【第302話】即日退職が成立する理由を列挙、該当するなら辞める選択肢も持とう

即日退職が成立する理由や条件について解説しています。

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即日退職が成立する理由

厳密に言えば「即日退職が成立する理由」となる明確な条件はありません。

なぜなら民法第627条にて以下が定められているためです。

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条

つまり、最短の退職でも14日が必要になります。

ただし、以下4つの条件下においては即日退職が成立します。

1、14日以上過ぎている

「最短の退職でも14日が必要」とお伝えしましたが、仮に就業規則が「退職一ヶ月前~」などと書かれていても法律の方が優先されます。

その為、退職の意思を伝えて14日経過しているのであれば、15日以降からは会社に行かずとも法的に何かが発生することはありません。

なお、「退職の意思」は証拠として残しておかないと後で言った言わない問題になりうやむやにされることがあります。

その為、内容証明で退職届を郵送する、メールで送信して履歴を残す、電話で伝える時は話したない世を録音しておく、など確実な証拠を残しておきましょう。

うちやま
うちやま

メールで退職の意思を伝える際は以下の記事もご参考になさってください。

2、双方合意

本人と会社双方の合意に至れば即日退職が成立します。

実体験ですが僕は双方合意のもとで即日退職をした人間です。

というよりも、正直言えば即日退職になると思わなかったんですが“即日退職が出来てしまった”といった方が正しいかもしれません。

以前勤めていた企業で退職の意思を伝えたらその場で「じゃあ、もう帰っていいよ」となり、その日に退職が成立しました。

うちやま
うちやま

一応、当時の肩書は「マネージャー」ということで少し偉い立場でしたが、それでもこの有様です。汗

理由はどうあれ本人と会社、双方の合意があれば即日退職は成立します。

3、事前の求人情報、求人条件と異なる

事前に聞かされていた求人内容と実際の仕事内容が違う場合、違法行為に該当しますので「労働基準法第15条」より即時退職が成立します。

(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

労働基準法第15条|労働基準法 | e-Gov法令検索

条文を見ていただくとわかるように、『労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。』とありますので条件の相違を理由に退職することが法で認められています。

うちやま
うちやま

求人情報との相違についてより詳しくは以下の記事をご参考になさってください。

4、やむを得ない事由|契約社員の場合

(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。

民法第六百二十八条

民法628条では雇用の期間を定めた方(契約社員など)に対しては「やむを得ない事由」がある場合の解約を認めています。

具体的には以下の理由があり、本人と会社双方の合意に至れば即日退職が成立します。

  1. 心身の障害、疾病など。
  2. 両親や子供の病気の介護など。
  3. 業務が法令に違反していること。

5、1年以上働いている(労働基準法第137条)|契約社員の場合

労働基準法 第137条を元に労働契約の期間の初日から1年を経過した日以
後においては労働者側からの申し出によりいつでも退職が可能です。

有期労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、
その期間が1年を超えるものに限ります。)を締結した労働者(下記(2)に該当
する労働者は除きます。)は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以
後においては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができま

改正労働基準法の概要 – 厚生労働省

契約社員の場合、いまの職場で1年以上務めていたら労働者側の申し出によって即時退職が可能になります。

パワハラによる即日退職は判断がデリケートな面がある

感情論としてお答えするとパワハラをするような職場なんてすべて即日退職を推奨します。

「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」があるように、パワハラはれっきとした違法行為ですし、ハラスメントを理由に即日退職をすることは決して不可能ではありません。

ですが、法的に考えると「ハラスメントかどうか?」を判断するのは難しい面もあるので(人によって感じ方・受け取り方が異なる問題)、即日退職が必ずできるかどうか?はまた別の話になります。

その為、パワハラで即日退職を認めらるように「パワハラの証拠」を集めてください。

  • ハラスメントを受けた際の音をボイスレコーダーで録音する
  • ハラスメントによって鬱や精神的なダメージを受けら医師に診断書を書いてもらう
  • 日々のパワハラの内容を日記やメモ帳に書き留めておく

などが証拠になります。

強引なバックレだけはホントに辞めた方が良い

即日退職に対して「バックレ」を検討する方もいますが、本当に辞めた方が良いです。

一方的に退職を告げるだけで会社が認めていない状態でそのまま出勤しなくなると「会社に反論の余地」を残してしまうことになります。

「反論の余地があると何かしら理由を付けて戻ってくるよう要請される」「法的にその要請を断ることができない」という可能性も残されてしまいます。

よって、辞めるならルールに基づいて辞めた方が結果として綺麗に、且つ確実に退職が実現できます。

無断欠勤は損害賠償請求の対象になる

バックレや無断欠勤は懲戒解雇扱いになる恐れがあります。

  • 離職票の退職職理由を自己都合ではなく懲戒解雇と書かれてしまう
  • 本来貰うことができるはずの退職金が支払われなくなる
  • 次の職を探す際に不利になる

など、ご自身が損をしてしまうリスクが高くなるだけです。

また、最悪の場合は損害賠償問題にも発展しかねません。

客観的に見ると会社には非が無く、退職した労働者の方が分が悪く見えてしまうので、争っても負ける可能性が高いです。

備品の返却や必要資料の送付も忘れずに

返却漏れがあると退職後もトラブルの原因になります。

郵送で問題ありませんので、会社からの備品はすべて必ず会社に返却しましょう。

また、退職後に必要となる各種の資料や年金手帳なども忘れずに会社から送ってもらいましょう。

即日で会社に行かなくても良い方法はある

退職を前提とした有給消化

有給は労働者の権利ですので、有給が成立する期間勤務していれば必ず取得が出来ます。

「会社の風土として有給が取得しにくい」という不安があっても法律上必ず取得できるので遠慮する必要はありません。

なお、有給は労働者側の希望を元に取得できます。そのため、辞めたいと思ったその瞬間から退職日まで有給消化で過ごせば即時会社に行く必要は無くなり、実質的に即日退職と同じ扱いになります。

なお、有給制度に対しては会社側にも「時季変更(休みの時期をずらす権利)」がありますが、時季変更権はこれから退職する人間には効力が無いので、退職前提の有給消化であれば実質的にいつからでも有給を取得できます。

うちやま
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仮に有給の申請でトラブルになった際は以下の記事をご参考になさってください。

欠勤や休職

有給が無い場合は欠勤、もしくは休職扱いにしてもらい会社に行かない状態を作り出すことが出来ます。

ただし、欠勤の場合は休んだ期間中の賃金は発生しません。休職は会社によって判断が異なりますが、基本的には欠勤と同様に賃金が発生しないと考えておいた方が良いでしょう。

「金銭の問題ではなく、どうしても会社に行きたくない」ぐらいに切羽詰まった状況の方が検討すべき選択肢と言えます。

労働組合が運営する退職代行の利用

労働組合が運営する退職代行サービス」に相談して退職すると、退職代行会社が動き出した瞬間からあなたは会社に行くこと・連絡する必要も無くなります。

なお、通常法人(普通の株式会社)の退職代行ではなく、「労働組合による退職代行」であることが重要です。
「退職代行からの退職相談は受け付けない」という会社もあるので、その際は通常法人では相手にされず退職が失敗してしまいます。

ですが、労働組合には団体交渉権があります。

労働組合からの話を無視すると会社側は違法行為に該当してしまうため、会社も労働組合からの話は無視することが出来ず退職の話を聞かざるを得ませんので退職代行が成立します

退職代行はバックレではなく法に基づいた退職処理を粛々と行うため必ず退職が成立します。

どうしても辞めることが出来ない、と悩んでいる方は相談してみてください

→ 労働組合が運営する退職代行サービス「ニチロー」 公式サイト

24時間365日体制で労働組合が相談を受け付けています。

うちやま
うちやま

退職代行を利用しての退職について詳しく知りたい方は以下の記事をご参考になさってください。

引き継ぎは法的な義務ではない

会社を辞める際は「引継ぎ」が発生しますが、実は引継ぎをしなくてはいけないという法的な規則は存在しません。

退職で引き継ぎの後任がいない時にあなたが忘れずにやるべきこと」でも解説させていただきましたが、引き継ぎはルールというよりは気持ちやモラルの問題に該当します。

よって、引継ぎをしないからという理由で法的なトラブルになることはありません。

誤解の無いように補足すると「引継ぎをしなくても良いから自由に辞めよう」ということではなく、あくまでルール上成立するかどうか?という観点でのお答えになります。

仮に就業規則に退職時の引継ぎについて記載があろうと、就業規則は絶対的な強制力を持つわけではありません。

まとめ

勤務形態(正社員、契約社員など)によって条件は異なりますが、決していつでも誰でも必ず即日退職ができるわけではありません。

よって、ご自身の勤務形態、および状況と照らし合わせて即日退職が成立する条件が満たされていれば退職の申し入れを。

ご自身から退職を切り出すのが難しい時は労働組合が運営する退職代行サービスに相談して退職を行ってください。

うちやま
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即日退職した体験談、事例についてより詳しくは以下の記事をご参考になさってください。

この機体の開発者
スミ入れがんばる
うちやま(内山智明)

新卒で入社したブラック企業で月の残業168時間、気合努力根性の精神論だけで詰められ、簡単に辞めさせてくれない毎日を過ごして退職するまでに苦労した経験がある。現在は株式会社BuildingBlockの代表となり、自身の経験を元に、会社を辞めたいのに辞められない・辞めると言い出しにくい人向けに退職や辞め方に関する情報発信を行う

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