入社2ヶ月で辞めたいと悩むのは甘えでは無い理由、新卒・中途問わず新入社員が入社早々に思いつめてしまうことへの注意と対策について解説します。
入社2ヶ月で辞めたいと思う人は多い
入社2ヶ月では短いと感じる方もいるかもしれませんが、職場に合うか?合わないか?の問題を判断する話に期間の長い・短いは関係ありません。
入社2ヶ月でうつ病や適応障害になる人もいる
適応障害とはストレスが原因で引き起こされる感情や行動の症状によって、仕事や学業、家事育児を行うなどその人の社会的機能が大きく阻害されたり、困難になっている状態である。
Docters File 適応障害
2ヶ月という一見すると短期間であっても、過度なストレスが蓄積することでうつ病や適応障害など、具体的な心身のトラブルに発展する方もいます。
良い・悪いという話ではなく、現実・事実として入社2ヶ月でうつ病になる人もいるということです。
繰り返しになりますが入社してすぐだから~、という期間の大小という考え方で判断してはいけません。うつ病が起こらないよう、ご自身にとって合うか合わないか?で判断しましょう。
新入社員がうつ病で退職することは多い【中途採用向け】
入社2ヶ月の段階はいわゆる「新入社員」という扱いになります。
新入社員は新卒と中途それぞれに分かれますが、ここでは中途採用目線でのお話となります。
転職1ヶ月でうつ病になる人の事例
転職して1ヶ月になりますが、うつ病になってしまいました。
転職して1ヶ月になりますが、うつ病になってしまいました。 – やっぱり会社に… – Yahoo!知恵袋
やっぱり会社に申し出て、休職または辞めるべきでしょうか。
新入社員が2ヶ月で退職した事例
入社3ヶ月でのうつ病や適応障害の事例
入社3ヶ月は辞めたいなら辞めて良いタイミングの1つ
入社から1~3ヶ月目という期間でも会社を理解するには十分な時間。社風や人間関係、実際の業務内容など現実を理解できるようになってきます。
その間に「本当に辞めたい理由」がでてきたのであれば退職を検討し出した方が良いです。
我慢して居続けても辞めるのは時間の問題ですので、早期に退職して次に切り替えた方がご自身・会社の双方にとって良いと言えます。
新入社員が適応障害で退職する事例
適応障害で休職中である入社半年の新入社員です。退職について質問させてください。
9月後半に適応障害と診断され、「2ヶ月間の療養が必要」という診断書の元、現在2ヶ月間の休職届けを提出しており、延長する場合は会社と要相談…という状態でいます。
適応障害で休職中である入社半年の新入社員です。退職について質問さ… – 教えて!しごとの先生 | Yahoo!しごとカタログ
うつ病で退職後の生活が不安です。
うつ病で退職後の生活が不安です。 – 現在、うつ病(双極性障害?)… – Yahoo!知恵袋
現在、うつ病(双極性障害?)にて休職6ヶ月目の進学塾の新入社員です。
社会人経験がある中途の方であっても新しい勤務先でうつ病や適応障害になる人はいます。
うつ病や適応障害の主な原因はストレス。転職後に新しい環境になじむことは新卒中途問わずストレスを感じるので誰にでもうつ病や適応障害になってしまうリスクがあるのです。
仕事については、仕事の内容と人間関係に原因があることが多く、上司などを中心とした職場の人間関係、異動による仕事内容や環境の変化、 仕事量の多さや責任の重さなど。
ストレス性障害(適応障害)|東京都港区新橋 心療内科 精神科 新橋スリープ・メンタルクリニック 睡眠障害 睡眠東京
特に「仕事」という世界では仕事内容、職場の人間関係、直属の上司との相性など、ストレスを感じる機会が多く、且つ入ったばかりの人間は他に相談する吐き出し口も少ないためにストレスが蓄積して適応障害になりやすい環境にあります。
ある程度の期間勤めてきた人は休職や配置異動などで対処できることもありますが、入社して早々の方は我慢できず退職してしまうのも決して不自然なことではありません。
新入社員で辞めたいと思うのが甘えかどうか?の判断基準
- うつ病を甘えと判断するような理解の無い環境(精神論・根性論)
- 具体的に身体に問題が起きてしまっている
- 事前に聞いていた就業条件と異なる
- 会社が違法行為を行っている
こうした職場環境であれば甘えの問題とは別の話しになりますので辞めるべきです。
特にうつ病や適応障害はプライベートにまで影響がでるにもかかわらず、会社側は個人のプライベートを保証してくれるわけではありません。
仕事よりもご自身の人生が最優先ですので精神的なトラブルに対して関心を持たない職場であれば早々に辞めるべきです。
仕事辞めたいと新卒がうつになることは特に多い【新卒採用向け】
新入社員は新卒と中途それぞれに分かれますが、ここでは新卒採用社員目線でのお話となります。
新卒が適応障害で退職してしまう理由はストレス
新卒が適応障害になるのは決して珍しいことではありません。
小学校からはじまり中学・高校・大学と、それまでの学生生活は
- 横のつながり
- 友人・先生に助けてもらえる/教えてもらえる
- 答えがある前提の環境で成果を出す(テスト勉強など)
などを前提に生活してきました。大学まで含めると時間にして15年もの間共通してきた価値観です。
ですが、社会人は違います。
- 縦の繋がり
- 社員は友人ではない
- 助けてくれる人がいるとは限らない
- 答えがないときは答えを自分で作る
など、それまでとは全く異なる価値観に突然投げ込まれます。
当然ながらストレスが発生します。そしてストレスが長期間に渡って続くと気が滅入り始め、酷くなると適応障害にまで発展します。
ストレスを抱えていても周囲に助けてくれる環境が無ければ心のよりどころが無く余裕が無くなるので退職してしまいます。
新入社員である新卒がうつ病になることは甘えとは別の問題
そもそも鬱は病気ですので甘え云々とは別の話。
新卒が鬱になるのは上述したストレスが大きく影響します。
そのため、新卒がうつ病になるのは決して新卒側の甘えという一言で済ませる問題ではなく、新卒に対していきなり強いストレスを押し付けるような職場環境を用意してしまった会社側の責任が大きいと言えます。
新卒1ヶ月で適応障害になる事例
今年の春に高校を卒業し、今は新入社員として小さいIT企業で働いています。
今年の春に高校を卒業し、今は新入社員として小さいIT企業で働いていま… – Yahoo!知恵袋
入社してまだ1週間ぐらいしか経っていませんが、いろいろ辛すぎて、うつ病のような症状があり、退職したいです。
新卒3ヶ月でうつで退職する事例
うつ病でした。
うつ病でした。3年前に新卒で入社した会社をうつ病で3ヶ月で退職しま… – Yahoo!知恵袋
3年前に新卒で入社した会社をうつ病で3ヶ月で退職しました。
その後、一年近く療養をし、現在の会社に契約社員で入社しました。
現在、3年目で転職を考えています。
新卒3ヶ月で退職したその後はどうなるか?
新卒3ヶ月という短期間での退職の後ですが、事実としては良くも悪くも以下だけです。
- 転職は可能
- 失業保険は受け取れない
労働政策研究・研修機構(JILPT)の「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 ③ー平成29年版『就業構造基本調査』よりー(p72)」の2017年調査によると、新卒3ヶ月に該当する年代である15-19歳、20-24歳、25-29歳、それぞれの年代における退職後に再度正社員に復活した方の割合は以下となります。
- 15-19歳:37.3%
- 20-24歳:38.4%
- 25-29歳:40.1%
中には離職後に専業主婦など「離職をしない」と決断した人たちもいますので、その割合まで考えると全体総合値としてはより高い数字が見込まれます。
社会人経験が少ないと退職に対して過度にネガティブになりやすくなりますが、事実としては転職が大多数と言えます。
それ以外は専業主婦やバイト、独立、などが選択肢となりますが、現実問題としては次の会社に転職するが主となります。
新卒で仕事を辞めたいと思うのが甘えかどうか?の判断基準
新卒はこれまでと異なる生活環境に入りストレスを受けやすい状態になっているので、それが影響して仕事を辞めたいと感じることは至って自然なことです。
こればかりは現場に慣れるまで頑張ってもらうしか解決のしようがありませんが、一方でもし
- 会社が明らかに違法行為をしている
- 事前に知らされていた仕事内容と異なる
等があるようでしたら話は別です。
仕事を辞めたいと思うのは当然ですし、即日退職すら成立する話なので我慢せず退職を検討しても良いでしょう。
すぐに会社を辞める手順について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
入社早々の退職に対する本質的な問題点
- 仕事内容が自分のイメージと異なる
- 仕事が家庭に悪影響になっている
- 職場の人間関係
など、仕事に対して理想とのミスマッチが起こると気持ちが早期退職に繋がります。
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、前職を辞めた理由として
- 職場の人間関係が好ましくなかった
- 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
- 仕事の内容に興味をもてなかった
等が男女問わずに一定の割合を占めています。
以上のことから仕事に対する理想と現実のギャップが退職に影響を与えていることがわかります。
仕事を辞めたい=甘えではない
仕事を辞めたいと思うことはただの判断の1つでしかありません。
退職は民法第627条で定められた労働者の権利でしかなく、且つ辞めたいかどうか?の判断は個々人の価値観でしかないので仕事を辞めたい=甘えということにはなりません。
実際に入社してみないとわからないことは多々ありますので、入社して実際の現場を理解し、それが自分のイメージと大きく異なっているときは人は早々に退職を検討することになります。
【補足】仕事と現実のギャップから新卒はうつになりやすい
「仕事辞めたいと新卒がうつになることは特に多い」でも解説しているように、特に新卒のような社会人経験が少ない方は仕事内容が事前の想定と異なったときに強いストレスを感じて辞めたいと思うことは多く、酷い時は鬱や適応障害になることもあります。
上述した厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」のデータも踏まえて考えるなら、自分が納得できる仕事内容かどうか?は就労において大きな影響力があると言えます。
どうしても辞めたいときの辞め方は2つ
1.法に則って辞める
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
退職は法で定められた労働者の権利であり辞めること自体は問題ありません。最短で退職の2週間前から辞める旨を申告しておけば退職が成立します。
また、会社側には労働者の退職を拒否する権限はありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので、退職の意思を伝えれば必ず退職が成立します。
どうしても今の職場に耐え切れない時は法に則って退職届を提出して辞めてしまいましょう。
2.退職代行に相談する
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- 上司に委縮して話をするのが怖い
- でも、どうしても辞めたい
という場合は労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホからLINEで申込み相談が可能、希望があれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間から職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的な利用メリットとして、
- 確実に退職が成立する
- 自分から退職を切り出さなくて良いので心理的に楽
- 相談即日に動き出してくれれば実質即日から会社に行く必要が無くなる
などがあり、あなたが代行サービスに支払う代金以上の利用メリットがあります。
そのため、もしあなたが
- どうしても辞めたい
- でも、自分から辞めるのは難しい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスの活用をおすすめします。
退職に悩むなら真剣に検討すべき
会社は人間関係で成り立っているため、良くも悪くも職場環境の合う・合わないの問題は発生します。
そのため、「合わない職場環境」に入ってしまったら精神的に苦しいだけですから入社2ヶ月と言わず一ヶ月やそれ未満でも辞めたいと感じるのは不思議ではありません。
会社は働く人の心は守ってくれません。
ご自身にとって継続的に勤務するのが困難な状況であるなら休職・配置転換・退職・転職など、今の職場から物理的に離れる手段を検討すべきです。
一番大事なことはご自身の心身の安全ですので、無事に仕事が出来ないようなら会社や世間体よりもご自身のことを第一に考えて判断してくださいね。
ハラスメントによる精神的な苦痛を感じて退職を検討している方は以下の記事も併せてご参考になさってください。