転職初日の仕事で疲れた時の考え方・注意点について解説します。
転職初日で仕事に疲れたと感じるのは自然なこと
不慣れな職場環境は疲れる
慣れない職場環境だと周囲の環境や人間関係に慣れるまでは心労がかかるのは自然なことですが、疲れの主な原因は不慣れな仕事と人間関係にあります。
基本的には時間ともに改善されていきますが、少しでも早くに職場に慣れたい時は挨拶がてら職場の人たちに対して積極的なコミュニケーションをとっていきましょう。
まったく知らない環境から少しでも知り合いがいる環境に変えるだけでも心労が減ります。
徐々に仕事に慣れていく
例え仕事に必要なスキルを既に持っていたとしても会社によって仕事の段取り・進め方は異なります。
そのため、入ってすぐの段階では自分の力が発揮できずにストレスや疲れを感じることも多いものです。
転職したら新しい職場に慣れるまでは辛いもの
周囲としても入社早々に活躍して欲しいというより、徐々に慣れて徐々に本領を発揮してくれ、自分たちの仕事の助けになって欲しいと考えます。そのため、まずは目の前の仕事に一生懸命に取り組み仕事に慣れていきましょう。
時間と共に職場で活躍できる仕事のスキル・経験が高まりますので、それに応じて徐々に仕事に慣れていきます。
入社すぐの苦しさや不安をどう判断するか?について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
【事実】仕事の初日で疲れたと感じる人は多い
初出勤で疲れたと感じる
転職初日が終わったことに安堵する人も
派遣初日で疲れたと感じる人も
転職後すぐはしんどいと感じるもの
「転職初日で仕事に疲れたと感じるのは自然なこと」でお伝えしたように、誰しも初めての職場では疲れを感じるものです。
そのため、初日は早く仕事を切り上げて休む・転職初期の期間では周囲とのコミュニケーションを図り関係を作る・徐々に仕事に慣れる、などを意識して職場に馴染んでいきましょう。
転職初日の疲れで注意したいこと
ハラスメントや労働条件の相違があれば話は別
初日からハラスメントや労働条件の相違があった場合は話が別。疲れを感じる上に違法行為にも該当するので早々に今後について考えた方が良いです。
ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反、労働条件の相違は労働基準法第15条違反となるので、いずれの場合であっても違法行為となります。
【大事】労働環境が与える影響
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という理由が一定の割合を示しています。
人間関係や労働環境が合わなければ辞めたくなるほどの強いストレスがかかるということです。
自分の身の安全を第一に考えた方が良い
どうしても合わない・納得できない職場に我慢して居続けることだけは避けてください。
職場での我慢が慢性的に続くと強いストレスが影響してうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあり、うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。
病気の回復には時間がかかり、勤務が出来なくなるだけでなくその後の就職活動や社会復帰にも影響します。ですが、ご自身のプライベートを会社が守ってくれることはありません。
そのため、ハラスメントや労働条件の相違があり不信感やストレスがある職場であれば我慢して留まることなく退職を最優先に検討した方が良いです。
うつになる前に退職したことが良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
入社すぐでどうしても辞めたくなった際の手段
1.就業規則に則って辞める
辞める2ヶ月前に伝える・3ヶ月前に伝える、など会社特有の就業規則があるかと思いますので原則は就業規則に従って退職手続きを進めましょう。
入社すぐでも退職の申し入れ自体は可能です。退職を申し入れたら退職が成立するまで残り期間を過ごす、もしくは欠勤扱いにしてもらい早々に職場に行かなくても良い状況を作ります。
なお、口頭で退職を申し入れると後で言った・言わない問題が起こる可能性があるため必ず退職届を用意してください。
退職届は辞めた意思表示の証拠になるとともに、退職後の離職票発行でも必要になります。
2.民法第627条を元に14日で辞める
就業規則よりも早期に辞めたい時は民法第627条を元に14日で辞めましょう。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば(=退職届を提出する)必ず退職が成立します。
そのため、就業規則よりも早期に辞めたい時は民法第627条に従って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示し14日で辞めてしまいましょう。
3.民法第628条を元に即日退職
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合(怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合)は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
「事情があってこれ以上は勤務の継続が難しい」とご自身で判断した場合、その旨を会社側に伝えてください。
会社が事情を理解し、退職を承認してくれれば双方の合意により即日退職が成立し、すぐに仕事から離れることが可能になります。
4.ハラスメント被害には出社拒否からの退職処理を
ハラスメントに対しては根本的な解決が難しいため、入社早々にハラスメント被害に遭ってしまったら早々に辞めた方が良いです。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えて出社を拒否し、そのままご自身の退職処理を進めましょう。
ハラスメント被害による退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
5.労働条件の相違なら即日退職
予定していた業務内容と実際の業務内容に相違があることで発生している場合、労働基準法第15条を検討する必要があります。
(労働条件の明示)
労働基準法第15条
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第15条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる場合、その旨を会社に伝えて労働環境や業務内容を是正してもらいましょう。そして、聞き入れてもらえない場合は即日退職してしまいましょう。
労働条件の相違と退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
6.辞めにくい職場なら退職代行で即日退職
- 入社したばかりで退職を切り出すのは難しい
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
転職初日で疲れたと感じるのは自然なことなので過度に悩む必要はありません。
いきなり全力で頑張ろうとしてもから回るだけですから徐々に職場環境に慣れていきましょう。
目の前の仕事に一生懸命に取り組み続けるだけでも周囲の目は代わり、仲間として認められてくるようになります。
慌てることなく時間をかけて転職先に慣れていってくださいね。