有期雇用契約では原則として即日退職が認められない理由、および例外的に即日退職が成立する条件、について解説しています。
有期雇用での即日退職は原則として認められない
有期雇用契約を結んでいる場合、民法第627条より「退職は次の契約更新時に退職の申し入れが可能、且つ解約の申し入れは現在契約期間中の前半までに申し入れる必要がある」との定めがあるので原則として即日退職は出来ません。
ただし、労働基準法第137条より期間の定めのある労働契約を結んで期間の初日から1年を経過した日以後においてはいつでも退職ができるようになっています。
もしくは、やむを得ない理由(家族の介護や体調不良や病気・怪我など)があれば会社に相談の上、双方の合意の下で辞めることが出来ます。ど)であれば
【参考】該当する法律各種
期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
民法 | e-Gov法令検索
第百三十七条 期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者(第十四条第一項各号に規定する労働者を除く。)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成十五年法律第百四号)附則第三条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。
労働基準法137条
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。
民法第六百二十八条
【補足】有期雇用(有期雇用契約)とは?
企業と労働者が労働期間を定めて労働契約を結ぶことを有期雇用契約といいます。
労働基準法14条1項により、有期雇用契約の期間の上限は原則3年と定められていますが、高度な専門的な知識や技術、または経験を有する者や、満60歳以上の者と有期労働契約を締結する場合は例外的に5年の契約期間が認められています。
「契約社員」や「定年後の嘱託型契約社員」などが代表的な有期雇用契約といえます。
有期雇用でも即日退職する方法
【注意】バックレだけは辞めた方が良い理由
バックレによる退職は法的にも就業規則的にも反した行為となるため、万が一勤務先から訴えられたら高い確率で負けてしまいます。
損害賠償、嫌がらせ、呼び戻しなどご自身のプライベートに悪影響が及ぶ可能性もあるため、ご自身の身の安全や今後の人生設計を考えるのならトラブルが起こらない合法的な辞め方に徹した方が良いです。
法に基づいて辞める
「有期雇用での即日退職は原則として認められない」でも解説したように例外的に即日退職が成立する条件があります。
- 労働契約を結んで期間の初日から1年が経過している
- やむを得ない事情がある(家族の介護や体調不良や病気・怪我など)
等に該当する場合は即日退職が成立します。
また、上記に加えて
- ハラスメント被害
- 事前に聞いていた話と業務内容が異なる
という場合も即日退職が成立します。
第五条 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
労働契約法 | e-Gov法令検索
ハラスメントは心身の安全に害する行為であり、労働契約法5条に基づき使用者である会社側が労働者の生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができる環境を用意できていない、に該当するため法律違反となり即日退職扱いとなります。
身の安全が確保されていなければ出勤することはできない、と伝えて退職しましょう。
また、事前に聞いていた労働条件と異なる場合「労働基準法 第十五条 労働条件の明示」への違反となります。
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。
e-gov法令検索(労働基準法)
事前に明示した内容と実際の労働条件が異なる場合は契約の即時解除、つまり即日退職が成立します。
- 労働契約を結んで期間の初日から1年が経過している
- やむを得ない事情がある(家族の介護や体調不良や病気・怪我など)
- ハラスメント被害
- 事前に聞いていた話と業務内容が異なる
以上に該当する場合は例外的に退職が可能になるので、我慢して泣き寝入りすることなく法の下に退職処理を進めてしまいましょう。
どうしてもの場合は退職代行に相談する
- 退職に該当する状態だとわかってるが自分から退職を切り出せない
- でも、どうしても辞めたい
という場合は労働組合が運営する退職代行サービスに相談して辞めてしまいましょう。
確実に退職が成立します。
契約があるので辞められないと思っていたけど、、、
辞めたい・契約更新したくない、にも関わらず日ごろからハラスメントを受けていることで自分から意見しにくくなって辞めると切り出しにくい状態になっている時は退職代行という第三者機関に相談して代わりに退職処理を進めてもらいましょう。
退職代行はお手持ちのスマホからLINEで申込み相談が可能。希望があれば即日から代行業者が動き出してくれます。
代行業者が動き出した瞬間から職場に行くことも連絡する必要も無くなるので、早ければ相談した即日から会社に行かなくても良くなります。
嫌な職場を辞めることが出来た
辞められないと悩んでいたのが嘘のように簡単に退職が成立します。
具体的な退職代行の特徴として、
- 確実に退職できる
- ご自身から退職を切り出す必要が無い
- 法律に則って交渉するので法的なトラブルなく確実に退職できる
などがあり、あなたが代行サービスに支払う代金以上の利用メリットがあります。
その為、もしあなたが
- 辞めたいけど自分から言い出せない
- 職場の人と顔を合わせずに辞めたい
- トラブル無くすぐにでも辞めたい
等の場合は迷わず労働組合が運営する退職代行サービスを利用することをおすすめします。
まとめ
有期雇用契約では原則として即日退職が認められないですが、例外的に即日退職が正立する条件があります。
そのため、どうしてもの場合は我慢するよりも例外条件に当てはまっていないか?を確認しておきましょう。
また、どうしても自分から辞めると伝えられない時は退職代行に相談して辞めてしまいましょう。