妊活や不妊治療を理由に退職する際の退職理由と伝え方をどうすべきか?について解説します。
妊活で退職したい時の伝え方
妊活や不妊治療で仕事を辞める際の退職理由は何でも良い
原則として、退職時に退職理由を用意する法的な義務は存在しません。そのため、退職理由を言わなくとも退職はできますし、言う場合は必ずしも本音で退職理由を伝える必要もありません。
嘘でも問題は無い
極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。
もちろん、一般的には何も言わずに退職するのは難しいので何かしら理由を用意することになりますが、退職理由に困った時は「一身上の理由」「家庭の事情のため」「体調不良で回復に専念したい」など、無難な理由を用意して伝えてください。
妊活や不妊治療は非常にデリケートな問題ですので、伝えると問題が起こりそうだと懸念がある場合は無理に本当のことを言う必要はありません。
信用できる相手であれば正直に伝える
上司や職場の方々との関係が良好で信用が置ける相手であれば正直に「妊活に集中したいので退職させてください」と伝えても良いでしょう。
関係性がある方の場合、事情を理解して応援してくれることも少なくありません。
妊活を退職理由にして伝えて良いのか?と悩む人は多い
「妊活で休職退職ってありなの不妊治療の現実」というトピックが挙がるほど、妊活と退職に関する関心は以前から続いており、現在に至っても『妊活を退職理由にして伝えて良いのか?』と悩む人は多くいます。
退職理由が不妊治療のため
私も旦那も28歳
結婚2年目 妊活中です。
将来は3人くらい子どもがほしいと思っています。
30歳になる前に1人目の子供が欲しくて
不妊治療を行い先日 人工授精1回目を終えましたが、生理が来てしまいました。不妊治療を進めていく上で
通院の為の日程調整や販売業のノルマに対するプレッシャーで 最近疲れてきちゃいました。仕事を辞めて 妊活に専念したいのですが
退職理由が不妊治療のため私も旦那も28歳結婚2年目妊活中です。将来は3人… – Yahoo!知恵袋
共働きが主流の今 不妊治療のために退職をすることは甘えなのでしょうか、、、?
退職理由を子作りと伝えるべきか?に悩む方
子作りが理由の退職は不利?
歯科医院勤務9年目です。今年になって体制がかわり、退職したくてたまりません。一度口頭で、その次は退職願を出したんですが、もう少しがんばって、と言われずるずるきてますがもう辞めたいです。
今年結婚したので妊娠したら..と思ってましたが、急に妊娠して、体調が悪くなったりして休職→退職になると迷惑>だと思い、、(小さな医院なので産休制度などはありません。)それなら妊娠準備と言う理由で退職しようかな、と思>います。
子作りが理由の退職は不利?歯科医院勤務9年目です。今年になっ… – Yahoo!知恵袋
でもその場合だと失業保険は出産後、になりますよね。
すぐに妊娠するとも限らないので、妊娠するまで我慢して働くか、他の理由で退職した方がいいのか、アドバイスお願いします。
妊娠前の退職理由について。
今年の夏頃から、子作りを始めたいと思っています。
妊娠前に仕事を辞めたいと考えているのですが、退職理由を悩んでいます。
勤続3年、朝9時~夜20時位までの仕事です。勤務時間が長いのも理由の一つなのですが、本音の理由は、
・妊娠前にできることをしたい。
(新婚旅行に行っていないので、夏に旅行を予定しています)
妊娠前に一通り検査をしたり、準備をしておきたい。
・犬を飼っており、妊娠後、仕事と犬の世話は厳しそう。
(また、妊娠前に犬との思い出も作りたいです)一般的には、妊娠がわかってから退職するのだと思いますが、
妊娠前の退職理由について。 – 今年の夏頃から、子作りを始めたいと思っ… – Yahoo!知恵袋
妊娠前にこういった理由で退職するのはどうなのでしょうか・・・?
不妊治療に専念するので退職すると伝える方も
【大事】我慢せず退職を優先する
直接伝える方、別の理由を用意しようと悩む方と様々ですが本気で妊活を考えているなら今の職場に我慢して居続けるのではなく、どんな理由を用意してでも退職を優先した方が良いです。
妊活ではストレスを感じることが一番の大敵。できる限りリラックスした状態の方が成功しやすいものです。その為、会社というストレスにさらされやすい場所にいると妊活の成否に影響します。
成功率を上げるためにも本気で妊活を考えている場合は退職を最優先に考えてください。
妊活で仕事を辞める際の注意点
上司から伝える
退職理由は問わずで、原則として退職の申し出は直接の上司から伝えるのがマナーとなります。
少しでも心証を悪くしないためにも上司から伝えていただき、その後に上司と協議した上で他の人にいつ伝えるか?を調整していきましょう。
円満満退社を心がける
妊活という大事な理由があるとはいえ、それを理由に自分勝手に辞めようとすると周囲からは反感を買うことになります。
「急な話で申し訳ございません」と会社側にお詫びを伝えつつ退職を伝え、できる限り周囲からの反感を買わないよう円満退職になるよう心がけてください。
引き継ぎに関して
まだ引き継ぎができる余裕がある状況であれば、会社と決めた退職日までの中で有給消化などの期間を調整し、退職日までに間に合うよう引き継ぎを行います。もし間に合わない場合は後任の方にために引き継ぎ資料(引き継ぎマニュアル)を用意しておきましょう。
なお、引き継ぎ資料には以下を記載してください。
- 業務の社内での位置付け
- 業務の流れ(フローチャートなど)
- 業務に関わる社内外の関係者
- 過去に起こったトラブルやその対処法のノウハウ
- 顧客情報など必要なデータ
見ていただくとわかるように、業務や作業の繋がり・業務・作業に関わる関係者をそれぞれ明確化しておく資料になります。また、引き継ぎ資料は自分だけしかわからない言葉でまとめることなく、誰が見ても理解できる言葉でまとめてください。
【補足】引き継ぎは義務ではないし、拒否もできる
引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。
よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、事情があってどうしても対応が難しい時は引き継ぎ未対応でも退職は成立します。
退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
私物を回収しておく
私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。
どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう会社側に伝えてください。
備品の返却をする
スマホ、PC、制服、社章など会社から借りている備品はかならず返却してください。返却しないとあとでアレコレ言われる可能性があるので綺麗に辞めにくくなります。
直接渡しにいくか、それが難しい時は備品をまとめて会社に郵送すれば問題ありません。
給付金を申請しておく
失業後の生活費に対して不安を感じることもあるかと思います。一般的な対策としては失業手当が挙げられますが、失業手当は通常3ヶ月しか受け取ることが出来ません
そこで失業手当とは別に失業中の方の支援を目的とした「給付金(社会保険給付金サポート)」という国の制度があるので申請しておきましょう。給付金なら最大28ヶ月に渡って給付してもらえる可能性があります。
以下の条件に該当する方は給付金対象となるので申請してしまいましょう。
【条件】
- 社会保険に1年以上加入している
- 退職日が本日から『14日以上、90日未満』
- 年齢が20歳~54歳
- 現時点で次の転職先が決まっていない
一般的には給付金制度はまだ知られていないことが多いので不明な点もあるかもしれませんが、少しでも該当しそうと思えたら「自分が該当するのか?」と一度問合せてみてください。それが一番確実です。(すでに退職してしまっている人でも対象になります。)
退職後の生活費に対する不安を少しでも無くすためにも退職時は必ず申請しておくことをおすすめします。
辞めにくい職場にいる場合
事情がどうであれ
- 簡単に辞めさせてくれない
- 妊活への理解が薄い
- そもそも辞めにくい雰囲気がある
という会社に勤めている方が辞める場合、法律と第三者機関への相談を退職時に活用してください。
法に則って辞める
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。また、退職の申し入れ(退職届の提出)をすれば2週間で退職が成立します。
就業規則よりも法律が優先される
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などがあっても(例えば辞める半年前に申告しないとダメ、など)就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場を辞めたい
というご状況であれば法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
事情があり退職届を直接渡すことが出来ない、もしくは相談したのに受け取ってもらえない場合は配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送してください。
会社側に退職届が届けられたことが証明できるため退職の意思を伝えた証拠になります。
また他にも
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段を用いて退職の意思(解約の申入れ)を伝えるのも有効です。
口頭で伝えることもできますが、中には「言った・言わない」とうやむやにされる可能性もあるため、退職届をはじめとして何かしらの証拠を残して伝えた方が確実です。
なお、会社側が退職拒否をしてきた場合「在職強要」となり違法行為に該当しますので会社の要請を受諾する必要はありません。詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 簡単に辞めさせてくれない
- 退職を切り出すとトラブルになる可能性がある
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 簡単に辞めさせてくれない
- 退職を切り出すとトラブルになる可能性がある
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
妊活は少しでも年齢が若いタイミングからはじめた方が好ましいと言われているため、本気で妊活を考えているなら無理せず退職し、妊活に集中する環境を整えることを第一としてください。
ただし、妊活はデリケートな問題であることも違いありません。
その為、職場の方があなたにとって信用のおける関係性を築けているか?を元に正直に伝えるか、別の理由を用意するか?を検討し、できる限り円滑な退職を進めていきましょう。