
等の場合は迷わず労働組合が運営する退職代行サービスを利用することをおすすめします。
【補足】退職代行を利用した際のパートの辞め方と流れ
- STEP1無料相談LINE、電話、メールでスマホからその場で連絡して相談。
- STEP2予約退職代行を実行する実施日を予約します。また、勤務先の会社名(店舗名)や電話番号なども伝えます。
- STEP3入金退職代行サービスに依頼料を入金します。
- STEP4実施日に代行を実行し、退職が完了事務的に淡々と終わります。
以上の流れで淡々と退職まで実行されます。
より詳しく退職代行のやり方・仕組みを理解されたいときは以下もご参考になさってください。
【補足】パートの仕事を辞めさせてくれないのは違法
中には「パートなのに退職代行だなんて、、、」などと考えてしまう方もいるかもしれませんが甘く見てはいけません。
パートも正社員も関係なく、
- ご自身の心身に明らかな悪影響がある
- 我慢し続けると体も心も壊れてしまう
という職場に居て良いわけがありません。
パートや正社員問わず、法の下ですべてが「労働者」というくくりで考えられます。
ブラックパートを辞めたい時は我慢する必要は無い
また、上述したように民法第627条により退職は労働者の権利として定められており、会社(職場・パート先)は退職の権利を拒否できる強制力は持ちません。
仮に会社に何を言われてもそこには強制力は無く「パートを辞めさせてもらえない」ということはありません。
緊急時にはパートだから・正社員だからなどと考えることなく『ご自身の無事』を第一に考えてください。
パートのやめ時と思ったら無理せず退職しよう
退職は労働者の権利ですので「パートが辞められない」ということは日本の法律上、認められていません。
また、良くも悪くもパートです。
正社員ほどの責任を強制されるいわれもありませんから「自分はいつだって辞めれるんだ!」ぐらいの気持ちを持っておきましょう。
もちろん実際はハードな環境かもしれませんが、心持ちとしてはそれぐらいの気持ちの方がストレスも軽減できます。
その上で、ご自身で対処できそうなら正規の手続きで退職を。難しそうなら労働組合による退職代行サービスという専門家に任せて即座にブラックパート環境から離れてしまいましょう。
以下、パート、正社員問わず「退職」における共通の悩みに関する記事です。
ご自身が該当するようならご参考になさってください。