パワハラを受けたにもかかわらず会社がパワハラを認めない時に労働者側ができる対策、および注意点について解説します。
会社がパワハラを認めない時の対処法
不利益な要求による退職を認めないので、パワハラで再度異議申し立てをしたけれど、前件を認めないのにパワハラを認める訳がない??
— 3nyankos (@l5iMnW6M13OBN02) June 30, 2022
会社側が認め撤回しなければ、労働者が諦めなければいけないという決まり、ほんとに意味が分からない。
国は労働者を守る気がないのか!
怒りが収まらない??????
パワハラを認めない社風の会社は少なくありません。
2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化され、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反に該当した行為になりました。
ハラスメント=違法行為と認定されているにもかかわらず会社がパワハラを認めず放置、もしくは積極的に介入しないことがあります。
- そもそもハラスメントという概念が欠如している
- 仮にハラスメントで訴えられても気にしない
- 加害者が会社では上層の立場の人間なので指摘する人がいない
など理由は様々ですが、社風や文化・価値観の観点から積極的にはハラスメントを認めない現場が少なくないのが実情です。
1.パワハラを訴える証拠を集める
パワハラ被害に対して泣き寝入りせず訴えたい場合、証拠を集めてください。
身体的な攻撃
殴る・蹴る・ものを投げつけられる・髪を引っ張られる、等の事実があるか?
精神的な攻撃
悪口・人前で名誉棄損に当たる侮蔑発言を受ける・不必要な噂を流される、等の事実があるか?
業務への影響
一人だけ他の人と違う業務をさせられる・通常業務に参加させてもらえない・職種に合わない仕事を指示される、等の事実があるか?
プライバシーへの影響
プライベートを必要以上に散策される・私物を物色される、等の事実があるか?
【補足】ボイスレコーダーの利用は効果的
ハラスメント被害に対する身の守り方としてボイスレコーダーの利用も効果的です。
ジャケットの内ポケットに忍ばせておき、相手のハラスメント発言を残しておけば大きな証拠となります。
パワハラに対するボイスレコーダーの扱いについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
以上の観点からパワハラに該当する事象があれば証拠や被害を受けた日時のメモを残しておきましょう。
2.労働局に相談
パワハラやセクハラなど労働問題を解決するために厚生労働省は労働局の「総合労働相談コーナー」という相談窓口を用意しています。
利用料金もかからず専門の相談員が面談や電話で対応してくれます。相談を元に労働局がパワハラの実態調査をしたうえで、会社に働きかけてくれます。また、働きかけても会社側が問題を対応してくれない場合は必要な専門機関を紹介してくれます。
社内の労働問題の窓口はどうか?
社内にも労働問題の窓口が用意されていることもありますが、パワハラ相談をもみ消してしまう窓口があることもまた事実。本当の意味で信頼が置けるか?というと疑問が残るので、社外の窓口に相談した方が好ましいです。
3.弁護士に相談
労働局に相談しても会社が対応しない時は弁護士に相談して訴訟へと移行します。
まずは無料相談などを活用して信頼して相談できる弁護士を見つけていただき、相談先が決まったら用意した証拠やこれまでの被害履歴を提出してください。
弁護士と相談して最終的な着地(あなたの希望)を決めていただき、以後は見積もりを確認の上で問題無ければ弁護士にその後の対応を一任しましょう。
4.異動か退職を検討する
- 不当な対応に腹が立つが弁護士に依頼するお金がない
もしくは
- 弁護士に相談するほどではない
という場合は異動か退職によりる職場から離れましょう。
問題に対する対策は加害者本人から物理的な距離を置くほかありません。
本人が辞める・異動するともなれば別ですがそのようなケースは稀です。そのため、ご自身の身を守るためにも社内で部署異動をするか、退職するかで物理的な距離を置いてください。
パワハラで訴えた人が負ける原因
パワハラの加害者は上司や社長など変えが効きにくい上層の地位についていることが多く、一方で被害者側は弱い立場になることが多いもの。
立場が弱い人は言い方は悪いですが変えが効く地位であることが多いです。
そのため、被害者を避難させるというもっともらしい理由で被害者側を異動させて問題を収め、加害者側はそのままの立場に居続けるということがあります。
そのため、パワハラを訴えた側(弱い立場側)の方が結果として損な役回りになってしまうことがあります。
パワハラの戦い方は個人にとって分が悪いことが多い
「会社がパワハラを認めない時の対処法」でもお伝えしたように証拠を集めて会社側に訴えるか、弁護士などの専門家を間に介して会社を相手にする他ありません。
なお、会社の規模感にもよりますが一定の規模感を持つ会社であれば「顧問弁護士」という存在がおり、且つ一定の予算を投下できる立ち位置にあります。そのため、何かあったときに会社対個人となると個人にとって分が悪い戦いになることが考えられます。
腹立たしいことと思いますが、「どうしても」という決意が決まらない状況でない限り、もうその会社のことは忘れて退職してしまい新しい環境に身を置いてご自身の今後の人生を第一にしていただいた方が良いこともあります。
まとめ
本来労働者を守るべき会社が自分の身を守ってくれないのは非常に辛いことです。
どうしてもの場合はパワハラの被害から距離を置き、ご自身の身の安全を守ることを第一に考えてください。
これは逃げでありません。会社側が間違っているだけです。ご自身が責任を感じることはありませんので、今の職場を離れて次の職場で活躍できるよう切り替えていきましょう。