仕事を2週間休む際の注意点について解説します。
仕事で2週間休むこと自体は問題無い
「2週間も休んでしまうと周りにどう思われるか」などと気にする方もいるかもしれませんが、仕事を通じて2週間休むことに問題はありません。
なぜなら、労働基準法では年間休日数に法的な決まりがないので何日休もうとも法的な問題に触れることが無いためです。
加えて、有給の最大取得日数は40日と定められており、条件を満たせば2週間以上の休みの権利は労働者側に発生することが法的に定められています。
以上のことから、2週間休むことに対して一切の問題はありません。
理由もいらない
平時に休みを取得することに対して理由を明示しなければならない、という法的な規則はありません。
また、有給の取得時においても労働基準法は「労働者の請求があれば与えなければならない」としていますので平時の休みと同様に休む理由を提示する義務・必要性はありません。
休み方に注意
2週間休むこと自体には問題ありませんが、それは勝手に2週間休んで良いという話ではありません。
つまり、休む際は「休み方」さえ間違えなければ問題はないということです。
2週間、ズル休みすることと無断欠勤は異なる
休みには理由が必要とされていないので極論ですがズル休みも可能です。仮に本当は体調不良ではないのに体調不良という理由で休んでもその行為自体が法的に処罰されることはありません。
ただし、無断欠勤はNGです。
雇用者は労働してくれた労働者に対価として給料などを支払う契約になります。無断欠勤は契約の不履行に該当するので理由のない無断欠勤は認められません。
つまり、
- 無断に休まない
- 休む際は事前に休む旨を伝えて休む
以上を守っていれば法的に問題にはならない、ということです。
体調不良や病気なら事情を伝えれば良い
2週間会社を、手術の為と自宅療養する為休みます。そこで傷病手当金を申請し会社を休む予定にしてますが、傷病手当金を貰いながら、会社を退職する事は可能なのでしょうか?会社には、退職届けは提出してませんが、
2週間会社を、手術の為と自宅療養する為休みます。そこで傷病手当金を申… – Yahoo!知恵袋
休み開けにでもと考えてます。
詳しい方がおりましたらアドバイス宜しくお願いします ♀?
事情があって会社を2週間休む方は少なくありません。
病気や体調不良で休む場合はやむを得ない事情ですので、事情を伝えてから休めば2週間休んでも法的な問題ありません。
事情があるなら診断書を用意
どうしてもの際は病院にかかった際に診断書を用意してもらい、ご自身が体調不良というやむを得ない事情を抱えていたことを証明すれば会社側にも説明がつきます。
期間中の引き継ぎ対応を済ませておく
法的な義務はありませんが、一定期間休む際はその間の業務の引き継ぎをしておきましょう。
長く休んだ後の気まずさ対策
法的な問題が無いにせよ、2週間は一般的な休みの期間と比べると「長い」と感じる人も多いでしょう。
そのため、長期間休んだ際は復帰時に気まずさを感じることもあるかと思います。
仕事を2週間休むなら復帰時に菓子折りを用意
菓子折りは義務ではありません。そのため、無くても何も問題はありません。
ですが、「どうしてもきまずい」とお考えでしたら復帰時に菓子折りを用意して皆さんにお渡しすれば良いでしょう。
また、渡す際に「長い事休ませていただきありがとうございました。」「ご心配おかけしました」など一言沿えれば十分です。
他の人は長期休暇をどう思っている?
事情が分からず長期休暇に入れば心配はします。ですが、それだけです。
「長期休暇を取得したから周囲の人が恨んで~」ということは余程日ごろから恨まれでもしない限りはありません。
休みたくなった理由が重要
疲労/オーバーワーク
働き過ぎ(オーバーワーク)は心身ともに疲弊し、最悪の場合これ上働けないような状態になります。
疲労によって自然と体が休みを欲した場合、体調を崩す前に休むのは身の安全の確保にも繋がるので問題はありません。
むしろこれを気に働き方を再考し、無理をし過ぎない状況を作っていきましょう。
働き過ぎで気持ちがいっぱいいっぱいになってしまった時は、以下の記事もご参考になさってください。
事情がある
- 病気
- 怪我
- 家族の介護
など、事情がある場合も問題ありません。むしろ休むのが当然です。
会社に事情を伝えて休ませてもらい魔法。
仕事への嫌気
仕事への嫌気・モチベーションの低下が影響して休みたいと感じた場合は少々注意が必要です。
仕事への意欲が原因の場合、精神的な問題に影響します。最悪の場合、やる気が出ない・うつ病・適応障害といった可能性も0とは言えません。
一旦休みをとってリフレッシュし、気持ちが戻れば問題ありませんが、気持ちが戻らない時は業務内容の変更や部署異動など含め一度上司に相談してみてください。
人間関係
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」という理由が一定の割合を示しています。
つまり、職場の人間関係が悪いとそれだけで強いストレス(辞めたくなるぐらいの影響力)を感じる状況にある、ということになります。この場合、会社を休みたくなっても仕方が無いと言えるでしょう。
そのため、職場の人間関係に影響されていると感じた際は要注意。上司へ相談して職場内の環境が円滑になるよう働きかけてもらいましょう。
ハラスメント
人間関係の中でも「ハラスメント」問題が起きていたら事情が異なります。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いありません。つまり、それだけ強いストレス環境下にいるということになります。
ハラスメントの被害を受けていた場合、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えて早々に会社に行かない連絡を届け、身の安全の確保をしましょう。場合によっては早期退職も併せて検討してください。
ハラスメント被害による退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
気持ちが追い込まれている場合の対処法
疲労や事情があってのことではなく、精神的に追い込まれており休みを欲している時は対応がデリケートになります。
バックレは避ける
追い込まれている際にお伝えするのも心苦しいのですが、バックレは無断欠勤に該当する行為になり「2週間、ズル休みすることと無断欠勤は異なる」でもお伝えしたように無断欠勤は法的に認められていない行為になります。
そのため、労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは退職行為に対するリターンとリスクを加味した際にリスクが大きすぎて帳尻が合わない行為と言えます。
そのため、バックレだけは避けてください。
休職
どうしても辛い時は休職を申請し、一定時間気持ちを休める期間を用意してください。
なお、休職は休みを取得できるだけでなく、条件にもよりますが休職中に傷病手当金も申請しておけば働いていなくても給与が入ります。(傷病手当金の1日あたりの支給額は、標準報酬日額の2/3です。)そのため、休み中の生活費に対して不安になることもありません。
異動
部署異動ができる規模の会社であれば異動により物理的にいまの職場環境を変えるという選択肢もあります。
異動することで職場環境が代われば追い込まれることもなく、落ち着いた勤務ができる様になりますので環境改善に繋がります。
ただし、異動制度が無い、異動しても前の職場と関りが続く、となれば異動ではなく退職や転職を件とした方が良いでしょう。
退職
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められており、会社にはその権利を拒否する力はありません。会社に居続けることが難しいと感じているなら退職してしまいましょう。
原則として退職は社内規定に従い退職処理を進めたほうが好ましいですが、どうしても耐えられない・すぐにでも辞めたいという時は民法に従って14日で辞めても問題はありません。仮に社内規則で「辞める1、2ヶ月前に退職申請する」などと規定があったとしても民法が優先されるので14日で退職は成立します。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
場合によっては民法第628条によりやむを得ない事由と判断され、会社と労働者の双方合意による即日退職になるケースもあります。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- もう耐えられない
- でも、自分から退職を切り出すのは難しい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 自分から退職を切り出すのが難しい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
2週間は長めの休みとして捉えられることが多いので、少しでも周囲に誤解されないためにも「どう切り出すか?」が大切になります。
ですが、2週間休むこと自体は何ら問題はありません。そのため、必要であれば我慢せずにしっかりと休みを取得してくださいね。