「今の職場キツイなぁ、、、」と言う時に『どうせ辞めるし』と割り切って仕事を乗り切る際の考え方や注意点を一部自分の体験談も踏まえながら解説します。
「どうせ辞めるし」と割り切るとなんとかなる
「どうせ辞めるし」と考える時点でその職場で苦しい思いをしているわけですが、苦しいと感じる状況が一変することは基本的にありません。
他人は変えられない、と割り切る
周囲の人間関係・上司との相性・お客様との相性などが仕事で自分を苦しめる原因になりやすい要因と言えますが、これらの問題は「相手側」の問題です。他人の性格をすぐに変えることは難しいため、いきなり状況を一変させるのは難しい、ということです。
そのため、他人ではなく自分(の考え方)を変えてしまった方が手っ取り早いです。
どうせ辞める会社と思えば気持ちが楽になる
「どうせ辞めるし」と自分の中のスイッチを完全に切り替えてしまいましょう。
「今の会社で真面目に勤続してできる限りミスなく完ぺきにこなし、周囲との連携もトラブル無く進める」と考えているから気持ちが窮屈になるわけです。
もちろん真面目に考えること自体は悪いことではありませんが、そのせいで自分の気持ちに負担がかかるぐらいなら「どうせ辞めるし」と割り切ってしまった方が良いです。
問題を抱え込み過ぎて精神的なトラブルになる方が危険ですから。
多少のミスは許す
完ぺきにしようとせずに多少ミスしてもそんな自分を許してしまいましょう。正直、最終的な責任は上司ですから、仮にご自身がミスしても「それをリカバリしなかった上司側の責任だろ?」ぐらいに割り切れば良いです。
仕事を辞めるからと適当にするのではなく最終的な責任の所在を区別する
自分からわざとミスして適当な仕事をし、敢えて敵を作るようなことはする必要はありませんが、業務時間中に自分がやれることをやったらそれ以上は何も考えない、もしくは上司の責任として割り切る。これぐらいのスタンスが丁度良いです。
叱られても流す
ミスや勤務態度に対して叱られることはありますが、叱られても流してしまいましょう。「どうせ辞めるし」と根本的に据えておくことで過度に抱え込む必要もなくなります。
もちろん、明らかに問題が出た時は次に繰り返さないようご自身の中で反省をした方が良いですが、事実確認と再発防止を事務的に理解するぐらいの話で自分の中で処理すればOK。
叱る際は相手も感情的になってますので、そういった相手の感情的な部分は丸ごと流してしまってください。
日本は労働者の立場が強い法律になっている
- 会社の内部情報を持ち出して会社に実害を与える
- 退職時に大勢の人を引き連れて辞める
- 無断欠勤を何度も繰り返し、その態度が直らない
- 暴力や違法行為を行う
など、明確に会社に被害を出すか暴力に訴えた行為を行うなどが無い限り会社側が労働者側を強制的に退職させる術がないのが今の日本の法律です。
会社で何か嫌なことを言われたり、相手から不快な態度を取られることもあるかと思いますが、だからと言って会社側があなたを強制的に辞めさせる権利はほぼありません。
仮に解雇するぞ!と脅されてもその理由が客観的に説明できない限り強制力はなく、ただの脅しに過ぎません。
相手に注意するだけの論理的な思考力が無い上に、法的な強制力も有していないので脅して従わせるしか手段が無い、というだけです。
不快な対応をされたときに労働者側が心配するのは「クビにさせられるのでは?」といったご自身の立場への不安が原因であることが多いですが、実は立場を心配する必要はほぼ無いのです。
そのため、そもそも過度な心配を抱える必要は無く、そのうえ「どうせ辞めるし」と割り切れば尚更に多少のことは何も気にならなくなります。
どうせ辞めるからと割り切っている人は少なくない
職場に不満があることで「どうせ辞めるし」と割り切って働いている人は少なくないのが現実です。
【大事】労働環境は退職に影響する
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という理由が一定の割合を示しています。
つまり、人間関係や労働環境が合わなければ強いストレスがかかるので、その影響で辞めたくなるのは自然なこと、ということです。
職場環境や人間関係が影響して気持ちが持たなくなりそうなときは以下の記事もご参考になさってください。
顔色を窺って自分が消耗してはいけない
辞めたい理由は個々によって異なりますがいまの職場に居続けるのが難しいという状態にも拘わらず顔色を窺って我慢しながら働き続けることだけは避けてください。
なぜなら我慢しかない環境に長くい続けることはとうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあり自分が消耗するだけになるからです。
会社よりも自分を大事にする
うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。
病気の回復には時間がかかり、勤務が出来なくなるだけでなく、就職活動や社会復帰にも影響します。ですが、ご自身のプライベートを会社が守ってくれることはありません。
そのため、うつや適応障害になる可能性があるなら我慢していまの職場に留まることなく、退職を最優先に動いてください。社会的なダメージを負うリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません。
一番大事なことはご自身の身の安全です。
うつになる前に退職したことが良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
割り切ったときの注意点
法的に自分に被害が出る行為は避ける
「日本は労働者の立場が強い法律になっている」でもお伝えしたように、基本的には労働者側の方が有利な現状なのですが、それに甘んじて誤って法律違反の行動をすることだけは避けてください。
それさえ守ることが出来れば割り切って業務をすすめても大事になることはありません。
バックレは避ける
不快な職場に対してバックレをする人もいますが、バックレは法的に認められていないので避けた方が良いです。
バックレや無断欠勤などは「違法行為」となり労働者であるあなたに対して損害賠償請求や懲戒処分が与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 転職時にマイナスな印象を与えることになる
また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので今後の転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
その為、どれだけ不快な職場であっても違法行為であるバックレだけは避けてください。
どうしてもすぐにでも辞めたい時は後述する「辞める前の注意点」をご参考になさってください。
必要以上に周囲の人をけなさない
不快な職場であっても全員が自分の敵というわけではないでしょう。本当の意味で不快な相手は特定の人間に限られてくるはずです。
その為、割り切った態度は特定の相手にのみにしてください。
無駄に敵を作らない
中には自分のことを理解してくれる方、応援してくれる方もいるかもしれません。(ちなみに僕は明確に社内に「敵」と「味方」がいました。汗)
自分にとって助けになる人にまで悪態をつく必要はありませんし、関係の無い部外者に対しても悪態をつく必要はありません。
割り切った態度は不快な相手にだけにして、それ以外の方には控え無駄に敵を作らないようにしましょう。
長く続けると自身の市場価値が下がるリスクがある
「どうせ辞めるし」と割り切ることで今の職場での過ごし方には変化が出る可能性はありますが、客観的に見た時に市場価値が下がってしまう可能性も捨てきれません。
なぜなら、「どうせ辞めるし」と割り切ることで手抜き感が出てきてしまい、そのせいで技術や経験値を積み重ねる経験が損なわれる可能性があるからです。
嫌な職場で自分の価値を下げるのはもったいない
「どうせ辞めるし」と感じるような不快な職場が影響してご自身の市場価値まで下げるのはもったい無いです。そのため、無駄に長くい続けることなくどこかのタイミングで見切りをつけて次の場所を求めた方がご自身にとってはメリットが大きくなることが多いです。
僕自身もそうでしたが、不快な職場はどのみち長くは居続けられません(嫌になるので)。不快感を感じてから半年もしない内に転職してました。笑
辞める前の注意点
有給は消化しきる
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索
有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、有給の権利は退職すると消滅してします。そのため、有給が残っている場合は必ず退職前に有給を消化してしまいましょう。
引き継ぎは義務ではない
引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。
よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、どうしても対応したくないぐらいに関係性が壊れている職場であれば、引継ぎ未対応でも退職は成立します。
退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
引き継ぎを行う場合
引き継ぎを行う場合、会社と決めた退職日までの中で有給消化などの期間を調整し、退職日までに間に合うよう引き継ぎを行います。もし間に合わない場合は後任の方にために引き継ぎ資料(引き継ぎマニュアル)を用意しておきましょう。
なお、引き継ぎ資料には以下を記載してください。
- 業務の社内での位置付け
- 業務の流れ(フローチャートなど)
- 業務に関わる社内外の関係者
- 過去に起こったトラブルやその対処法のノウハウ
- 顧客情報など必要なデータ
見ていただくとわかるように、業務や作業の繋がり・業務・作業に関わる関係者をそれぞれ明確化しておく資料になります。また、引き継ぎ資料は自分だけしかわからない言葉でまとめることなく、誰が見ても理解できる言葉でまとめてください。
原則は社内規定に従って辞める
辞める2ヶ月前に伝える、3ヶ月前に伝える、など会社特有の規定があるかと思いますので、原則は社内規定に従って退職手続きを進めましょう。
なお、退職時は「退職願」ではなく『退職届』を会社側に渡してください。
退職願と退職届の違い
退職願は辞表の意思表明をあらわすもので、雇用者側の受理・承諾を求めます。雇用者との合意が必要となるのでこれを雇用者に受理・承諾してもらわなければ退職の効果は生じません。
退職届は労働契約の一方的な解約の意思、辞職の意思表示を表すもので、出してしまうと取り下げはできません。退職届の場合、雇用者に伝えたら雇用者の受理・承諾がなくとも、2週間の経過により、退職の効果が生じます。
退職願はそれ自身に法的な効力が生じないので退職願いが受理されないこと自体には違法性がありません。よって、退職を成立させたいときは「退職届」を会社側に提出してください。退職届であれば退職の意思を示したことになるので退職が成立します。
民法第627条より2週間で辞めることも可能
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている(辞める半年前に申告する)、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場に居続けるのが難しい
- 少しでも早くに辞めたい
というご状況であれば、法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して民法第627条を元に2週間で辞めてしまいましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
事情があり退職届を直接渡すことが出来ない、もしくは相談したのに受け取ってもらえない場合は配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送してください。
会社側に退職届が届けられたことが証明できるため退職の意思を伝えた証拠になります。
また他にも
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段を用いて退職の意思(解約の申入れ)を伝えるのも有効です。
口頭で伝えることもできますが、中には「言った・言わない」とうやむやにされる可能性もあるため、退職届をはじめとして何かしらの証拠を残して伝えた方が確実です。
なお、会社側が退職拒否をしてきた場合「在職強要」となり違法行為に該当しますので会社の要請を受諾する必要はありません。詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
事前にエージェントに相談する
退職後にスムーズに転職活動ができるよう事前に転職エージェントへ登録だけはしておきましょう。
新入社員の方が転職するなら「第二新卒(新卒入社で2~3年)」として見られるため、第二新卒に特化したキャリアスタートに登録しておくとご自身に合った転職先を探しやすいです。
【第二新卒に強い転職エージェント】
キャリアコーチングに相談してキャリアを再検討する
- 自分だけのキャリア形成を再検討したい
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 転職以外の選択肢もあるのではないか?
など、より幅広い視点で今後のご自身のキャリアを検討したい場合はキャリアコーチングに相談してみるのがおすすめ。
キャリアコーチングは就職支援ではなくあなただけのキャリア形成をするにはどうすればいいか?をサポートしてくれる支援サービス。学校や親では教えてくれない、転職・就職だけでは無い別の選択肢(独立・フリーランスなど)も含めたあなた自身にとって最適なキャリア構築の仕方を一緒になって考えてくれます。
変化が急激な時代です。
価値観や働き方などが多用に広がる中で、
- 本当に自分がやりたいこと
- 本当に自分にあったキャリア形成
をいま一度再検討する事は非常に理にかなっています。
- もっと自分にあった職場での働き方を再検討したい
- 今の内に自分だけのキャリアを再検討したい
という方はキャリアコーチングに相談してご自身の今後のキャリア形成に活かしてください。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
「どうせ辞めるし」というのは一件ネガティブな言葉に聞こえますが、実は職場で過ごしやすくするための強力な考え方という側面も持ち合わせています。
人間割り切ると視界が変わってきますので、どうしても鬱屈した気持ちがぬぐえない時は「どうせ辞めるし」と割り切って勤務してみてください。
その上で、今の職場にいるメリットを感じなくなったら退職や転職などを検討してみましょう。