上司のパワハラによる言葉の暴力から職場で身を守る方法

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上司のパワハラまがいの言葉の暴力をその場で受け止めるのは困難ですが、職場での人間関係を壊すことは避けたいために我慢し泣き寝入りすることもあるかと思います。

ですが、ハラスメントを我慢するとストレス過多によりうつや適応障害などの問題に発展することもあるので泣き寝入りは危険です。

そこで本記事では、職場の上司から受けたパワハラによる言葉の暴力から自分を守る方法を紹介します。

上司との付き合い方や上手な言い返し方、さらには社内外の機関の活用など、自分自身を守るためのポイントを解説していきます。

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パワハラによる言葉の暴力から身を守る方法

パワハラによる言葉の暴力を受けた際は感情的にならずに以下の対応を心がけて下さい。

証拠を押さえる

上司からパワハラによる言葉の暴言があった場合、証拠を残してください。証拠があればその行為を行った相手に対して適切な対処を取ることができます。

証拠を残す方法としては、ボイスレコーダーで問題となる音声を録音し、ノートに言われた言葉と状況を記録することが挙げられます。

また、このときの日時、会話の相手、会話を聞いていた第三者の名前なども正確に記録し、且つ5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して記録しておきましょう。

【補足】言葉の暴力以外の被害に遭った場合

業務日報をコピーして自分用に保管する、暴力の跡やストレス症状があれば医師に診断書を書いてもらう、勤務時間が記されたタイムカードや第3者の証言、社内メールやSNSのやりとり、写真なども証拠として使うことができますので、これらの証拠を残しておきましょう。

証拠の有無は後にあなたの命綱となります。繰り返しになりますがパワハラ行為に遭った場合は、可能な限り証拠を残してください。

心療内科に診てもらう

パワハラを受けた場合に起こり得る精神的な症状として、不安感や怒り、イライラ、恐怖感、無力感、自信喪失、うつ病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などがあります。これらの症状は体の中に蓄積されたストレスや不安が原因で起こることがあります。

パワハラを受けてこれらの症状が出た場合、まずは自分の健康を最優先に考え、早めに心療内科の医師に相談していただき、診断書を用意してもらいましょう。診断書があれば精神的なトラブルが労働によって引き起こされたことを証明するために非常に重要な証拠となります。

診断書はハラスメント対策だけでなく労災や慰謝料請求などの際に必要となることが多く、自己防衛のためにも必ず取得しておくべきです。

なお、診断書はご自身で依頼しないよ用意してもらえないので事情を説明して診断書を発行してもらいましょう。作成費用は2,000~5,000円が相場となり、自己負担となる場合がありますが、会社の健康保険や労災保険でカバーされることがあるため積極的に医師に相談してください。

社内機関に相談する

大手企業であれば社内に相談窓口が設けられていることが多く、パワハラなどの問題が発生した場合には社内の相談窓口を利用することができます。人事部やコンプライアンス部などが設置していることが多く、問題を報告することで内部調査が行われて問題が解決されることがあります。

ただし、中小企業や零細企業では相談窓口があっても実際には何も解決しないこともありますので、問題解決に繋がらない時は社外の専門家や団体に相談することが勧められます。

社内が難しい時は外部機関に相談する

社外の相談先として労働基準監督署や弁護士、労働組合、NPO団体などがあります。これらの専門家や団体は、被害者の立場に立ってアドバイスをくれたり、相談内容に応じたサポートを提供することがあります。

ただし、社外の専門家や団体に相談する場合でも証拠は必要ですので、被害を受けた状況をできるだけ詳細にメモしておき、且つ証拠となるものがあれば保管しておきましょう。

警察に相談することも可能

パワハラが刑法に違反する場合、被害者は警察に被害届を出すことができます。ただし、警察は基本的に民事問題に介入しないため、刑法に違反する明確な証拠が必要です。

刑法に違反する可能性のある罪としては、傷害罪や名誉毀損罪があります。傷害罪は暴力を伴う被害があった場合、名誉毀損罪は名誉を傷つけられた場合に適用される可能性があります。被害届を出す際には、医師の診断書や第三者の証言、録音などの証拠を用意する必要があります。

ただし、パワハラが刑法に違反しない場合、民事問題として処理されます。この場合は、被害者が自らの権利を主張するために、弁護士の助けを借りることもできます。

労働組合に相談する

労働組合が労働者を守る組織(労働条件改善や労働者の権利確保に努めてくれる)なのでパワハラ被害を受けた時は心強い味方になります。

労働者がトラブルに巻き込まれた場合、労働組合が相談に乗り必要なアドバイスを提供してくれます。また、パワーハラスメントなどの問題に対しては弁護士事務所よりも手軽にかつ安価に解決することができる場合があります。

社労士に相談する

社労士は「あっせん」という方法でパワハラ問題に対処します。

あっせんとは「裁判をしないで話し合って問題を解決する手続き」のことです。そのため、パワハラを受けているけど裁判はしたくないという方は社労士に相談して対応すると良いでしょう。

白黒つけたいときは弁護士に相談する

パワハラを受けると精神的なダメージだけでなく経済的な損失も被ることがあります。例えば、パワハラの被害者が受ける損失として、業務上のミスやミスによるクレームが増えてしまうこと、休職や退職による収入の減少、治療費や慰謝料の支払いなどがあり、現実的に経済的な損失に繋がってしまいます。

そのため、パワハラ被害者が法的手段を取って損害賠償を請求することもあります。

弁護士は被害者の権利を守り、慰謝料の請求や訴訟の準備などを手伝ってくれますが、裁判を起こすためには、時間と労力、費用がかかります。(基本的には報奨金と着手金がかかります。)

著者も弁護士に依頼してトラブルを解決したことがありますが金額的にも決して軽いレベルではなく、且つ問題解決に至るまでの期間は精神的な負荷もかかり続けます。そのため、必ずしも簡単・楽な対策とは言い切れません。

法テラスへの相談も検討する

そのため、いきなりの相談が難しい時は法テラスへの相談をお勧めします。

法テラスでは相談者が払える金額に応じて無料または格安で弁護士に相談できる制度を提供しています。そのため、資金のねん出が難しい時はまずは法テラスに相談しても良いでしょう。

他にも、パワハラに関する裁判例を集めたサイトがあり、慰謝料の相場や裁判例をまずはご自身で調べることかrあ始めても良いでしょう。

慰謝料の相場として

参考までに慰謝料の相場もお伝えしておくと、おおよそ50万円から100万円程度であり、悪質なケースや依頼者のゴールによってはそれ以上の金額を請求されることもあります。いきなり多額の金銭を要求されることはないので、気になる方はまずは弁護士に相談の上、見積もりを出してもらってください。

パワハラになる言ってはいけない言葉一覧

パワハラは職場で上司や同僚などが部下や他の従業員に対して人格や尊厳を傷つけるような言動を指します。その観点から、パワハラにあたる発言や言葉には以下のような種類があります。

  • 脅迫:「辞めたいなら自殺しろ」、「クビにするぞ」、「訴えてやる」など
  • 名誉棄損:「お前は無能だ」、「お前は給料泥棒だ」、「お前は仕事ができないから嫌われているんだ」など
  • 侮辱:「お前はバカだ」、「お前はゴミだ」、「お前は人間じゃない」など
  • ひどい暴言:「死んでしまえ」、「消えろ」、「黙れ」など

これらの発言や言葉は、相手の感情や立場を無視して攻撃的に話すことでパワハラと判断される可能性が高くなります。そのため、同じか類似する発言があればパワハラとお考えいただき、その内容を録音するか、メモに具体的にまとめて履歴を残しておきましょう。

武富士でのパワハラの例

立場を利用した高圧的な態度の場合

こうした職場の立場を利用した言葉の暴力がパワハラです。

上司や目上の人からの発言であればその言葉に対して従わなければならないという力関係が働き、言葉の暴力を受ける側は職場で抵抗することができないことがあります。

言葉の暴力を受けると被害者は自分の権利や尊厳が侵害されたと感じ、心理的なダメージを受けることがあります。職場での言葉の暴力は肉体的な暴力に比べて目に見えないため、周囲の人がそれに気づかないこともありますが積りに積もることでうつや適応障害になるだけでなく、被害者が社内で孤立する原因にもなります。

したがって、職場におけるパワハラ被害を受けた際は被害者自身が自分の権利を守ることができるよう、対処法や解決策、相談先などを知っておくことが大切になります。

パワハラとは?

パワハラの定義

パワハラは、職場での優位性や立場を利用して労働者に対して業務の適正範囲を超えた叱責や嫌がらせを行う行為のことを指します。

パワハラには6つの類型があり、それは身体的侵害、精神的侵害、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害として区分けされます。

職場のパワーハラスメント
画像参考元:パワハラ 6類型 – 厚生労働省

これらのパワハラ行為は労働者の心身の健康や人格を脅かし、職場内での安全な労働環境を破壊し、生産性やモチベーションの低下、離職や休職などにつながることがあります。

そのため、パワハラに遭った場合には職場でのストレスを軽減するために、労働組合や弁護士などに相談して対処することが重要になります。

【参考】パワハラにならない事例

なお、パワハラと思っているのに実はパワハラとして認められない内容もあります。

具体的には

  • 誤って相手にぶつかる行為
  • 強く注意する行為でも、マナーに欠ける言動や行動を何度注意しても改善しない場合の行為
  • 新規採用者の育成で短期集中研修を個室で行った行為

こうした行為はパワハラになりません。

補足解説

誤って相手にぶつかる行為(身体的攻撃にあたらない)」は、誰にでも起こりうるうっかりミスや事故的な衝突などを指しますのでパワハラとはなりません。ただし、相手に怪我やダメージを与えた場合は身体的攻撃に該当することもあります。

強く注意する行為でも、マナーに欠ける言動や行動を何度注意しても改善しない場合の行為(精神的攻撃にあたらない)」は、その名の通り相手のマナーや言動に対して、注意や指摘を行って改善を促す行為を指します。あくまで注意でしかないのでパワハラとはなりません。ただし、相手を傷つけたり、攻撃的な言動や態度をとった場合は、精神的攻撃に該当することもあります。

新規採用者の育成で短期集中研修を個室で行った(人間関係からの切り離しに当たらない)」は、新しい社員など、特定のグループを対象とした研修や教育プログラムを一定期間集中的に行うことを指します。この場合、個人での受講になるため同僚や上司との人間関係からの切り離しにあたりますが、このような研修を行うことは集団の一員としての共通認識や協調性を養う狙いがあるのでパワハラとは断定できません。

【Q&A】パワハラによる言葉の暴力を受けている方でよくある悩み

パワハラの言葉でムカつく時に注意すべきことは?

ムカついたからといって感情的に動かないことです。相手の言葉に対して感情的な反論を行う、逆に自分が暴力行為を行い加害者側になってしまう、などは避けなければなりません。

ムカつく気持ちも分かりますが、一旦飲み込んでいただき状況をメモなどに残した上でその後の対応につなげていきましょう。

労災認定は受けることができる?

労働者が職場でパワーハラスメントによって精神障害を発症した場合、労働災害として認定される可能性があります。

具体的には、労働災害認定には「精神障害を発症していること」「発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること」「業務以外の心理的負担や個体側要因により発病したとは認められないこと」という3つの条件があります。

「強い心理的負荷」とは、仕事のストレスや負荷の度合いを評価するために使用される「業務による心理的負荷評価表」において、「強」と評価される程度の負荷があることを指します。この表には「強」「中」「弱」という3段階の評価があり、それぞれの評価に対応する負荷レベルが定められています。

労災認定が下りると、労働者は精神障害に関する医療費や休職中の給与などが補償されることになります。

なお、労災の申請手順には、労働基準監督署で申請書を取得し、病院で診断書を受け取り、労働基準監督署に書類を提出する手順があります。

パワハラから回復する方法はありますか?

パワハラから回復する方法は人によって異なりますが、以下のような対策が有効とされています。

  • 運動をする。運動はストレスホルモンを減らし、気分をリフレッシュさせる効果があります。
  • 好きなことに没頭する。趣味や楽しいことに集中することでパワハラのトラウマから気持ちを切り替えることができます。
  • 自分の感情を吐き出す。パワハラの被害や苦しみを誰かに話したり、日記に書いたりすることで、心の負担を軽減することができます。
  • マインドフルネス瞑想をする。マインドフルネス瞑想は、自分の呼吸や感覚に意識を向けることで、心身の安定やリラックス効果が得られます。
  • リフレーミングをする。リフレーミングとは物事の見方や考え方を変えることです。パワハラの原因や責任は自分ではなく加害者にあるということを認識したり、自分の強みや価値観を見直したりすることで、自己肯定感やポジティブな気持ちを高めることができます。
  • アファメーション(自己暗示)をする。アファメーションとは、自分に対して良い言葉やメッセージを繰り返し唱えることです。「私は大丈夫だ」「私は素晴らしい人間だ」「私は幸せになれる」というような言葉を毎日声に出して言うことで、心理的な抵抗力や回復力が向上します。
  • 環境を変える。パワハラから逃れるためにも、職場や住まいなどの環境を変えることも一つの方法です。新しい環境ではパワハラから解放された生活が送れる可能性があります。

以上の方法はすべて試す必要はありませんが、自分に合ったものを選んで実践してみてください。また、パワハラから回復するためには時間がかかる場合もありますので焦らずに自分のペースで進めてくださいね。

まとめ

職場での上司からのパワハラによる言葉の暴力は、決して個人的な問題ではありません。会社としての問題であり、且つ社会問題とも言える大きな課題です。

本記事では、パワハラによる言葉の暴力に遭った場合の対処法や自分自身を守るための方法を紹介してきましたが、うまく対処する方法や相談先を知ることで、自分自身を守ることが出来るようになります。

ハラスメントに遭った時は自分の安全を最優先に考え、上司からのパワハラに対処していきましょう。

この機体の開発者
スミ入れがんばる
うちやま(内山智明)

新卒で入社したブラック企業で月の残業168時間、気合努力根性の精神論だけで詰められ、簡単に辞めさせてくれない毎日を過ごして退職するまでに苦労した経験がある。現在は株式会社BuildingBlockの代表となり、自身の経験を元に、会社を辞めたいのに辞められない・辞めると言い出しにくい人向けに退職や辞め方に関する情報発信を行う

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