退職の際に嫌いな相手には挨拶しないでも大丈夫な理由、またどうしても退職の挨拶を避けられない状況にいる際の対策について解説します。
退職の際、嫌いな人には挨拶はしないでOK!
退職の挨拶は義務じゃない
退職の挨拶は社会人の常識と言われることもありますが、法で定められているわけでもなく義務でもありません。そのため、嫌いな相手なら挨拶をしなくても大丈夫です。
そもそも退職の挨拶はお世話になった方への挨拶ですから、嫌がらせをしてくるような人はお世話になった人には該当しません。
マナーの良し悪しは別ですが、僕も以前の会社を辞める際に嫌いな人と喧嘩して挨拶せずに辞めたことはあります。汗
あなたの雇用主は会社
あなたを雇用したのはあくまで会社です。嫌いな人があなたを雇用したわけではありません。
そのため、雇用主でも無い相手に退職の挨拶をする義務はありません。
反感を喰らう可能性を避けよう
あなたが嫌いな人はあなたに嫌がらせをしてきた人となります。嫌がらせをしてきた相手に挨拶をすると、挨拶時に万が一にも反感を喰らい余計なトラブルになる可能性が0とは言えません。
他の人に挨拶を頼む
嫌いない人に直接は挨拶をせず、部長や社長など上司の方に挨拶をする際「皆様にもよろしくお伝えください」と伝えておきましょう。
実際に伝えられるかどうか?は別として、最低限の責務は果たしたと言えます。
【注意】バックレだけは避ける
挨拶はしなくても問題になりませんが、嫌な相手がいるからと勤務先をバックレてしまうのは別。
一部の条件を除き原則として即日退職は認められていません。そのため、バックレによる即日退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
あなたの相手は会社では無くあくまで嫌がらせをした相手です。バックレしてしまうとそれまで味方であった会社そのものがあなたの相手になってしまいます。
そうは、法に基づかない即日退職行為だけは控えた方が良いです。辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
嫌いな人が退職する場合の対応方法
逆に嫌いな人が職場から離れる際の注意点も併せて解説します。
嫌いな人へ退職の選別・プレゼントはしないでも問題はない
退職時のプレゼントはあくまで任意ですので嫌な相手であれば退職時に個別の選別やプレゼントを渡す義務はありません。
「職場皆で少額で金額を集めて、」という場合は事情を伝えて避けるか、それが難しい場合は一応少額だけ用意して上げた方が良いでしょう。「みんなお金を集めたのにあの人だけ対応してくれなかった。」と思われてしまうとその後の職場の人間関係に影響してしまいます。
嫌いな人へ退職のメッセージも必要ない
同様に退職者へのメッセージにも義務はありませんので嫌いな人には残さないでも構いません。
寄せ書き形式で職場の皆が書いてメッセージを手渡す場合はプレゼントと同様に避けるとその後の人間関係に響く可能性があります。そのため、心情的には嫌かと思いますが「お疲れ様でした」とだけ書いてやり過ごしましょう。
どうしても退職の挨拶をする必要がある場合
一身上の都合とだけ言い続ける
どうしても挨拶をしなければならない場合、余計なことを言う必要はありません。
「一身上の都合により退職します」という一言だけ機械的に相手に伝えてください。それ以外は何もいう必要はありません。
仮に相手が一身上の都合の理由を聞いてきたとしても「あくまで個人的な理由、一身上の都合です。」とだけ言い続けましょう。
書面でのみ対応する
例えば、「上司が嫌い!でも、退職を伝える相手が上司であり挨拶が避けて通れない」という時は書面でのやりとりに終始してください。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
退職の自由は法で定められた労働者の権利であり最短で退職の2週間前から辞める旨を申告しておけば退職が成立します。辞める意思を伝える方法は口頭で伝える以外にも退職届でも構いません。
他にも「退職の旨を記載したメールを送る」という手段も退職の意思を伝えたことに該当しますので、メールでのやりとりに終始することも可能です。
内容証明郵便を利用する
直接退職届を手渡したり、メールするのすら嫌!という場合は内容証明郵便で退職届を郵送しましょう。内容証明郵便なら相手に渡したことが証拠として残るので退職の意思を伝えた証拠にもなりますし、相手に会う必要もありません。
どうしてもの場合は退職代行に相談する
- どうしても退職の挨拶を切り出せない
- でも、辞めたい
という時は最終手段として労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に相手に会わないままでの退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職の挨拶は絶対にしたく無い
- 嫌な相手には会いたくない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
退職の挨拶は義務ではありません。そのため、どうしてもの場合は挨拶せずに辞めてしまいましょう。
嫌いな相手は避け、本当にお世話になった人にだけ挨拶して辞めてしまえば十分に責務は果たしていますので。
もしどうしても退職の挨拶を避けることが出来ない場合はお伝えしたように機械的に対応するか、それが難しい場合は労働者側が運営する退職代行に相談して相手に会わずに止める方法を検討してみてください。