異動して1ヶ月で辞める際の注意点と退職の伝え方

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異動して1ヶ月で辞める際の注意点退職の伝え方・手順について解説します。

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異動して1ヶ月で辞めることは可能

【前提】退職は労働者の権利

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

民法第627条

民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。また、仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。

異動してすぐだと辞めにくさを感じることはあるかもしれませんが、異動後一ヶ月で辞められない理由・義務は存在しません。

異動して1ヶ月でまったく慣れない時は退職も選択肢になる

異動して1ヶ月で慣れないことは決しておかしなことではありません。

ただし、慣れないことで過度にストレスが過度に溜まってきているのであれば話は別。そのまま放置するのは危険です。

【大事】労働環境は退職に影響する

厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、前職を辞めた理由として「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」という理由が一定の割合を示しています。

令和3年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省
令和3年雇用動向調査結果の概要について紹介しています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf

人間関係や労働環境が合わなければ強いストレスがかかるので、その影響で辞めたくなるのは自然なこと、ということです。


職場環境や人間関係が影響して気持ちが持たなくなりそうなときは以下の記事もご参考になさってください。

自分の身の安全を第一に考えた方が良い

いまの職場に居続けるのが難しいという状態にも拘わらず我慢して働き続けることだけは避けてください。

辞めたいのに辞められない状況は強いストレスがかかり、状況が続くとうつ病や適応障害など精神疾患にかかるリスクがあります。

異動一ヶ月でうつや適応障害になる前に

うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。

病気の回復には時間がかかり、勤務が出来なくなるだけでなく、就職活動や社会復帰にも影響します。ですが、ご自身のプライベートを会社が守ってくれることはありません。

そのため、うつや適応障害になる可能性があるなら我慢していまの職場に留まることなく、退職を最優先に動いてください。社会的なダメージを負うリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません。

一番大事なことはご自身の身の安全です。

部署異動してからすぐ辞める人の事例

移動した職場が合わないことで退職する人は少なくありません。

異動1ヶ月で退職したいと感じる方は多い

中には異動して1週間で辞める方も

部署異動は環境変化ですので、環境の変化による予想以上のストレスを感じる人は少なくありません。また、仮に環境が良くとも移動先の上司に恵まれないこともあります。

いずれの場合においても勤務の継続が難しい環境に当たってしまうと退職を検討してしまうのは致し方が無い選択肢と言えます。

異動したばかりだけど退職をしたい、という時の注意点

円満退社を心がける

短期間とはいえ、お世話になったことには違いありません。また、短期間で辞めてしまうことで職場側にある程度の負担をしいてしまうことも事実です。よって、「辞めるからどうでもいい」ということにはなりません。

引き継ぎしたばかりの退職で申し訳ない旨は伝える

移動時にそれまでの業務の引き継ぎを行い、異動先で活動できるように場の環境を整えてもらっているかと思います。

その上で早期で辞めるわけですから、辞める際は「短期間での退職となり申し訳ございません。」「短い間ではありましたがありがとうございました。」など謝罪と感謝の意を伝え、少しでも円満退社を心がけてください。

バックレだけは避ける

今の職場が嫌だからとバックレによる退職は認められていません。バックレによる退職を行うと違法行為となり、労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。

中でも懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝えなければ経歴詐称になるので必ず伝える必要があります。

つまり、懲戒解雇になるとその事実が必ず転職先にはバレますので転職活動においてご自身の印象が悪くなり不利益しかありません。

そのため、法に基づかないバックレ行為だけは控えた方が良いです。辞めるなら法に則って確実に・安全に辞めましょう。

退職理由は一身上の都合で良い

原則として法的には退職理由を用意する必要はありません。そのため、言わなくとも退職はできますし、言う場合は必ずしも本音で退職理由を伝える必要もありません。極論ですが退職理由が嘘であっても問題はありません。

どうしても退職理由を伝える必要がある場合は「一身上の都合」でも構いません。

有給を消化して辞める

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

労働基準法第三十九条|e-Gov法令検索

有給は労働者の権利として認められており会社はその権利を拒否することはできません。また、有給の権利があっても退職してしまえば権利は消滅します。よって、有給が残っている場合は必ず退職前に有給を消化してしまいましょう。

うちやま
うちやま

退職時に有給が使えないトラブルへの対処法について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

引き継ぎを行う

短期間の勤務であっても場合は、退職日までに間に合うよう引き継ぎを行います。もし間に合わない場合は後任の方にために引き継ぎ資料(引き継ぎマニュアル)を用意してください。

  • 業務の社内での位置付け
  • 業務の流れ(フローチャートなど)
  • 業務に関わる社内外の関係者
  • 過去に起こったトラブルやその対処法のノウハウ
  • 顧客情報など必要なデータ

このように、業務や作業の繋がり・業務・作業に関わる関係者をそれぞれ明確化しておく資料Ⅱしておきましょう。なお、引き継ぎ資料は自分だけしかわからない言葉でまとめることなく、誰が見ても理解できる言葉でまとめてください。

【補足】引き継ぎは義務ではないし、拒否もできる

引き継ぎは法律で定められた規則や義務ではなく、お世話になった会社に対する気持ちとして行う業務です。

よって、引き継ぎを拒否することもできますし引き継ぎをしないことで罰則が発生することもありません。
円満退社や一般的なマナーとしては引き継ぎは行った方が良いですが、事情があってどうしても対応が難しい時は引き継ぎ未対応でも退職は成立します。

うちやま
うちやま

退職時の引き継ぎについて詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

私物の回収

私物が残っていると会社側が誤って破棄してしまう可能性がありますので、辞める前に私物は持ち帰っておきましょう。

どうしても残ってしまう場合は着払いの郵送で送ってもらうよう会社側に伝えてください。

備品の返却

スマホ、PC、制服、社章など会社から借りているものは必ず返却しましょう。

まとめて直接返却しても良いですし、それが難しければまとめたものを郵送で会社に送っても問題ありません。

異動して1ヶ月で辞める際の条件と手順

1.就業規則に則って辞める場合

辞める1ヶ月前に伝える、という就業規則があれば規則に従って1ヶ月前に退職の旨を伝えて退職手続きを進めましょう。一番ベタですが無難な方法です。

また、退職時は「退職願」ではなく『退職届』を会社側に渡しましょう。

退職願と退職届の違い

退職願は辞表の意思表明をあらわすもので、雇用者側の受理・承諾を求めます。雇用者との合意が必要となるのでこれを雇用者に受理・承諾してもらわなければ退職の効果は生じません。

退職届は労働契約の一方的な解約の意思、辞職の意思表示を表すもので、出してしまうと取り下げはできません。退職届の場合、雇用者に伝えたら雇用者の受理・承諾がなくとも、2週間の経過により、退職の効果が生じます。

退職願はそれ自身に法的な効力が生じないので退職願いが受理されないこと自体には違法性がありません。よって、退職を成立させたいときは「退職届」を会社側に提出してください。退職届であれば退職の意思を示したことになるので退職が成立します。

2.民法第627条により2週間で退職は成立する

「【前提】退職は労働者の権利」でもお伝えしたように、民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められており、解約の申し入れ(退職の申し入れ)から2週間を経過すれば法的に退職が成立します。

仮に雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などがあったとしても就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば必ず退職が成立します。

  • どうしても今の職場に居続けるのが難しい
  • でも、少しでも早く辞めたい

というご状況であれば民法第627条に則って解約の申し入れ(=退職届の提出)という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。

3.民法第628条による合意退職なら即日退職

(やむを得ない事由による雇用の解除)
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

民法第628条

民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。なお、やむを得ない事由の例としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。

移動先に合わず、どうしても勤務が難しいと感じたら会社側に相談してみましょう。

相談後、会社側が認めてくれれば双方の合意に基づく即日退職が成立します。

4.ハラスメント被害に遭った場合

第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

労働契約法 | e-Gov法令検索

ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、ハラスメントが起こる職場ということは労働契約法5条で定められた使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない職場、となります。

つまり、労働契約法5条に反している状況(違法な状況)ということです。

加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。

いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。

うちやま
うちやま

ハラスメントに対する退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。

5.どうしてもの際は退職代行に相談する

  • 退職を自分で退職処理をするのが難しい
  • 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
  • でも、どうしても辞めたい

などのご状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。

確実に退職が成立します。

退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。

代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。

具体的には、

  • 確実に退職が成立する
  • 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
  • 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い

等があります。

そのため、あなたが

  • 退職を自分で退職処理をするのが難しい
  • 退職相談をしたのに辞めさせてくれない
  • でも、どうしても辞めたい

という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。

※自分で退職を切り出すのが難しいという方だけが相談してください
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まとめ

異動したばかりの退職は気が引ける面も少なくありません。

ですが、どうしても移動先の職場環境に合わなければ我慢し続けても仕事のパフォーマンスは上がらず、心身共に消耗してしまうだけです。

万が一にも心と体が壊れてしまっては意味がありません。その為、どうしても難しいと感じた際は異動してすぐのタイミングであっても退職という選択肢も用意しておきましょう。

この機体の開発者
スミ入れがんばる
うちやま(内山智明)

新卒で入社したブラック企業で月の残業168時間、気合努力根性の精神論だけで詰められ、簡単に辞めさせてくれない毎日を過ごして退職するまでに苦労した経験がある。現在は株式会社BuildingBlockの代表となり、自身の経験を元に、会社を辞めたいのに辞められない・辞めると言い出しにくい人向けに退職や辞め方に関する情報発信を行う

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