歯科助手を辞める電話をする際の伝え方と辞める際の注意点

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「クリニックの雰囲気が合わない」

「先生が苦手で辞めたい」

歯科助手として勤務しているけどどうしても辞めたい、直接伝えるのは難しいので電話で退職を伝えたい、という時の伝え方辞める際の注意点について解説しています。

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歯科助手を辞める電話をかける際の伝え方

【重要】電話退職は認められる

そもそも電話で伝えて良いのか?と疑問視される方もいますが問題ありません。退職の伝え方は法的に特定のフォーマットが義務付けられているわけではないので、電話で退職を伝えたとしても認められます。

確かに直接伝えた方が一般的なマナーとは言えますが、どうしても直接伝えるのが難しい場合は電話での伝達になっても問題はありません。

退職後に退職届も郵送する

電話で伝えると後になって「言った・言わない」という問題が起こる可能性があります。そのため、電話で退職を伝えた後は退職届を職場に郵送してください。

なお、郵送されていないなどと会社側から難癖をつけられないよう内容証明郵便で送るのが確実です。配達記録が残りますので証拠になります。

即日退職は難しい

電話での退職であろうと直接お伝えしようと、原則として即日退職は認められていません。

有給消化で対応する

その為、電話ですぐに退職するなら辞める旨を伝えると同時に有給消化を申し出て実質的な即日退職と同じ状況を作りましょう。

詳しくは後述の「有給があれば消化する」をご参考になさってください。

退職理由は一身上の都合で良い

法的には退職理由を用意する義務は定められていません。そのため、言わなくとも退職はできますし、言う場合は必ずしも本音で退職理由を伝える必要もありません。極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。

その為、どうしても退職理由を伝える必要がある場合は「一身上の都合」でも構いません。

辞める際の伝え方例

【電話で伝える例】

○○先生、お疲れ様です。

○○(自分の名前)です。ただいまお時間よろしいでしょうか?

急なご連絡となり申し訳ございませんが、一身上の都合により退職させていただければと思ってます。

大変身勝手ではありますが、〇月〇日をもって退職させていただけませんでしょうか?

電話での連絡となり失礼なことは承知の上ですが、

体調がすぐれず、どうしても出社することが困難な状況です。

本来ならば直接お会いしてお伝えしなければならないところ

お電話でのお伝えとなり大変申し訳ございません。

お手数をお掛けしますが宜しくお願い申し上げます。

電話での伝達になって申し訳ない旨を踏まえつつ、いつ退職したいのか?を明確にして退職を伝えましょう。

【注意】職場に対する不平不満は避ける

なお、退職を伝える際は仮に職場に不満があったとしても伝えない方が良いです。職場への不平・不満を挙げると心証が悪くなり、万が一にも感情的なやりとりになってしまうと円満退社が出来なくなるか、退職交渉自体が進まなくなる可能性もあります。

そのため、一身上の都合という退職理由が一番無難と言えます。

連絡は朝の始業前がおすすめ

退職相談は通常勤務外の内容になるので勤務中の相談は避けるのがマナー。そのため、勤務が始まる始業時間前に相談をしましょう。

うちやま
うちやま

電話退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

辞める際の注意点

正社員でのバックレは禁止

どれほど今の職場が嫌だとしても感情的にバックレをすることだけは避けてください。

バックレによる退職は認められていません。そのため、バックレによる退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。

中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。

  • 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
  • 転職時にマイナスな印象を与えることになる

また、懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。

他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは労働者にとってデメリットが大きすぎます。そのため、辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。

試用期間の辞め方は正社員と同じ

試用期間中に辞めたくなった場合、試用期間だからと言って退職に対して特別な法律が義務付けられているわけではありません。通常の社員と基本的には同じ退職ルールになります。

その為、バックレることなく退職する旨を職場に伝えて退職処理を進めてください。

損害賠償は原則気にする必要はない

(賠償予定の禁止)
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

労働基準法第16条

原則として損害賠償ありきの労働契約を結ぶことは法律で禁止されています。そのため、退職することに対して職場は労働者に対して損害賠償を義務付けることは出来ません。

損害賠償は第三者が見ても辞めることで会社に多大な悪影響を残したときに検討されますが、ただ退職するだけであれば会社に多大な悪影響を残したとは認められにくいので原則として退職時の損害賠償は気にする必要はありません。

「辞めると罰則があるのでは?」と不安になる人もいますが、過度に気にする必要はありません。

備品の返却と私物の回収

スマホ、PC、制服、社章など職場から借りているものがあれば必ず返却しましょう。直接返却しても良いですし、それが難しければまとめたものを郵送で職場に送っても問題ありません。

また、私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう職場に伝えてください。

有給があれば消化する

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索

有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、有給の権利は退職すると消滅してします。そのため、有給が残っている場合は必ず退職前に有給を消化してしまいましょう。

なお、有給は正社員だけの権利ではなく正社員、派遣、パート問わず条件を満たせば有給という権利が皆一様に発生しますので雇用契約内容に関わらず有給の条件を満たしていれば誰でも有給を申請・消化することが可能です。

うちやま
うちやま

退職時に有給が使えないトラブルへの対処法について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

歯科助手を辞めたいという人は多い

歯科助手を3ヶ月で辞めたいと考えてしまう

一週間で辞めたいと感じる人も

4月から正社員で歯科助手の仕事をしています。
始めてからまだ一週間ですが、人間関係が上手くいかず辛くてもう辞めたいです。

私は未経験で歯科助手を始めたので分からない事ばかりだし、まだ全然仕事ができません。
そんな私を見てイラついているのかよく睨みつけられたりします。
私の悪口を言っているのも聞いてしまいました。

元から働いている歯科助手の方は2人いるのですが、この2人が物凄く仲が良く私は仲間外れ状態です。
いつも2人で話していて私は全く会話に入れずまるで空気のような扱いです。

仕事は教えてくれますが、凄く嫌そうな顔をされます。

こんな態度をされていつも涙が出そうになるのを我慢し頑張って堪えていますが本当に辛いです。

Yahoo!知恵袋

歯科助手として務めて一週間です。
先生のやり方が合わず精神的に辛いので辞めようと思います。
あまりにも辛くて2日間休みました。
経験は無いのですが、未経験可とハローワークの求人でみつけてたのですが
蓋を開けると実際は経験者を欲しがっていたようで経験者のように扱われます。
やり方も、昨日、まで絶対触るなと言っていたものを今日になって何故やらないのとどやされたり。。。
そこで、今日の朝、辞めるといってそのまま帰ってきても大丈夫でしょうか?
本当に辛いんです。

Yahoo!知恵袋

中には一日(初日)で辞めた人も

歯科助手は離職率が高いんですか?
本日歯科助手兼受付の正社員面接をしてきました。
院長先生?が面接をしてくださったのですが、
先月入った人は一日で辞めてしまったや、入社前に辞退や、制服頼んだのに来ないや、だいたいみんな3か月も続かないから、慎重に選んでると愚痴ってました。

Yahoo!知恵袋

【大事】

厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という理由が一定の割合を示しています。

人間関係や労働環境が合わなければ強いストレスがかかるので、その影響で辞めたくなるのは自然なこと、ということです。

うちやま
うちやま

職場環境や人間関係が影響して気持ちが持たなくなりそうなときは以下の記事もご参考になさってください。

我慢はしない方が良い

いまの職場に居続けるのが難しいという状態にも拘わらず我慢して働き続けることだけは避けてください。

辞めたいのに辞められない状況は強いストレスがかかり、状況が続くとうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあります。

職場は責任をとってくれない

うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。

病気の回復には時間がかかり、勤務が出来なくなるだけでなく、その後の就職活動や社会復帰そのものにも影響します。ですが、ご自身のプライベートを職場が守ってくれることはありません。
そのため、うつや適応障害になる可能性があるなら我慢していまの職場に留まることなく、退職を最優先に動いてください。

社会的なダメージを負うリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません。一番大事なことはご自身の身の安全です。

うちやま
うちやま

うつになる前に退職したことが良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

例外的に歯科助手を即日退職できる方法

1.民法第627条と有給消化を組み合わせる

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条

民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。

仮に就業規則により「退職は3ヶ月前に申請する」などと規定されていたとしても就業規則には法的な絶対の効力があるわけでは無く、民法第627条による2週間での退職が優先されます。

そのため、民法第627条に則って解約の申し入れ(退職届を用意して辞める旨を伝える)を行い、2週間という期間に対して有給を消化して過ごすことで実質的な即日退職が成立します。

2.やむを得ない理由による合意退職

(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

民法第628条

民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。

なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。

勤務の継続が難しい時は職場に事情を伝えて合意退職をしてもらえるか?の相談をしてみてください。

3.労働条件の相違を伝える

(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。

労働基準法第15条

労働基準法第十五条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。

入社時に職場から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる際はその旨を職場に伝えて即日退職をしてしまいましょう。

うちやま
うちやま

労働条件の相違と退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

4.退職代行に依頼して即日退職

  • 退職を自分で切り出すのは難しい
  • でも、どうしても辞めたい

という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。

確実に退職が成立します。

退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。

代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。

具体的には、

  • 確実に退職が成立する
  • 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
  • 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い

等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれます。

そのため、あなたが

  • 退職を自分で切り出すのは難しい
  • でも、どうしても辞めたい

という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。

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まとめ

退職は直接伝えずとも電話で伝えて成立させることもできます。

事情があってどうしても直接伝えるのが難しい時は電話という手段で退職を伝えて退職手続きを進めましょう。

また、どうしても電話するのも難しいというほどに問題を抱えているときは退職代行を利用して無理のない退職を進めてみてください。

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この機体の開発者
スミ入れがんばる
うちやま(内山智明)

新卒で入社したブラック企業で月の残業168時間、気合努力根性の精神論だけで詰められ、簡単に辞めさせてくれない毎日を過ごして退職するまでに苦労した経験がある。現在は株式会社BuildingBlockの代表となり、自身の経験を元に、会社を辞めたいのに辞められない・辞めると言い出しにくい人向けに退職や辞め方に関する情報発信を行う

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