「明日から来なくていいよ」と言われた時の振舞い方と考え方について解説します。
明日から来なくていいよを真に受けない方が良い理由
「明日から来なくていいよ」という言葉自体には法的な強制力はありません。また、言葉自体がどういう意味合いで言われたのか？によって解釈が異なります。
そのため、額面通りに受け取ってしまうと労働者側に不利な状況になる可能性もありますので、言葉の意味合い・真偽のほどは確認した方が良いです。
行かないと労働者側に不利になる
言われた通りに明日から会社に行かなくなると、客観的に見た時には「労働者側の無断欠勤扱い」にされる可能性があります。
退職勧奨を受け取ったと見られることも
会社側が辞めさせたい労働者に対して行う退職勧奨だった場合、言われた通りに明日から会社に行かなくなると退職勧奨を受け入れたと判断されることもあります。
意味合いを確認する
労働者側が不利にならないためにも「その発言の意味合いは？」と確認する必要があります。
「そんなことはお前が考えろ」と濁されることもあるかもしれませんが、正確な意味がわからず仮に即座に退職をしてしまった場合、後になって「辞めろという意味では無かった」などと責任逃れの言い訳をされ、労働者側の勝手な判断とられてしまうこともあります。
そのため、ご自身の身を守るためにも「その発言の意味合いは？」と確認してください。
証拠を残しておく
可能であれば録音したいところですが、発言は急に出されるので現実的には難しいところ。そのため、いつ・どこで・誰が発言したものなのか？をわかるようにした上で発言があったその日の内にメモに残しておきましょう。
万全を期したい場合は、メモに対して交渉役場で確定日付を押してもらいましょう。確定日付を押してもらえれば、該当のメモを作成した日付が確定日和も以前であることが客観的に証明でき、記憶が鮮明なウチに作成したことが証明できます。
内容証明を送る
相手に発言の意図を確認する際、直接意味を教えてもらえない時は「誰が？どこで？誰に対して？どの様な意図を持って」その発言が成されたのか？を確認する書面を内容証明郵便で会社に送りましょう。
内容証明郵便によりア配達証明賞を付けて会社に送ることで「明日から来なくてもいいよ」という発言がなされたことを証明する手助けになります。
あらかじめ録音できる可能性がわかっている時は以下の記事もご参考になさってください。
試用期間の場合も同じ
試用期間中であれ会社と労働契約を結んでいる以上は通常社員と同じ扱いになります。そのため、試用期間中に「明日から来なくていいよ」と言われた場合も行う手順は同じです。
明日から来なくていいよ、はパワハラに該当する？｜明日から来なくていいよ パワハラ
発言の意味合いによって解釈が変わりますので一概にパワハラと判断するのは難しいです。
違法かどうか？の判断基準
「明日から来なくていいよ」という発言と共に解雇を命じられた場合は不当解雇に該当するのパワハラや違法行為として考えても良いです。しかし、休みを促したり、叱咤激励のための発言ではハラスメントには該当しません。
ハラスメントへの対応については以下の記事もご参考になさってください。
勤務を続けても問題はない
仮に発言の内容が解雇だとしても発言だけでは正式な解雇として成立しません。
そのため、明日からも引き続き勤務する権利が労働者にはありますし、労働する以上はその分の給与を受け取る権利があります。
正式に解雇通知を出されるか、ご自身で退職届を提出しない限りは勤務を続けても問題はありません。
まとめ
「明日から来なくていいよ」と言われてもその言葉自体には法的な意味は持ちません。
気持ちの上ではショックを受けるかと思いますが、額面通りに受け取る前に真偽の確認をしご自身にとって後々不利にならないように振舞ってください。