「退職理由に嘘をつくのはどうなのか?」
嘘をついてまで辞めたいと感じている職場をトラブル無く確実に辞める際の注意点について解説しています。
歯科衛生士は退職理由に嘘を付かない方が良い理由
バレる可能性がある
嘘をついたとしてもバレないように我慢するのは簡単ではありません。少しでも違和感があれば先生から「本当に?」と疑われ、勢いでバレてしまうこともあります。
心証が悪くなる
バレると相手側の心証が悪くなるので退職がスムーズに進みにくくなることもあります。退職相談後の嫌がらせをはじめ、離職票発行へ影響がでることも。
【補足】以前の会社に連絡されて面接の際にバレることも
転職活動の際に以前の会社を辞めた理由を伝えた際、転職先が前の職場に連絡して確認を取ることもあるので、転職活動時に嘘を伝えるとご自身に取って不利になることもあります。
以上のことから、極力嘘はつかずに辞めた方が良いでしょう。
どうしても勤務が難しい事情がある場合
- 引っ越しで勤務が難しくなった
- 子供のお世話で勤務が難しくなった
など、どうしても正当な理由がある場合は嘘をつかずに正直に伝えた方が良いです。
バレる心配や後ろめたさもありませんし、理由が正当なら相手も認めざるを得ません。
本音が難しい時は一身上の都合にする
- 先生が怖くてついていけない
- 職場の人間関係が
など、本音を伝えるのが難しい事情がある場合「一身上の都合」で通しましょう。
そもそも退職理由の用意は法で義務付けられていません。そのため、退職理由の用意が無くとも退職自体は成立します。
どうしても伝えなくてはいけない、でも本音は言えないし嘘も難しいという際は「一身上の都合」とだけ伝えてください。一身上の都合であれば辞める際はもちろん、仮に転職の際に確認を取られても問題はありません。
退職は何ヶ月前に言うべきか?
一般的な目安としては1~3ヶ月前となりますが、原則は社内の就業規則に基づいて伝えましょう。
退職と嘘について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
辞める時は嘘よりも確実に辞める条件を整えた方が良い
嘘をつくことを考えるほど退職を伝えるのが難しい職場環境である場合、「すぐに辞めたい」もしくは「就業規則にのっとった正規の退職の手続きは期待できない」といったネガティブな状況が考えられます。
その為、以下に挙げた確実に退職が成立する条件を整えて辞めるのが確実です。
1.民法第627条より2週間で辞める
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められています。
仮に会社から引き止められたとしても会社には強制力はないので、退職が出来ないということはありません。
雇用先によっては特殊な雇用契約書を結んでいる・特殊な就業規則になっている、などの可能性もありますが就業規則よりも法律が優先されますので退職の意思を伝えれば(=退職届を提出する)必ず退職が成立します。
- どうしても今の職場に居続けるのが難しい
というご状況であれば法に則って「退職届を提出する」という具体的な退職の意思を示して辞めてしまいましょう。
退職届を受け取ってもらえない場合
事情があり退職届を直接渡すことが出来ない、もしくは相談したのに受け取ってもらえない場合は配達記録付き内容証明郵便で退職届を郵送してください。
会社側に退職届が届けられたことが証明できるため退職の意思を伝えた証拠になります。
また他にも
- 退職の旨を記載したメールを送る
- 録音しながら口頭で伝える
等の手段を用いて退職の意思(解約の申入れ)を伝えるのも有効です。
口頭で伝えることもできますが、中には「言った・言わない」とうやむやにされる可能性もあるため、退職届をはじめとして何かしらの証拠を残して伝えた方が確実です。
なお、会社側が退職拒否をしてきた場合「在職強要」となり違法行為に該当しますので会社の要請を受諾する必要はありません。詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
2.やむを得ない事由による合意退職
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第628条より、やむを得ない事由が発生した場合は会社と労働者、双方の合意に基づき即日退職が成立します。
なお、やむを得ない事由としては怪我・病気、家族の介護、出産などによりどうしても勤務が出来ない場合が該当します。
直接伝えるのが難しい際は以下の記事をご参考になさってください。
3.ハラスメント被害に遭っている場合
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので、職場側には「身の安全が保障されないため」と伝えてご自身の退職処理を進めましょう。
ハラスメント被害による退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
4.労働条件の相違
(労働条件の明示)
労働基準法第15条
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
③ 前項の場合、就業のために住居を変更した労働者が、契約解除の日から十四日以内に帰郷する場合においては、使用者は、必要な旅費を負担しなければならない。
労働基準法第十五条より、労働条件の相違は即時に契約解除(即日退職)が認められています。
入社時に会社から受け取った雇用契約書と実際の現場での労働条件・仕事内容が異なる場合、その旨を伝えて労働環境や業務内容を是正してもらいましょう。そして、聞き入れてもらえない場合は即日退職してしまいましょう。
労働条件の相違と退職について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職理由で嘘をつくのが怖い
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- でも、どうしても辞めたい
という方であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
すぐ辞めることが可能
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、希望者には有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 退職理由で嘘をつくのが怖い
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
どうしてもの際は嘘をついて辞めることも選択肢にはなります。ただし、嘘をつくときは最期まで嘘を貫き通す必要があり、決して簡単なことではありません。
そのため、どうしても辞めたい時は嘘よりも法的に退職が成立する条件から退職の申し出を進めていくようにしてください。
また、ご自身で退職を伝えること自体が難しいときは労働組合が運営する退職代行サービスという選択肢も検討してみてください。
また、どうしても電話するのも難しいというほどに問題を抱えているときは退職代行を利用して無理のない退職を進めてみてください。