職場のみんなが辞めていく、とりわけ若手がどんどんやめていくような会社に在籍している労働者が今の状況をどう判断すべきか?について解説しています。
職場のみんなが辞めていく様な会社とはどういう状況?
「人間関係」に問題がある可能性が高い
主な退職理由と挙げられることが多い項目が「人間関係」にあります。
例えばリクナビNEXTによる「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」によると、退職理由の本音ランキングの上位に
- 同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった
が挙げられています。
加えて、日本労働調査組合による「仕事の退職動機に関するアンケート調査」でも
- 職場の人間関係
が上位に挙げられています。
つまり、職場のみんなが辞めていく状況というのは人間関係トラブルが生じている可能性が高い職場と考えられます。
【大事】労働環境や人間関係が大事な理由
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」「会社の将来が不安だった」という理由が一定の割合を示しています。
職場環境が影響して気持ちが持たなくなりそうなときは以下の記事もご参考になさってください。
自分の身の安全を第一に考えた方が良い
労働環境が整っていない場所で働くことは辞める原因になるほどの強いストレスを受ける状況ということです。
満足も出来ず居続けるのが苦しいと感じる職場で我慢して働き続けることだけは避けてください。強いストレスが続くとうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあります。
会社は責任をとってくれない
うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。
病気の回復には時間がかかり、勤務が出来なくなるだけでなく、就職活動や社会復帰にも影響します。ですが、ご自身のプライベートを会社が守ってくれることはありません。
そのため、うつや適応障害になる可能性があるなら我慢していまの職場に留まることなく、退職を最優先に動いてください。社会的なダメージを負うリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません。
一番大事なことはご自身の身の安全です。
うつになる前に退職した方が良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
若い人が辞めていく会社は特に危険な理由
若手がどんどん辞めていく悩みは多い
優秀、無能を問わず若手がどんどん辞めていく会社に未来はありますか?
5年で8割くらいがいなくなります。
私は5年目ですが同期は10人いて私ひとりしか残っていません。一応大企業ではありますが辞めるべきでしょうか?
優秀、無能を問わず若手がどんどん辞めていく会社に未来はありますか? – 5年で… – Yahoo!知恵袋
若手がやめていく部署。
私は若手の教育係をしている中堅社員です。
私の部署のトップが嫌な管理をする管理職です。トップの他にも管理職はいますが、トップに意見したり、下と調整の機会を図ったり、緩衝材になることもなくトップと同じ管理をします。たぶん我が身かわいさです。その管理方法とは、下の社員のキャパや今までのやり方等を考えないノルマ設定や突然の業務変更指示、個人の成果を他部署の人と比較してモチベーションを下げる、業務の進捗に極端に口を出すマイクロマネジメントなどです。中堅社員ですらかなり嫌な気分になっており、管理職を信頼できない人多数です。
まして若手はついていけずに辞めてしまっています。
いわゆるクラッシャー上司という人々が集まっている部署だと思います。それぞれおそらく成果は上げていますが、人を潰しすぎます。会社はそれを良しとしているのか、なまじ成果がある分制裁したくてもできない状態なのかわかりません。
若手がやめていく部署。 – 私は若手の教育係をしている中堅社員で… – Yahoo!知恵袋
令和の時代になっても昭和・平成気質が影響してか、今の若者にとって魅力的でない職場、どんどん辞めていっていしまう職場は少なくありません。
会社が成長ができないので将来性が無い
会社は従業員の新陳代謝が起こらないければ年配の人が残っていくだけで成長が止まります。
また、年配の方にも勤務できる「限界」がありますので若手が辞めていく職場というだけでその会社の将来性が危ぶまれることになります。
中堅社員が辞めていく会社も危ない
若手に限らず中堅社員が辞めていく会社も危険です。
ある程度のキャリアを積んだにも拘わらず退職者が増えているということは、その会社にいたからこそ「その先のうま味や将来性が期待できない」とわかってしまったからです。
もちろん個人のライフスタイルの問題などもありますが、少数ではなく「辞めていく」という連続性があるということは多くの人が似たようなネガティブな未来を感じてしまったからこそⅡ他なりません。
一部の既得権益者以外にうま味が無い
辞める人がいる一方で残る人がいます。
若手が辞めるということは相対的にミドル層以降の方々が残るわけですが、残る人は一種の既得権があるからこそ残ります。
ミドル層以降の方は給料も立場もある程度が確保されて満足ができる状況。加えて、昔からの繋がりで人間関係も構築されており、新しく入社する人に対してはストレスなく自分の主張を通せる立ち位置にいる。
つまり、仕事をする人としては非常に勝手の良いポジションと言えるでしょう。
特に年齢が高ければ高いほどに今後のキャリアを検討する必要もなく、今の会社に勤めあげれば良いという残り人生の目安・見通しもつくわけです。辞める必要が無いぐらい居心地の良いポジション・うま味のあるポジションが確保されているのであれば当然ながら残ります。
そして、上位ポジションの席が空かない以上は若手層は希望を見いだせませんから、より良い環境を求めて今の職場を退職しようと考えます。
会社の見極めについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
人が辞めていく職場は自分が疲弊するだけ
人が辞めていく会社の末路
人が辞めていく会社は基本的には会社としての成長がほぼありません。
つまり、新しい事業も生まれませんし、労働環境が変わりません。どちらかと言えば労働環境としては低下(悪化)していくことが多いでしょう。
将来に対して希望が持ちにくい会社になるので、結果として更に人が辞めていき負の連鎖から抜け出せなくなります。
給与や待遇も上がらない
労働環境が変わらないということは給与や待遇にも変化が見込めませんので給与の増加なども期待できません。
やりたくもない仕事もやらされるようになり、気持ちの面でも消耗しはじめることになります。
しわ寄せが自分に来る
人が辞めていくことで、辞めた人の引き継ぎや業務のしわ寄せは残った人に降りかかってきます。そのため、業務負担が増えて健康や体力的にも苦しい状況になっていきます。
まともな人が辞めていく職場に在籍するメリットは無い
まともな人が辞めていく職場、一部のうまみを感じている方だけが残る職場に未来はありません。
入社して我慢して勤め続けても待遇は改善されず、会社としての新しい動きが少ないことからビジネスマンとしてのスキルも身につかず個人の市場価値を下げるだけになります。
その為、人が辞めていく環境にいる方は、ご自身の将来を考えるなら退職や転職を視野に入れ始めた方が良いでしょう。
辞める際の注意点
異動も検討する
部署異動ができる規模の会社であれば退職の前に異動という選択肢もあります。
異動することでまったく新しい環境、成長できる環境があるなら異動も視野に入れてみましょう。
ですが、異動制度が無い会社環境であれば退職や転職を検討した方が良いです。
バックレはしない方が良い
今の職場が気に入らないからと感情的にバックレを行うのだけは避けてください。
バックレによる退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは退職行為に対するリターンとリスクを加味した際にリスクが大きすぎて帳尻が合わない行為と言えます。そのため、法に基づかない即日退職行為だけは控えた方が良いです。
辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
基本的には就業規則に則って辞める
基本的には就業規則に則って退職の申し出をしてください。
辞める2ヶ月前に伝える、3ヶ月前に伝える、など会社特有の規定があるかと思いますので、基本的には就業規則に則って退職の申し出をしてください。また、なお、退職時は「退職願」ではなく『退職届』を会社側に渡してください。
退職願と退職届の違い
退職願は辞表の意思表明をあらわすもので、雇用者側の受理・承諾を求めます。雇用者との合意が必要となるのでこれを雇用者に受理・承諾してもらわなければ退職の効果は生じません。
退職届は労働契約の一方的な解約の意思、辞職の意思表示を表すもので、出してしまうと取り下げはできません。退職届の場合、雇用者に伝えたら雇用者の受理・承諾がなくとも、2週間の経過により、退職の効果が生じます。
退職願はそれ自身に法的な効力が生じないので退職願いが受理されないこと自体には違法性がありません。よって、退職を成立させたいときは「退職届」を会社側に提出してください。退職届であれば退職の意思を示したことになるので退職が成立します。
やむを得ない理由がある場合は合意退職を相談する
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
やむを得ない理由がある場合はその旨を会社に伝えて退職を相談しましょう。
辞める意思はハッキリ伝える
「辞めようか悩んでます」等と伝えると、相手は強引にでも説得してきます。また、相手から「でもね、」などと反論され、その内容に対してこちら側が明確なNOを示さない場合も時間をかけて退職を説得してきます。
その為、辞める際はハッキリとNOを突きつけ、引き止めても意味が無いことを相手に理解してもらう姿勢を崩してはいけません。
「辞めることにしました」「これまでありがとうございました」「決心は変わりません」などを伝え続け、明確に退職は決定事項である旨を相手に伝えましょう。
退職理由は一身上の都合で良い
原則として法的には退職理由を用意する必要はありません。そのため、言わなくとも退職はできますし、言う場合は必ずしも本音で退職理由を伝える必要もありません。極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。
どうしても退職理由を伝える必要がある場合は「一身上の都合」でも構いません。
引き留めには応じない
本気で退職を心に決めているなら決して引き留めには応じないこと。
仮に引き留め条件として待遇の改善が約束されていたとしても実行されるかどうかは保障されませんし、無かったことにされることもあります。また、仮に残ったとしての周囲からは「辞めたがっている人」として見られるので勤務していても心が休まることがありません。
「退職する」と決めたら引き留めに応じることなく、そのまま辞めるのがお互いにとって良いです。
人手不足は理由にならない
人手不足を訴えて引き留められることがあります。
- 人手不足だから辞められると困る
- 人手不足だから後任が来るまで待ってほしい
- 人手不足なのに辞めるだなんて、みんなに迷惑だと思わないのか!?
- 後任が居ないから引き継げないので認められない
などと言われることがありますが、人手不足はあなたの責任ではありません。
会社の人事・採用の問題であり、問題を先延ばしにしてきた会社の責任です。
そのため、人手不足があったとしても労働者であるあなたを引き留めて良い理由にはならないので会社の要請には義務や効力があるわけでは無いので応じる必要はありません。
人手不足時の辞め方については以下もご参考になさってください。
【補足】連鎖退職による職場の崩壊に注意
人手不足の組織で退職者が出ると、その動きに連鎖するように他の社員が続々と会社を退職し出すことがあります。これを「連鎖退職」と呼びます。
連鎖退職によりなお一層引き止めが厳しくなることもありますが、上述したように人手不足の責任は会社側にあるので、労働者側が責任を感じる必要は一切ありません。
人手不足からの連鎖退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
引き継ぎを行う
会社と決めた退職日までの中で有給消化などの期間を調整し、退職日までに間に合うよう引き継ぎを行います。もし間に合わない場合は後任の方にために引き継ぎ資料(引き継ぎマニュアル)を用意しておきましょう。
なお、引き継ぎ資料には以下を記載してください。
- 業務の社内での位置付け
- 業務の流れ(フローチャートなど)
- 業務に関わる社内外の関係者
- 過去に起こったトラブルやその対処法のノウハウ
- 顧客情報など必要なデータ
見ていただくとわかるように、業務や作業の繋がり・業務・作業に関わる関係者をそれぞれ明確化しておく資料になります。また、引き継ぎ資料は自分だけしかわからない言葉でまとめることなく、誰が見ても理解できる言葉でまとめてください。
【補足】引き継ぎは義務ではないし、拒否もできる
引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。
よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、事情があってどうしても対応が難しい時は引き継ぎ未対応でも退職は成立します。
退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
有給を消化する
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索
有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、退職すると有給の権利は消滅します。
よって、有給が残っている場合は必ず退職前に有給を消化してしまいましょう。
損害賠償は原則気にする必要は無い
(賠償予定の禁止)
労働基準法第16条
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
原則として損害賠償ありきの労働契約を結ぶことは法律で禁止されています。そのため、退職したことに対して損害賠償を義務付けることは出来ません。
損害賠償は第三者が見ても辞めることで会社に多大な悪影響を残したときに検討されます。例えば退職時に多くの同僚を一緒に引き抜いて辞めた、退職時に会社のインサイダー情報を公開した、などが該当しますが、ただ退職するだけであれば会社に多大な悪影響を残したとは認められにくいので原則として退職時の損害賠償は気にする必要はありません。
備品を返却する
スマホ、PC、制服、社章など会社から借りている備品はかならず返却してください。返却しないとあとでアレコレ言われる可能性があるので綺麗に辞めにくくなります。
直接渡しにいくか、それが難しい時は備品をまとめて会社に郵送すれば問題ありません。
私物を回収する
私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。
どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう会社側に伝えてください。
退職後の書類を受け取る
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
- 離職票
- 扶養控除等(異動)申告書
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 給与振込先届
- 健康診断書
など、退職時に必要な書類を会社から郵送してもらうように伝えましょう。
退職後の失業手当の申請、次の会社に入社する際の手続きなどで必要になります。
基本的には退職後にご自宅に郵送されてきますが、しばらく待っても届かない場合は会社に確認の連絡を入れてください。
転職エージェントに登録しておく
退職後にスムーズに転職活動ができるよう事前に転職エージェントへ登録だけはしておきましょう。
新入社員の方が転職するなら「第二新卒(新卒入社で2~3年)」として見られるため、第二新卒に特化したキャリアスタートに登録しておくとご自身に合った転職先を探しやすいです。
【第二新卒に強い転職エージェント】
【補足】キャリアを再検討したい場合はキャリアコーチングへ
- 自分だけのキャリア形成を再検討したい
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 転職以外の選択肢もあるのではないか?
など、より幅広い視点で今後のご自身のキャリアを検討したい場合はキャリアコーチングに相談してみるのがおすすめ。
キャリアコーチングは就職支援ではなくあなただけのキャリア形成をするにはどうすればいいか?をサポートしてくれる支援サービス。学校や親では教えてくれない、転職・就職だけでは無い別の選択肢(独立・フリーランスなど)も含めたあなた自身にとって最適なキャリア構築の仕方を一緒になって考えてくれます。
変化が急激な時代です。
価値観や働き方などが多用に広がる中で、
- 本当に自分がやりたいこと
- 本当に自分にあったキャリア形成
をいま一度再検討する事は非常に理にかなっています。
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 今の内に自分だけのキャリアを再検討したい
という方はキャリアコーチングに相談してご自身の今後のキャリア形成に活かしてください。
退職しにくい環境にいる場合の解決策として
1.法に則って退職する
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば(=退職届の提出)必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場に居続けるのが難しい
というご状況であれば法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
事情があり退職届を直接渡すことが出来ない、もしくは相談したのに受け取ってもらえない場合、配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送してください。
会社側に退職届が届けられたことが証明できるため退職の意思を伝えた証拠になります。
また他にも
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段を用いて退職の意思(解約の申入れ)を伝えるのも有効です。
口頭で伝えることもできますが、中には「言った・言わない」とうやむやにされる可能性もあるため、退職届をはじめとして何かしらの証拠を残して伝えた方が確実です。
なお、会社側が退職拒否をしてきた場合「在職強要」となり違法行為に該当しますので会社の要請を受諾する必要はありません。詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
2.違法性を指摘して辞める
会社が違法な対応をしている場合、違法性を指摘して会社から即離れてしまいましょう。
労働条件に相違がある場合
(労働条件の明示)
労働基準法第15条
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第15条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社からもらった労働条件通知書と異なる労働条件・仕事内容であればその旨を会社に伝えて即日退職してしまいましょう。
労働条件の相違と退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
ハラスメント被害を受けている場合
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、ハラスメントが起こる職場ということは労働契約法5条で定められた使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない職場、となります。
つまり、労働契約法5条に反している状況(違法な状況)ということです。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
ハラスメント被害による退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
3.どうしてもの際は労働組合による退職代行に相談する
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- 退職を切り出すと会社と揉めそうで怖い
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
なぜなら、確実に退職が成立するからです。
お手持ちのスマホからLINE(電話、メールでも可)で相談可能。代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなります。
希望があれば即日から代行業者は動き出してくれますので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になることもできます。
他にも具体的な利用メリットとしては、
- 確実に退職できる
- 会社からの引き止め・引き延ばしにあうことが無い
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、もしあなたが
- 自分で退職を切り出すのが難しい
- 退職を切り出すと会社と揉めそうで怖い
- でも、どうしても辞めたい
という時は労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしましょう。
まとめ
業界・業種限らず人がどんどん辞めていく職場でポジティブな話を聞くことはほぼありません。
衰退の一途をたどり、その影響で職場環境も悪化。働く側からするとシビアな労働環境になっていることがほとんどです。
今の職場にいることでご自身に取ってのメリットが享受できるなら残ることに問題はありませんが、在籍し続けても将来に希望が見出せない時は異動や転職、退職といった選択肢も用意していただき、ご自身にとってのキャリアを再設計してみてくださいね。