仕事が終わらないことで精神的に追い詰められうつになりそうな状況にある際にどうすべきか?について解説します。
仕事が終わらないからうつになりそう
仕事が終わらない日々が続くと悩みを抱え込んでしまい、業務中だけでなく帰宅後や休日も仕事のことばかり考えてしまう状態になります。
その結果、しっかりと休みを取れなくなくなり睡眠障害や精神疾患(うつや適応障害など)など、体と心のそれぞれに影響が出てくる可能性があります。
【重要】うつになっても会社は責任をとってくれない
うつや適応障害などの精神疾患にかかると仕事だけではなくその後のご自身の人生やプライベートに影響します。ですが、ご自身のプライベート、つまりその後のあなたの人生を会社が守ってくれることはありません。
つまり、うつになりそうに感じる職場で我慢して頑張ったとしてもとあなただけが損をしてしまうだけになります。
うつになる可能性があるリスクを背負ってまで今の会社で我慢する必要はありません。
そのため、仕事で追い込まれて苦しいと感じたならいまの職場に留まることなく休職・異動・退職を検討してください。
うつになる前に退職した方が良い理由について詳しくは以下の記事もご参考になさってください。
仕事が終わらない原因
仕事に不慣れ
入社間もないために業務への対応に慣れていない場合はある意味不可抗力です。
誰しも最初から完ぺきに業務処理を進めることは困難ですから「仕事が回らない、どうしよう」などと過度に心配する必要はありません。
周囲の同僚、先輩、上司などに相談してサポートしてもらう、もしくは業務負担割合を上司に再検討してもらって仕事量を調整していきましょう。
仕事が終わらない新人の例
新卒・中途問わず、入社して間もないタイミングだと仕事が終わらないことも多いですが、そんな時こそ周囲に相談してください。一人で抱え込み過ぎるのだけは避けましょう。
そもそもの仕事量が多い
明らかに一人の労働者が1日でこなす実務量を越えている場合、物理的に無理です。
周囲の方と比較して仕事量が多いと思えば上司に相談して仕事量の調整をしてください。
仕事が終わらないから泣きそう、という人も多い
仕事が終わらない状態が続くと泣きそうになるぐらい気持ちが追い詰められる人も少なくありません。
会社は追い詰められる場所ではなく仕事をする場所です。
仕事が終わらない状態が続いているということは正しい仕事配分になっていない、という事でありマネジメント機能が機能していないという事でもあります。
仕事が終わらないのに残業をするなと言われる例
残業は避けるべきですが、残業をしないと処理できないほどに仕事を抱え込んでおり、その上で「残業をするな」と指導される場合はマネジメント機能が機能していない状況です。
上司に現状を報告し、どうやったら今の状態を改善できるのか?を検討してください。
その上で、精神論だけしか言ってこない場合は「無理」と割り切るか、異動や退職を検討した方が良いでしょう。
何でも引き受けてしまう
- 真面目で頑張り屋
- 性格的に良い人
というタイプに多いですが、何でも引き受けてしまうことで結果として抱える業務量が多くなることがあります。
積極的な姿勢は悪いことではありませんが、その結果業務が滞ってしまうなら本末転倒です。
今の業務内容を棚卸していただき、自分が対応可能な範囲がどこまでか?を整理した上で業務量の配分を上司と検討してください。
人手不足・周囲に頼れる人がいない
職場の人手不足により、周囲に仕事を振ったり相談したりできる環境にない場合、ご自身が仕事を抱え過ぎてしまうことになることで仕事が終わらない状況になりやすいです。
- 仕事が回らないような受注の仕方
- 仕事が回らない人員体制
理由は様々ですが、問題は解決せずに業務を進めている会社側の経営方針の問題といえます。
仕事が終わらないために逃げたい方も多い
一時的な問題であればまだしも、慢性的に人手不足の状況が続くようであれば会社に人員補充を訴えるしかありません。もし、それが通らない様でしたらご自身の健康に被害が出ない間に今の職場から離れることを検討したほうが良いでしょう。
ハラスメント・嫌がらせ
仕事が終わらない理由が上司からのハラスメントや周囲によるいじめなどが影響している場合、すぐに今の職場から離れてください。
我慢し続けていても問題の解決にはなりません。それどころか、ストレスによって精神疾患にかかる危険すらあります。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントやいじめは労働者の心と体の安全に影響がある行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、となります。
加えて、ハラスメントはハラスメント防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)違反にも該当します。
いずれの場合でも法律に反した状況であることに違いは無いので被害を受けているなら我慢する必要はありません。会社側には「身の安全が保障されないため」と伝えて休職、もしくは退職処理を進めてください。
ハラスメント被害への対策としては以下の記事もご参考になさってください。
仕事が終わらないから辞めたいという時の対処法
上司に相談する
上司に相談して仕事の配分量を調整してください。
いっぱいいっぱいになってしまうのはそれだけ仕事に対応しきれていないのが原因です。
そのため、気持ちが慌てない範疇から始めてみるよう仕事の配分量を調整し、業務の慣れに応じて徐々に元の業務量に戻していきましょう。
優先順位付け
今抱えている業務内容を洗い出し、重要度の優先順位をつけてください。
また、優先順位をつけたらどの業務をいつまでに処理するか?という期日も併せて設定しましょう。
- 目の前にあることかラ手をつける
- あれこれ同時にやろうとする
など、その時の勢いで仕事をすると返って非効率な動きになります。
必要なことと不要なことを切り分け、優先順位が高いものから1つずつ対処していきましょう。
大枠で進め、都度確認
仕事が終わらない人の特徴の1つに「細部にまでこだわってしまう」という問題があります。
丁寧に細かくこだわること自体は悪いことではありませんが、その分工数が増えるので進捗が滞りやすくなります。そのため、業務の進め方としては、
- とりあえず大事な所だけ進める
- 都度上司に確認
- 上司が問題無いと言えばそのまま進める
- 問題を指摘されたらその時に細部を調整する
このように大枠で進めて都度確認を繰り返していきましょう。
工数負担が減るので進捗が改善されます。
人に回す
会社は基本的にチームプレイです、自分だけですべての問題を抱え込む必要も解決する義務もありません。
出来ること・出来ないこと、必要なこと・不要なこと、を切り分けたら上司に相談した上で仕事を周囲へ回していきましょう。
人員補充を依頼する
物理的に人的工数が不足している場合、人員補充をする他ありません。
上司や人事部に現状を相談し、新しく人員を補充してもらってください。
異動
部署異動ができる規模の会社であれば現在よりも業務負担が少ない環境に異動するという選択肢もあります。
業務負担が減る、もしくはご自身の性格に合った無理のない職場環境に異動できれば仕事が終わらないことで気持ちが追い込まれる機会も無くなります。
バックレだけは避ける
仕事が終わらず精神的に追い詰められている状況とはいえ、残念ながら日本の法律では原則としてバックレや無断欠勤は認められていません。
バックレや無断欠勤を行うと「違法行為」となり労働者に対して損害賠償請求や懲戒解雇を与えられる危険があります。中でも懲戒解雇になると以下の問題が起こります。
- 本来貰えるはずだった退職金の一部または全部不支給
- 懲戒解雇になると転職活動時に相手先に伝える義務があるので転職時にマイナスな印象を与えることになる
他にも嫌がらせや呼び戻しなどの可能性もあり、労働者側にメリットはありません。
辛い状況でこのような提案をするのは酷だと思ってはいるのですが、バックレにはリスクが多いので、辛いからといってバックレをすることだけは避けてください。
どうしても今の状況から逃げ出したい時は正直に上司に状況を伝え、休職や退職を検討しましょう。
退職する
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
民法第627条により退職の自由は労働者の権利として定められており、会社にはその権利を拒否する力はありません。
どうしても業務負担がキツすぎることで会社に在職し続けるのが難しいと感じたらご自身の体を壊す前に退職しましょう。
原則として退職は社内規定に従い退職処理を進めたほうが好ましいですが、どうしても耐えられない・すぐにでも辞めたいという時は民法に従って14日で辞めても問題はありません。
仮に社内規則で「辞める1、2ヶ月前に退職申請する」などと規定があったとしても民法が優先されるので14日で退職は成立します。
(やむを得ない事由による雇用の解除)
民法第628条
第六百二十八条 当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
また、場合によっては民法第628条によりやむを得ない事由と判断され、会社と労働者の双方合意による即日退職になるケースもあります。
どうしてもの際は退職代行に相談する
- 退職を自分で切り出すのは難しい
- でも、もう今の職場に耐えられないから辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
退職代行はお手持ちのスマホから電話やLINE(メールでも可)か相談が可能。希望があれば相談したその日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間からあなたは職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良い状態になれます。
具体的には、
- 確実に退職が成立する
- 法律に則って退職処理するので法的なトラブルがない
- 自分で対応する必要が無いので退職にまつわるストレスが無い
等があり、有給消化や未払いの交渉もしてくれますので退職代行費を支払う以上の利用メリットがあります。
そのため、あなたが
- 自分から退職を切り出すのが難しい
- 切り出したとしても辞めさせてもらえない
- でも、どうしても辞めたい
という状況であれば労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
まとめ
一時的な問題であれば慣れの影響が強いですが、慢性的に仕事が終わらない状態が続いている状況なら話は別です。
そのまま我慢しても状況は変わりません。
職場環境を改善すべく上司に相談して対応してもらうか、それが難しいならご自身の心身に影響が出る前に異動や退職などを検討してください。