うつ病の診断書はすぐにもらえるのか?および、そもそもうつ病になるぐらいきつい職場に直面した時はどうやって現状を解決すれば良いのか?について解説します。
うつ病の診断書はすぐもらえるのか?と知恵袋でも悩みは多い
鬱病の診断書についての質問です。
うつ病の症状がありますが、病院にいけば診断書をすぐその日に貰えるものですか?教えて下さい。
Yahoo!知恵袋
うつ病なので、病院に行けばほとんどの場合診断書は医師からもらえるのですか?
Yahoo!知恵袋
ご存じの方教えてください。
鬱病の診断書とゆうのは、すぐに出されるものなのでしょうか?
Yahoo!知恵袋
1年ちょっと付き合っている彼が、先日、突然診断書貰ってきた。と言ってきて戸惑っています。
TwitterなどのSNSでも気にしている人は多い
【結論】請求すればもらえることが多い
診断書は、「見てもらった結果、医師が必要と判断して出す場合」と「患者側から請求(有料)をした場合」に発行されます。
患者から診断書の依頼をされた場合、正当な理由がない限りは医師は断ることはありませんので、後者の患者側からの請求(有料)をすればもらえることが多いです。
事前に伝えてから予約する
早期に必要であれば診断の予約をする際に「診断書が欲しい」と予め伝えておき、その上で診てもらいましょう。
なお、診断書の料金は3,000円前後が一般的。病院や内容によって変わるので、事前に病院のホームページなどを確認しておくと良いでしょう。
【補足】うつ病の診断書がもらえない場合
症状の具合によっては即断できずに経過観察することもあるので、その場合は初診でも診断書を発行してもらえないこともあります。
また、大規模の病院では診断書の用意に時間がかかるために後日受け取りになることもあります。
うつ病の診断書に嘘は書けない
また、嘘の診断書を発行することはできません。そのため、ズル休み目的に会社を休みたいからと嘘の診断書を要求することはできませんので予めご注意ください。
うつ病と感じるほどの勤務先で今後どうすべきか?
【大事】我慢して働き続けないこと
厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という理由が一定の割合を示しています。
つまり、職場の人間関係や労働環境が合わなければ辞めたくなるほどの強いストレスがかかることがわかっています。
過度なストレスは体を壊してしまう
強いストレスを慢性的に感じ続けているとうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあります。
うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響しますが、だからといって、ご自身のプライベートを会社が守ってくれることはありません。
うつと職場の上司との問題について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
うつ病の診断書をもらうことにデメリットを感じている場合ではない
うつにかかるとその後の職場での評価にも多少なりとも影響は出るので会社員としてのデメリットを感じてしまうこともあるかもしれません。ですが、うつになるぐらいの状況であれば会社員としてのデメリットを考えるよりも身の安全を優先して考えた方が良いです。
社会的なダメージを負うリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません、一番大事なことはご自身の身の安全ですから。
うつになる前に退職したことが良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
職場の苦しみを誰かに相談したい場合
こうした外部機関相談してみましょう。
なお、具体的な解決案を提示してくれるというよりも、「お話しを聞いてもらえる」となる可能性があるので、取り急ぎの悩みの掃き出し口として活用するぐらいが良いでしょう。
休職の申請をする
まずはご自身の気持ちと体を休める期間を用意してください。
なお、休職であれば休みを取得できるだけでなく、条件にもよりますが休職中に傷病手当金を申請しておくことで休み中の生活費もある程度確保できます。(傷病手当金の1日あたりの支給額は、標準報酬日額の2/3)
異動を申し出る
休んだとしても職場復帰後に問題が残っている・根本的な問題解決にならない、という場合は物理的に職場環境を変えるしかありません。その手段の1つとして異動届を出して配置転換をしましょう。
退職を申し出る
- 休んでも問題解決にならない
- 異動が認めてもらえない
- そもそも異動できる部署が無い
という場合は退職しましょう。
我慢し続けて心身を壊してしまうより、退職して今の環境を離れて別環境に身を置いた方が良いです。
根本的な問題解決が出来ない職場環境に身を置き続ける意味はありません。
退職する際の手順と注意点
バックレは避けた方が良い
バックレによる退職は認められていません。そのため、バックレによる即日退職を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。
中でも懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、バックレは退職行為に対するリターンとリスクを加味した際にリスクが大きすぎて帳尻が合わない行為と言えます。
そのため、法に基づかない即日退職行為だけは控えた方が良いです。辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。
有給を消化する
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索
有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、有給の権利は退職すると消滅してします。そのため、有給が残っている場合は必ず退職前に有給を消化してしまいましょう。
引き継ぎは必須ではない
引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。
よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、うつなどの事情があってどうしても対応が難しい時は引き継ぎ未対応でも退職は成立します。
退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
私物を回収しておく
私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。
どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう会社側に伝えてください。
備品の返却
スマホ、PC、制服、社章など会社から借りている備品はかならず返却してください。返却しないとあとでアレコレ言われる可能性があるので綺麗に辞めにくくなります。
直接渡しにいくか、それが難しい時は備品をまとめて会社に郵送すれば問題ありません。
給付金を申請しておく
うつ病で辞めた場合、すぐに転職ではなくしばらくの間は心と体を休める期間になります。そこで気になるのが休んでいる間の生活費。
失業後の生活費のアテとして失業手当がありますが、失業手当は通常3ヶ月しか受け取ることが出来ません。
そこで、失業手当とは別に失業中の方の支援を目的とした「給付金(社会保険給付金サポート)」という国の制度があるので申請しておきましょう。給付金なら最大28ヶ月に渡って給付してもらえる可能性があります。
以下の条件に該当する方は給付金対象となるので申請してしまいましょう。
【条件】
- 社会保険に1年以上加入している
- 退職日が本日から『14日以上、90日未満』
- 年齢が20歳~54歳
- 現時点で次の転職先が決まっていない
一般的には給付金制度はまだ知られていないことが多いので不明な点もあるかもしれませんが、少しでも該当しそうと思えたら「自分が該当するのか?」と一度問合せてみてください。それが一番確実です。(すでに退職してしまっている人でも対象になります。)
退職後の生活費に対する不安を少しでも無くすためにも退職時は必ず申請しておくことをおすすめします。
双方の合意で辞める
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
うつ病は病気であり勤務に影響が出ることは明白。加えて、うつ病状態であれば早々に職場から離れたい、という気持ちが強い状況かと思います。
そのため、会社側に事情を伝えて双方の合意の下での即日退職を相談してみてください。
民法第627条より2週間で辞めてしまう
- 双方の合意が認められない
- でも、できる限り早く辞めたい
という場合は、民法第627条より2週間で辞めてしまいましょう。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職の意思を示せば(=退職届を提出する)退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場に居続けるのが難しい
というご状況であれば法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。
退職願と退職届の違い
退職願は辞表の意思表明をあらわすもので、雇用者側の受理・承諾を求めます。雇用者との合意が必要となるのでこれを雇用者に受理・承諾してもらわなければ退職の効果は生じません。
退職届は労働契約の一方的な解約の意思、辞職の意思表示を表すもので、出してしまうと取り下げはできません。退職届の場合、雇用者に伝えたら雇用者の受理・承諾がなくとも、2週間の経過により、退職の効果が生じます。
退職願はそれ自身に法的な効力が生じないので退職願いが受理されないこと自体には違法性がありません。よって、退職を成立させたいときは「退職届」を会社側に提出してください。退職届であれば退職の意思を示したことになるので退職が成立します。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
うつ病をはじめとしたメンタルトラブルに遭う方は少なくありません。その為、ご自身の身を守るためにも早々に診断書を用意して休める状況を用意した方が良いです。
会社で真面目に勤務することも大事ですが、一番大事なのはご自身の安全と健康です。
どうしてもの際は我慢することなく会社を休むことを優先していただく。もしくは、休んでも問題が解決しないようなら退職も視野に入れてご自身を守ることを優先してください。